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カスタマーレビュー

5つ星のうち4.3
26
5つ星のうち4.3
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本作は日本ではあたかもサスペンス大作のように宣伝されましたが、米国では誰もが知っている史実で、「歴史の一コマの映画化」と思います。ついでですが主人公ジエイムズ・ドノバン弁護士は実際にはCIAと無縁な民間人と言い難く、第二次大戦中はCIAの前身機関の顧問弁護士をされていたのだそうです。その経歴が後年重要な使命を託されることと無関係でないことは想像できますが。。。

映画ではドノバン氏は旧ソ連のスパイ、アベルの弁護をつとめた“平凡で善良な米国市民“。そして数年後彼は、米ソ東独3国間で行われた捕虜交換劇の、米国側交渉役を託される。トム・ハンクスの安定感のある演技は監督の期待に十分すぎるほど応えていると思います。が、それ以上にアベル役を演じたマーク・ライランスが抑え目の、しかし秀逸な脇役ぶり。本作で数々の助演男優賞を獲得しただけのことがある映画ファン必見の表情演技と思います。

ドリームワークス社に本作の制作依頼が来た時、共同社長スピルバーグ自身がメガホンを買って出たといいます。東独場面は「シンドラーのリスト」を想起する暗くも寒々しい映像で、当時の東側への入国体験が、この監督の真骨頂でもある“未知世界との遭遇”レベルであったことをスリリングな展開で魅せます。監督はドノバン弁護士を、徹底してCIAと全く見解の異なる「米国の民間人の良心」として描写しています。監督は「人種とか国家を超えた人と人の信頼をみてほしい」という意味のコメントを残してもいます。それはソ連のスパイ、アベルの反応にも印象的に投影されています。本作が世界の人々の心に残ってしまう前提があった以上、監督は一般の米国人たちが信じているそのままに、「感動の史実」のままに、美しく撮って残したかったのだと思います。タイトルの“ブリッジ”にも文字通りの意味の他に、そんな気持ちも込められたと思います。冷戦時代を描写した重い作品ですが監督の想いが人間的な余韻を残したと思います。見応えのある人間ドラマの良作。「シンドラーのリスト」が星5つなら、自分は星4つつけさせていただきます。
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VINEメンバー2016年4月7日
米ソ冷戦時代の1957年、ソ連のスパイとしてFBIに逮捕された男の弁護を引き受けることになった
主人公が、死刑ありきの裁判で様々な嫌がらせや脅迫を受けながら、法の下での正義を貫き
通していくエピソードと、その5年後、偵察機でスパイ活動をしていたアメリカ人パイロットが
ソ連に拘束されたことで、弁護したソ連スパイとの交換交渉を任されることになった主人公が、
単身敵地に乗り込んで危険な任務を遂行していくエピソードを描いた実話で、スピルバーグが監督、
コーエン兄弟が脚本を担当したサスペンス作品です。
流石ハリウッドのヒットメーカーが手掛けただけあって、政治色の強いテーマでもエンタメ作品に
仕上げてしまう手腕は大したもので、結末は分かっているのに、緊張感を途切れさす事のない
スピーディな演出で、最後まで飽きることなく一気に観せます。
ただ何時もの事ながら、善悪の描き方がストレートで、愛国心を強要した作為的な描写は
相変わらずで、主人公と敵対する人物が、人食い鮫や暴走トラックと同じ感情の無い
モンスターに描かれていて、説教臭さも鼻に付きます。
本作で一番興味深かったのは、ベルリンの壁が作られていく場面で、今まで破壊される
ニュースしか見た事が無かったので、新鮮な驚きでした。
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2016年3月31日
 立派な映画だ。作品の到達点はすこぶる高い。スピルバーグの人間としての矜持さえ感じる。

 自分の考えを、複雑な世界の成り立ちを、分かり易く面白く、そして優れたエンターテイメント
として結実させる力量も含め素晴らしい。脚本、撮影、現場・セット造形、俳優、全ての点でア
メリカ映画界の底力を感じる。

 映画の舞台は第二次大戦後の1950年代。米国とソ連が、イデオロギーをめぐり対立した冷戦の時
代の実話に基づく話だ。核兵器も含めた物理的な戦争をギリギリのところで回避しながら、日々、
両陣営のスパイによる情報戦に明け暮れていた時代だ。そのさなかにあって、一人の民間人弁護士
(トム・ハンクスの演技が素晴らしい!)が、米ソ両国が逮捕したスパイ(ソ連のスパイ役 マーク
・ライランスが良い!)をドイツの東西ベルリンを結ぶ橋で交換しようとする。

 優れた映画は多くの事を観客に感じさせ、そして考えさせる。国家の威信や、国家の形態をめぐる
イデオロギー論争の虚しさ。国家と個人のあり方。アメリカ憲法と移民の国としてのアメリカ国家
の成り立ち。自由、平等と正義。

