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レビュー対象商品: 【Blu-spec CD】マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア (CD)
本作、ライヴ・イヴル、アガルタ、パンゲアという、ビッチェズ・ブリューから75年の引退までのエレクトリック・マイルスを代表するライヴ盤がブルー・スペックで発売されたのでまとめて購入したのだが、どれも自分で聴いて体感して下さい、としか言いようのないサウンドの饗宴だ。その中で69年8月のビッチェズ・ブリュー・セッションに最も時期的に近く、70年1月17〜20日のフィルモア・イーストでの演奏を各日毎にLP1面に編集したのが本作。ニール・ヤングのライヴ・アット・ザ・フィルモア・イーストを持っている人ならMILESの文字がジャケットに見えるだろう。そのロックの殿堂に乗り込むのだから、ロック何するものぞ、というマイルスの自信と意気込みを感じる。後になるとトランペットを吹かずにオルガンでメンバーに指示することが多くなるマイルスだが、ここでは帝王が前面にたってバンドをリードする。そのソロは火が噴くように熱い。ビッチェズ・ブリュー時期の作品が多いが、それもモチーフにすぎなかったり、大幅にアレンジが変えられたりしていて、テンションの点では本作の方が上だと思う。 チック・コリア(elp)とキース・ジャレット(org)のダブル・キーボードの応酬、ジャック・デジョネット、デイヴ・ホランド、アイアート・モレイラのリズム隊の一体感も聴きものだ。キースが叩き出すワウワウ・ギターのような音の塊がオルガンの音の常識を超えてすごいが、ここまでやるならギタリストを起用すべきだったのではという疑問は残る。 ビッチェズ・ブリュー後の作品とはいえ、快調なマイルスのトランペットには正統ジャズの香りがある。この後のライヴ・イヴルで破壊され、新たな創造が行われる前のビッチェズ・ブリュー期のマイルス・ジャズの頂点の記録として、本作の価値は不滅だ。 最後に、音は2006年DSDマスタリングされたものである。 |
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