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カスタマーレビュー

5つ星のうち4.747
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2006年8月10日
徹底的に濃厚。中世の陰鬱と狂気ともいえる残虐で原始的な快楽への熱中が全編を通して表現される。この時点で拒否反応を示す人がいるかもしれない。字幕ではプロテスタントとなっているが、正確にはこの婚礼で虐殺されたのはフランス語読みの「ユグノー」たち。イタリア出身のしたたかな王妃カトリーヌドメディチの策によってカソリックとユグノーの和解の象徴としてユグノー領地の王アンリと結婚させられた長女マルゴの生き方を濃密に表現した映画。音楽が重厚で悲愴に満ちている。淫蕩でありながら聡明である二面性を持った王妃マルゴをイザベルアジャーニが濃演。個人的に、マルゴの次女役で出演している女優の妙演にかなり好印象。偉大な皇太后カトリーヌ亡き後、この映画中で栄華を誇ったヴァロア朝の王兄弟に嫡子はなく、結局フランス全土の王冠は「ユグノーの花婿」として人質同然に婿入りしてきたナヴァル王アンリのブルボン朝に受け継がれる。このブルボン朝から後の太陽王ルイ14世が生まれる。歴史の皮肉である。この映画には登場人物が多く名前と顔が一度見ただけでは一致しない。一度みて全貌をつかんだ後に、2度3度と見ると、そのたびに何かしら発見のある映画。
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2012年5月9日
まだ発売されていないのですが、とても楽しみにしています。

舞台はヴァロア朝末期のフランス。カトリーヌ・ド・メディチの「不肖の」娘、国王シャルル9世の妹で、奔放な行動で歴史にも名を残す王女マルゴが主人公です。カトリックのヴァロア王家は、力を増しつつあるユグノー(プロテスタント)との融和を図るため、王女マルゴとユグノーの首領で小国ナヴァールの王アンリの結婚を挙行する。しかしそれはユグノーを油断させて殲滅するための王太后カトリーヌの罠だった…。

世界史でいう「サン・バルテルミーの虐殺」前後を題材に、『三銃士』のアレクサンドル・デュマが書いた小説を、映画界・演劇界両方の巨匠であるシェローがフランス俳優陣の豪華オールスターキャストで描いた、素晴らしい作品です。歴史の面白さ、王家内の確執などの人間ドラマ、ブルーや緑が印象的な映像美、キャスティングの妙など、すべて文句なし。

シェローは作品によっては芸術的過ぎて、私にはしんどかったりするのですが、これは取りつきやすいエンターテインメントに仕上がっています。情熱的なマルゴを演じるアジャーニは、例によって年齢不詳で非常に美しいです。母の圧力と王位を狙う弟たちに苦しむ、孤独なシャルルを演じるジャン・ユーグ・アングラードも代表作と言えるのでは? そんなシャルルと束の間の友情を通わせるアンリを演じるダニエル・オートュイユもさすがのはまり役で、誠実で朴訥な感じが、後にブルボン朝を開き、今もフランス人に最も愛される王とされるアンリ4世にぴったりです。