 スピルバーグの軸足はいささかもぶれが無い。人間は平等である。ここに立ち返って物事は判断す
べきであると言う思いが、ひしひしと伝わる。国家や権力が言うことは常に正しいとは限らない。
重要なのは、誰が正しいかではなく、何が正しいかと判断する個々人の力なのだと改めて思う。

 映画ファンとしては、細部の描写も楽しい。見事な1950年台のニューヨークのブルックリンやベル
リンの街並み。米国スパイ飛行機U2の再現。当時の家庭に流れるTVドラマ。衣装、クルマ等々。

 もう一度、観たくなる!
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2016年5月29日
当時の米、ソ、東独それぞれの立場、思惑が複雑に絡む背景なのに、
的確な脚本で観る側を混乱させない。
冷戦下、東西にこれから引き裂かれるタイミングのベルリンって、我々
日本人にはなかなか感情移入しづらい設定だが、そこに難なく引き込むの
だから大したもの。

国のために働くスパイが、国から孤立無援になった時にどうするのか。
スパイの矜持とは何なのか?
そもそも国から孤立無援になって、矜持もヘチマもあるのか?
その辺りの人間ドラマ、そして映画として楽しませるエンターティメントも
ぬかりなく盛り込まれている。
これはもう文句なしの星5つ。
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2016年5月8日
時は冷戦時代、旧ソビエトのスパイを弁護する仕事を請け負ったごく普通の弁護士。
アメリカとしては形だけの裁判にして死刑にするつもりが、人権最優先の立場を貫き、国を敵に回し、家族や本人に死の危険が迫ることも承知で法廷で戦い、最終的には死刑判決を回避することに成功させる。
そしてその後、今度はアメリカのスパイがソビエトに捕まってしまう。
また東ドイツにいたアメリカの大学院生が東ドイツに収監されてしまう。
またまたこの弁護士の登場で、ソビエトのスパイ1人とアメリカのスパイ+アメリカの大学院生、1対2の交換交渉の役目を担い見事成功させるって話。
これ実話だそうで、こんな勇敢な男がいたなんて信じられないが、その話をスピルバーグが見事なドラマとして見せてくれる。
時間にして141分、全てが緊張感ある映像でこういう映像作りってどうやったらできるのだろうかと関心さえするくらいだ。
特に見せ場は最後の20分くらい、人質の引き換え交渉シーンのなんとスリリングなことか。
観ていても緊張感が走る。
そしてラストの持って行き方、思わず涙がこぼれた。
ほんと上手いんだよなあ、スピルバーグの演出は。
これだけシリアスな重いテーマをしっかりとエンターテイメント作品に落とし込む技量、あっぱれです。
そして最後に、アメリカの飛行機がソビエトに撃墜され、落下していく様の映像はちょっと今まで観たことのないようなものだなあ。
常に新しい映像作りするスピルバーグはまだまだチャレンジ精神旺盛だと思ったなあ。
それと弁護士役のトム・ハンクスの演技とは思えない自然体の凄さとソビエトスパイ役のマーク・ライランスという役者さんのなんとも良い味だしていて、この2人のこの映画への貢献度は高いね。
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2016年5月22日
スピルバーグ監督の歴史モノ映画としては好きな部類。

アメリカと旧ソ連間の冷戦時代、ソ連側のスパイを捉えたアメリカと
ソ連、東ベルリンに鹵獲された米国軍パイロットと学生の捕虜交換を描いています。

一市民であるドノヴァン演じるトム・ハンクスがあくまで
1対2の交換にこだわる様やソ連側のスパイであるアベルを
なんとかして国へ返したいという想いの強さがこの映画の根幹となっていました。

相手国(ベルリン)へ赴いた時の電車から見る景色と
帰国した後の電車から見る景色。
同じ地球の同じ時代なのに見える風景があまりに違うこと。

こういったスピルバーグの魅せる手法が名監督さながらの
腕と言いますか、素晴らしさですね。
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2016年7月10日
 監督は、スティーヴン・スピルバーグ監督。主演は、トム・ハンクス。
 U-2撃墜事件でソ連の捕虜となったアメリカ人パイロット、パワーズ解放のために奔走する弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)の姿を中心に、米ソ冷戦時代が描かれています。
 題名の『ブリッジ・オブ・スパイ』とは、スパイ交換が行われたグリーニッケ橋を指す。

