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カスタマーレビュー

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ベスト1000レビュアー2011年12月9日
まず、本作は初見のはずなのだが懐かしい感覚にとらわれた。
郊外の団地の風景は少し前の昭和の典型的な風景の一つだろう(私はそこで育った…)。病院も最近のドラマに出てくる変に照明の綺麗なものとはちがい、どこか古めかしく懐かしく感じる。演出も展開もどこか古めかしい。役者の演技も(振り返ってみると)オーバーアクションのような気もする。
だが、
それを吹き飛ばすような力強い独創的な恐怖をこの映画は見せる。

一言で言えば、破傷風に罹った娘とその両親の闘病記だ。
そしてその題材を『新しい恐怖映画』として創っている。(映像特典予告の監督自身の言葉より。この『新しい…』がポイントなのだろう)
舞台はほぼ病院内と団地の室内だけだ。メイン舞台である個室は、破傷風への対応の為に暗室のように光線を遮られ昼夜の区別がつかない異様な状況となる。そのホラー映画的異空間での病魔との闘いが描かれる。
有名な子役の演技は見所。発作のシーンは演出の巧みさもあって見事な説得力だ。そのほか脇役も豪華で特に女医役の中野良子が印象的だ。出番は少ないが宇野重吉の存在感も◎。そして両親もがんばっていた。終盤ほろりとさせられたのも事実だ。
そして何より観終わるとぐったりする映画でもある。
密度の高い強烈なシーンが続くのだ。とくに、脈拍が一度停止するシーンは凄まじい。(気管切開の話が出たときも辛かった…。中止でほっとした)エンドマークが出るまで「何時また発作が起きるか」と不安がつきまとう。何もないシーンでも緊張が解けない。そんな意味で息つく暇がないのだ。現代的なホラー映画とも古めかしい怪談映画とも‘種類の違う’怖さ…。これを幼少期に観たらトラウマになるのは当然だろう。(ビジュアル的にはそれほど激しくもないが暗闇に口から血を流した幼女の画面は確かに凄惨だ。)

と、ここまで書いていて気がついた。少し前に放送されていた『た●しの本当は怖い家庭の医学』の再現VTRの‘怖さ’に似ているのだ。
うちの子(小学生)はあの番組を怖がり苦手だった。「人知れず平和な日常を壊す恐怖が迫っている…。」それがこの映画の恐怖の性質の一つだと思う。
 『そのまま放って置くと、大変なことになりますよ』

実のところ映画としての完成度はそれほど高いとは思われなかったのだが、演出の吸引力は並外れているし、さらに『震える舌』という異様な題名、独創的な恐怖の扱い方。カルト化するのも頷ける。DVD化で伝説となっていた本作を手軽にみることが出来るのはありがたい。

未見の方は是非
(トラウマになっては困るので大人限定で)
2コメント2件|44人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2012年1月16日
「怖い」「トラウマになった」とこの映画を論評している人も実際多いですし、DVD化が遅かったこともあってホラー映画だと誤解していた方も多いと思います。
予告や劇中の発作時の演出など、当時ヒットしていたオカルト映画を参考にしている部分は確かに多いのですが、不条理なオチも、ショッキングな展開もありません。自分もホラー映画は大好きですが、これは物語も演出も構成もホラーとして作られてはおりませんので、そういう映画を期待する方にはまったくお勧めできません。
キャッチコピーに、少女は悪魔と旅に出た、とありますが……話の主題としては、両親も一緒に難病という悪魔と旅をし、そして徐々に壊れていく様がメインです。
ようやく待望のDVD化で数十年ぶりに視聴したのですが、病魔の恐怖と並行して描かれる、ごくありふれた家族の心が蝕まれていくことで決して美談ではすまされない両親達のギリギリの苦悩……この映画の恐怖とはそういう危うさを自分も持ち得ていると実感させられることではないかと感じました。この辺のリアリティが本当に怖い。
それにしても、子役の演技が奇跡的と思えるほど凄まじい。監督は、この子にどんな演技指導をしたのだろう?
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2005年5月31日
この映画は一応ホラー映画ではない。
破傷風にかかってしまった女の子と家族との闘病生活の話なのだが、
とにかく怖ろしい。
公開当時、ホラー映画のようなキャッチコピーを付けられてしまったのも納得。
ビックリする感じの怖さではなく、精神的にくる怖さ。
さすが「トラウマ映画」と言われるだけある。
それと、子役の演技が凄い。映像を直視できないほどの演技。怖い。
この映画は一度見てみる価値あり。
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2013年6月3日
今どきの「天才」子役=演技がうまい/「震える舌」の若命真裕子=演技をしているようにすら見えない(あまりにも自然すぎる!) これがこの映画を見たあとの率直な感想だ。1980年当時5歳(?)でこれほどの実力を持った女優さんがいらっしゃったとは! 周りの俳優陣も全てが緻密にこの「リアルな」架空世界を描いており、あまりの痛々しさに十朱幸代じゃないけど「もうこれ以上何もしないで!」と叫びたくなった。マーちゃんがなぜ好きでもないチョコパンを欲しがったのかは謎だが、そんなことはどうでもいい。一般病棟に移されてすやすや寝ているマーちゃんの姿が最後に映し出され、やっとぼくもこの地獄絵図から解放されたのだった。
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2011年11月25日
破傷風菌に感染した少女とその両親の闘病ドラマ・・・と書くと、昨今流行の難病映画と思いがちですが、この作品ではあえて少女を「怪物」として描くことで秀逸な恐怖表現を実現しています。