長らく廃盤で、昔のビデオの粗悪コピーしかもっていなかったので、DVD再発売を歓迎します。大河ドラマな歴史ものが好きな方にはお勧めです。
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とにかく映像が美しい。夜の暗闇、重厚な建物、当時の衣装、全てがフランス、ヨーロッパの歴史の重みの中でじわじわ心に響く美しさを放っています。
私はイザベル・アジャーニが好きでこれを見ましたが、彼女もやはり美しい。愛する人と添い遂げられない主人公の苦悩がよく出ています。苦しく、せつないラストまで、飽きずに見入ってしまいました。
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2014年5月2日
アレクサンドル・デュマの古典をパトリス・シェローが映画化した力作。主演はイザベル・アジャーニ。十六世紀末のフランスで渦巻いた王位奪取のどろどろの権力争いを描いた超力作。王家内の親族同士の争いに、ルター派とカトリック派の宗教対立がからんむ血みどろのスプラッターともみえるが、世界史で習った「聖バルテルミーの虐殺」を軸に展開する権謀術策、それが母后の独りよがりな欲望のもとにつぎつぎと行われて、ついに王朝とその家族壊滅にいたる見事な絵巻ものである。それはフランス中世史の幕引きであり、近世史の始まりたるブルボン王朝誕生へといたる史的展開なわけだが、王妃マルゴをとりまく兄弟たちの葛藤ぶりがすさまじく描かれて、そのあたりの描写が猛烈である。こうした作品なだけにマルゴ役の壮烈さに目を奪われてしまうが、莞爾としてマルゴを演じ切るアジャーニのすさまじさは特筆ものである。またこうした作品を映像化するパトリス・シェローという監督のすさまじさはもう語るべき言葉もないほどである。まさに圧巻のフランス中世絵巻であるといえる。そしてそれを大いに支えて奮闘しているのが母后を演じたヴィルナ・リージである。この人がないとすると、この作品の魅力はほぼ消滅するし、自分自身、この人がこれほどの実力ある女優さんだったとはうかつにもこれまで知らずにいたことが恥ずかしいというぐらいのものである。だいたい「女房の殺し方教えます」ぐらいしか見ていないのだから彼女を云々しようにもその資格はまるでない。ただただ首を垂れるのみである。
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2004年12月9日
この監督パトリス・シェローはフランス演劇界で名を売り、ワーグナー没後100年の「世紀のワーグナー」でもう一人のフランス人音楽家ピエール・ブーレーズとコンビを組んでニーベルングの指環を演出し「物議と賞賛」を巻き起こしそれで徹底的に有名になった人です。
 あの悪名高きサン・バルテルミーの夜を再現した死体の置き方の背景には日本の「暗黒舞踏」が元になっているような気がします。(1980年にワルキューレの第三幕を見たとき当初の死体の置き方がそうだったのでそれの踏襲で、より洗練(?)された感じです。いまやバイロイトを始めワルキューレ第三幕の殆どはシェロー・スタィルが一般的になってますが。)
 またイザベル・アジャーニの綺麗な女優さんなのに汚れを厭わない突撃振りが「サービス」精神旺盛な所で素敵です。お時間ありましたら彼女が出演している「ポゼッション」を是非観て下さい。
 又BGMのエロ・ハイ(音楽ゴラン・ブレゴビッチ)を歌うオフラ・ハザのシャープな声がきりりと締めています。サン・バルテルミーのサバト的な音楽も美しい。人物を捉えてたカメラワークの単調さが(近視的)少々気になる人もいるかも知れないが、私はこの映画は文句なしの星五つを挙げておきたい。
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2004年5月17日
うす暗ぁ~いフランスの、宮廷の、王室の、ドロドロ~~っとしまくりのストーリー。歴史もの、時代劇ものへの興味で見てみたら、びっくり。内容は女優対男優。火花バチバチの競演。どうやら近親相姦なんかも普通~に行われてしまっている王族の、夜は男を求めるのが当たり前かのようにあどけない表情のイザベルアジャーニ、さりげない演技。ジャンユーグの、権力争いに見せる過剰なまでのキッモチ悪い幼児性表現にはサービス過剰なまでの演技力を感じました。
すごいですよ。かと言って決してゲテモノ映画ではありませんよ。ああ恐ろしやフランス王家。
濃ゆく豪華な、見応えたっっぷりの映画でした。
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2005年1月18日
この映画を見てイザベル=アジャー二のファンになりました。
隅々まで完璧な配役、そして熱演。重厚で物悲しい音楽、落ち着いた美しい映像、豪華な衣装、切ない物語。
DVDの美しい画質で永久保存するに相応しい名作だと思います。
廃盤になったのだとしたらとても残念です。
サントラもお勧め。
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2014年5月2日
とにかく極めて美しいアジャニ。
彼女の美は《王妃マルゴ》と《惑い(アドルフ)》との双璧です。
マルゴは妖艶にして豊麗、アドルフでは清らかで儚げで、彼女の二面性が際立ち、それだけでも凄い女優です。
いずれも、彼女は結構な年齢で、恐ろしいほどの美貌。
立ち居振る舞い、表情や視線、一瞬一瞬の、全てが、魅惑的。