 ネタバレにご注意ください。
 冷戦中の1957年、ブルックリンで画家を装い諜報活動を行っていたソ連のスパイ、ルドルフ・アベルは、FBIに目をつけられ、執拗に追跡されたのち、自宅で逮捕される。
 そのアベルの弁護士として白羽の矢が立ったのが、保険担当弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)。
 正直、この導入部は、それほど面白くなかったのですが、スパイ交換の際の交渉術の伏線になっている大切な部分なので、私のように流さない方がいいです!
 ドノヴァンは、バイヤーズ判事に裁判の日程延期を申し入れるが、有罪が決まっていると却下。裁判は、世界に「アメリカの公平性」をアピールする、見せかけだけのものだったのですね。
 陪審評決は、全員一致で有罪。
 死刑判決を回避するため、判事の自宅を訪問したドノヴァンは、将来アメリカ人がソ連の捕虜となった場合の交換材料として生かしておくことを提言。判事は疑問を呈したが、ドノヴァンは「切り札としてだけでなく、人道的な面でアベルが祖国に忠誠を誓っているだけの無害な人物だ」と答える。その結果、判事の心証が変わり、誰もが確信していた死刑判決ではなく、懲役30年を求刑される。
 ここまででも十分な働きだし、社会から白い目で見られているドノヴァンが、何故、さらに刑を軽くしようと最高裁への上訴を決めた心情が理解できなかったのですが、叩かれても、叩かれても、立ち上がる「不屈の人ジム」だったからこそ、アベルの信頼を勝ち得たのでしょう。
 一方、ソ連の上空でカメラによる偵察を行っていたアメリカ人パイロット、パワーズは、地対空ミサイルで撃墜され、ソ連に捕らえられてしまう。この時の映像が今一つで、ちょっと不満。
 ここからが、この作品の見せ場。
 アベルとパワーズの捕虜交換が水面下で始まります。
 ドノヴァンが東ドイツに入ってからは、超緊張…ドキドキ。
 それも、交換は、1対1ではなく、東ドイツに留学していたアメリカ人留学生プライヤーも含めた、1対2なのですから、交渉は難航、決裂の危機が何度も……。
 橋の上で、アベルが言った「抱擁してくれるか、後部座席に、ただ座らされるか」。
 専用機に乗り込んだパワーズが言った「何も話していない」。
 国のためにスパイとなり、収監され、厳しい取り調べを受け、心身ともにボロボロになった彼らを待っていたのは、「称賛」や「労い」ではなく「疑惑」。祖国に「情報漏えい」「逆スパイ」を疑われるという悲哀をひしひしと感じました。
 また、ベルリンの壁を乗り越えようとした市民が、次々と打ち殺されていく場面には胸が締め付けられましたが、ドノヴァンが、ニューヨークの勤務先に向かう電車の中から、壁を乗り越える遊びに興ずる少年たちを見るシーンも切なかったです。
 ドノヴァンが、何度かアベルに「不安ではないのか?」と尋ね、そのたびに「それが役に立つのか」というアベルの言葉は、心に響きました。
 
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VINEメンバー2016年5月13日
冷戦下で起こった実話。
スパイ容疑の捕虜の交換に関わった弁護士ジェームズ・ドノヴァンを、トム・ハンクスが好演。
彼の憲法順守の信条を曲げなかった故の苦悩、そして忍び寄る危険。
それでも自らの直感と正義を信じ、体面が何よりも大切な大国の間で翻弄されながら、
人権派でもあるドノヴァンが奔走する。

それぞれの国の当時の事情や、国内に流れる空気までもが繊細に描かれていました。
交渉に失敗し救出出来なければ捕虜は勿論、
関わったドノヴァンまでもが闇から闇に葬られる、そんな危険と隣り合わせの任務。
冷戦という形の恐ろしい戦争。

作品中目に留まったのが “ベルリンの壁” です。
ここでは当時そこで起こっていたこと、背景の一つとしてそれはあったのですが、
最後に閉じられた大きなブロック, 越えようとして落とす命 ...
今まで見た “ベルリンの壁” の中で、何故か最も強く印象に残りました。
出演者の重厚な演技、それにこたえて背景も何かを語っています。

米国側が捕らえたソ連のスパイアベル (マーク・ライランス) の、
全く取り乱すことのない様子は、凄腕というより覚悟のように見えました。
ドノヴァンとの間に友情にも似た信頼が生まれます。
ドノヴァンが最後までアベルの身を案じる姿に、形を変えて続く戦争の残酷さを感じました。
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2016年5月5日
ノンフィクションを脚色したお話とのこと。