他のメンツも、フランス映画界を代表する主役級のベテランの大物だらけ!圧巻です。それぞれの主演作をかつて観て知っていますが、優れた名優・怪優たちです。
これだけの面々を、個性を活かしながらまとめ上げた、監督パトリス・シェローが、2013年に亡くなった事、心から悼みます。

陰翳に富んだカメラワークは、絵画的でありながら非常にドラマチックで、ウジェーヌ・ドラクロワを想わせます。

衣装も息を呑む豪華さで、メイクもハッとする華やかさです。さすがフランス。

歴史物として面白い時代を、荘厳な映像と、華麗な美術で、印象的に描き出しています。
陰謀と罠、命懸けの友情・忠誠・悲恋。
マルゴに寄り添うアンリエットや、ラ・モールと救い合うココナス。脇役がとても魅力的です。
群衆に至るまで、ヌルい演技をする者が一人も見当たりません。
チョイ役の女性が《真珠の耳飾りの少女》みたいです。

20年近く繰り返し観続けていますが、まるで飽きません。
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萩尾望都さんの新連載『王妃マルゴ』が始まったこともあり、
このパトリス・シェローの名作を再び見てみたくなって購入しました。

16世紀のフランス、カトリック対ユグノーの血で血を洗うような政争に明け暮れる時代、カトリーヌ・ド・メディシスとアンリ2世の娘として生まれたマルゴが母の権力行使の道具として、ナヴァルの王子アンリと政略結婚させられる絢爛豪華なシーンから始まります。

サン・バルテルミーの虐殺のシーンの迫力は言うまでもありませんが、王家の人びとの入り組んだ血縁関係、策謀や嫉妬といった権力に伴う醜悪な人間模様の中でイザベル・アジャーニのエキゾチックな美貌が際立ちます。脇役も名優ぞろいで、特にカトリーヌ・ド・メディシスを演じる往年の美人女優ヴィルナ・リージ(カンヌ映画祭主演女優賞受賞)の鬼気迫る演技には圧倒されました。

時の政治に翻弄されつつも、自分の心に忠実に生きたばかりに悪名を冠せられたマルゴの悲しみを迫真的に演じたアジャーニの素晴らしさに改めて感動するとともに、重厚なセット、美しい衣装や哀切な音楽にフランス映画界の底力を感じました。この名作がこのお値段で買えるようになったことも嬉しい驚きでした。
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2012年12月23日
『三銃士』を始め、デュマの作品は幾度も映画化されていますが、この作品ほど、観る者を圧倒する迫力と躍動感で映像化したものはないでしょう。本作の公開当時、映画館でサン・バルテルミーの虐殺シーンに衝撃を受けたことは忘れられません。憎悪と不寛容に支配された人間たちの本性が、画面をぶち破ってくるほどの凄まじさ、生々しさで描かれています。宮廷シーンの描写も、ハリウッド製歴史劇の煌びやかさと対照的に、終始暗い照明で撮影されているところに、フランス歴史劇映画のリアル志向を感じました。その「暗さ」に、渦巻く陰謀のなかで生きる宮廷人たちの「心の闇」が見事に表現されていると思います。
明日の命をも知れぬ過酷な時代であればこそ、マルゴとラ・モールの恋も、激しく燃え上がり、美しく華ひらいたと言えるのではないのでしょうか。それが悲劇的な結末を迎えただけに、いっそう深く胸に刻みつけられるものがあります。ラ・モールとココナスの友情も同じ。激しい闘いの末、無二の親友同士となる彼らの姿に、友情は信仰や政治的立場をも超越するものであることを強く感じます。恋も友情も、命がけの時代であればこそ光輝くのです。
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