焦点は、ソ連スパイを弁護した米国弁護士ドノヴァンの振る舞いにあります。

その根底に「不退転の男」のスタイルがあったというのが、評価される者からは評価されたということです。

視聴後、爽快な感じがしました。

それにしても、トム・ハンクス氏はこの間はウォルト・ディズニーを演じていましたね。多才です。
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2016年5月9日
 コーエン兄弟の脚本がとてもスムーズ。三つの場所(言い換えると三つの時間)が交錯し、最後に一つになるのだけれど、最初から「同時進行」的な感じ。別々なことがらが最初から緊密に関係している印象が強い。実際、そこで起きていることは「同じこと」なのである。
 で、その「同じこと」に、日本のいまも重なる。前半。トム・ハンクスがマーク・ライランス(うまい!)の弁護を引き受ける。そのときの「市民」の反応が、いまの日本を連想させる。「論理」にしたがうのではなく、「感情」(不安)が動いている。ソ連はアメリカの敵、弁護するなんて許せない。ソ連はアメリカを攻撃してくるかもしれないのに……。
 これに対して、トム・ハンクスの演じる弁護士は「憲法」をよりどころにして自説を譲らない。権力の暴走に抵抗する。安倍が憲法を「解釈」でかってに変更するのと大違い。憲法こそがアメリカのよりどころ、アメリカ人である証拠。自分が立つ場。「理念」こそ、人間のよりどころ、というわけである。
 「理念」というものは、もちろん現実のなかで動かせないと、意味がない。トム・ハンクスは、相手と交渉するときに、「その理念を動かしつづけるときに、現実はどうかわるのか」と問う。
 これが、なかなかおもしろい。
 特に、マーク・ライランスに対して「死刑」を宣告しそうになる判事への説得がいいなあ。「もしもアメリカのスパイがソ連につかまったとき、その釈放を求めるときの交換条件としてつかえるのではないか。死刑にしてしまったら、そういう切り札を失うことになる」。ひとを自分の感情の対象とするのではなく、ひとをどのようにつかうことができるかを考える。
 で、ここから、トム・ハンクスの弁護士の「思想」がくっきりと浮き彫りにされはじめる。
 ひとと交渉するとき、ひとは何のためにそうしているか。言い換えると、そのひとの本意で動いているか、誰かにつかわれているかを見る。つかわれているのだとしたら、そのつかい方(つかわれ方)に対して直接反応するのではなく、別の「つかわれ方(つかい方)/動き方」を提案する。人間の「理念」とそのひとを結びつけながら、「理念」の方へぐいと押しやる。
 ドイツとの交渉の部分が象徴的だ。交渉相手が外出してしまう。それを告げに来た若い秘書(?)をつかまえて、伝言を頼む。若者はまだ「外交術」に染まっていない。「理念」が色濃く残っている。その「やわらかいこころ」に切々と訴えかける。「この交渉だけではなく、それが将来的に何を引き起こすか、理念をもって判断して行動してほしい」と伝えてほしいと言う。(あ、もっと、具体的なんだけれど、台詞が思い出せないので、要約した。)
 ことばのアクションというのか、「理念」のアクションというのか、よくわからないが、コーエン兄弟の、切り詰めた、この「ことば(台詞)」の動きが、とてもいい。アクロバティックな肉体のアクション、CGのアクションではあらわすことのできない「緊張」を生み出している。
 このことばのアクションを際立たせるように、トム・ハンクスも「肉体」をぐいと抑えて演技している。マーク・ライランスは、トム・ハンクス以上に、その抑制が効いていて、見とれてしまう。
 マーク・ライランスは、トム・ハンクスに何度か「不安じゃないのか」と聞かれる。それに対してマーク・ライランスは「不安が何かの役に立つのか」と聞き返すのだが、これが彼の生きてきた厳しい状況を強く浮かび上がらせる。「不安」に向き合って、感情を動かしている余裕などない。彼の「行動理念」のなかに「不安」という感情が入り込む余地はないのである。
 うーん。
 ジェームズ・ボンドやジェーソン・ボーンのように派手に動かない。まるで気弱な市民。絵が好きな老人。その静かさのなかに、強い「理念」が生きている。
 これに比べると(比べられると損だなあ)、トム・ハンクスはまるでヘンリー・フォンダ。アメリカの良心。それはそれでいいけれど、あ、マーク・ライランスの引き立て役になっている、と思ってしまう。主役なのに。とてもうまいのに……。
 カメラもいいなあ。「時代」を感じさせる。(この時代のアメリカやドイツを実際に見たことはないのだが。)色が落ち着いている。アクションの切り取り方(地下鉄の追跡シーン)も人間臭い。カメラが演技しすぎない。ひとをちゃんと動かし、それを撮っているのも、なんとなくなつかしい感じで、落ち着きがある。
 スピルバーグというと、どうしても「アクション映画」というか、「映像のアクション」(肉体を刺戟してくる映像)を思ってしまうが、今回は「ことばのアクション」「理念のアクション」に焦点をしぼって、わーっ、美しいと叫んでしまうような「映像」を封印しているのも印象的だ。
 (「ことばのアクション」という点では、「リンカーン」も「ことばのアクション」の映画だったが、ダニエル・デイ・ルイスは「ことば」に語らせるというよりも、「声」でアクションをしていた。その点が、今回の映画とは違うね。)
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