意志の疎通が失われ意識も朦朧とする中、唐突な怪絶叫を上げる病床の少女の姿は非常にショッキングで、まるでこの世とあの世がこの少女を媒介につながっているようなおぞましさすら感じます。
また彼女を見守る両親も、その少女が発散する「死」の気配にあてられたかのように衰弱していきます。
決して派手な作品ではないのですが、病室を中心に発散される濃厚な死の気配に、観客側も侵食されてしまいそうな錯覚すら覚えます。

とは言え、闘病感動映画としても実に秀作で、幼い命を救おうと奮闘する女医の姿や少女を見守る家族の愛、そしてクライマックスに少女の発する「一言」は、凡百のお涙頂戴映画とは比較にならないほど感動的です。

背筋が凍るような恐怖と深い感動が平然と同居する、昨今のパターン化した娯楽映画ではありえないような奇跡を描ききったのは名匠野村芳太郎。
『八つ墓村』も田舎ホラーの大傑作でしたが、この『震える舌』も同様に恐ろしくかつ感動的で、見終わった後は脱力感と疲労感に襲われるほど。
ぜひ多くの方に観て頂きたいです。
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2013年3月20日
一見ホラー映画であるかのような、パッケージングとマーケティングが
実にシュールにキマっていて、ホラー映画を求めてやってきた観客の
心に、バシっと「良き日本映画」を叩き込んでくれる。

特筆すべきは、やはり子役の演技力だろう。昨今の大人の真似の上手な子役や、
ただキャラを演じているだけのケンちゃん型子役とは隔絶した演技力で、いや、
演技なのか?と思わせる実に自然な振る舞いが素晴らしい。

「怖い怖い」という感想が多いが、この「怖さ」は、親が必然的に持たざるを得ない
現実の恐怖であって、いわゆる「ホラー」のそれとは似て非なるものである。
むしろ、厳然たる現実であるからこそ怖いのであり、また、殺人事件のように
あからさまな「悪人」が出てこないにも拘らず、絶対的に苦しまなければならない
という人間の「不条理」も炙りだされていて、難病に苦しめられる子供とその親の姿からは、
旧約聖書の『ヨブ記』さながらの神への不信感すら漂っている。

罪を犯していないのになぜ人は苦しまなければならないのか。
そういった古典的な問題を踏襲している日本映画の名作であると思う。
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 1980年公開ですか、私は、この映画を公開時に見ています。何故この映画を見たのかはっきりと覚えていませんが、監督が野村芳太郎だった事、オカルト映画のような扱いだった事、そして、中野良子が出ていて事(大フアンだったんです)等の理由だと思います。実際、見ると破傷風菌に感染した後は、舌を噛んで口腔、口唇は血みどろだし、海老反りにはなるし、まるでエクソシストを見ているようでした。事実、彼女はその朝、悪魔と旅に出たとか、また、監督も恐怖映画を創ったとか言っていましたし、恐怖映画そのものの扱いでした。
 しかし、今回DVDを見てみますと、考えが180度転換しました。これは、恐怖映画の衣をまとった家族愛の映画だったんです。私も2人の子供がいますが、下の男の子が生後3ヶ月位のとき、40℃を超える発熱が数日間続き、入院し生死の境をさまよいました(通常自然免疫があり、こんな状態は稀)。その時の体験があるので、今回のような見方になったのでしょう。事実、母親は、途中で少し精神に変調をきたしますし、夫婦の仲も悪くなります。一時母親は、子供の看護を放棄しますが、やはり子供のところへ戻ってきます。 でもやっぱり一番頑張ったのは子供です。毒素に犯され、恐怖心に打ち勝って生還したのです。そして、夫婦の仲も自然に収まりました。昔からよく言いますね、子は鎹と!!!
 しかし、中野良子よかったですね。好演です!!
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2011年12月4日
>彼女はその朝、悪魔と旅に出た
これ、メーカーはホラーとして売りたいのだろうか。
とんでもないことで、そこらにあるようなロマンチックで甘い闘病物とは一線を画す
親子の凄まじい死闘の記録です。
特に子を持つ夫婦に見てほしい。子煩悩な親こそ見てください。
子育てとはなんなのか、子に対する愛とはなんなのか。
自分は親としてなにができるのだろうか。どこまでできるのだろうか。
たぶん映画が終わったあと、脱力し、なにも言えなくなってしまうでしょう。
しかし絶対見るべき映画。
子役は、芦田愛菜もうまいとは思うが、更に彼女を超える、ある意味、演技の到達点。
奇跡の演技。
カルトでもない、ホラーでもない。日本映画の最高傑作の一本。
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2008年7月4日
20年以上も前だと思いますが、テレビで2回ほど見て強烈な印象が残っていました。その後バッハの音楽にはまり片っ端から聞いていたところ、チェロの独奏曲の時に何故か恐怖感で身体がフリーズしてしまいました。理由を自問自答していたら、この映画のオープニング音楽だったことに気付きゾッとした記憶があります。どうしてももう一度見たくて探し続けていました。今回Amazonさんで極めて安価に優良品を入手するけとができ、心から感謝しています。みなさんのコメントも大変参考になりました。(今まで間違えて震える「唇」で探していました!)今から同時購入した原作本を読みます。
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2016年3月26日
当時、土曜ゴールデン洋画劇場で放映されました。低小の頃視聴した私は恐怖でかつ釘付けになり翌週学校はこの映画の話題で持ちきりだったことを思い出します。河川での泥遊びは気を付けようと話をしていました。
この作品で破傷風におかされる少女の変貌ぶりは名作エクソシストそのものです。
非現実的なものでなく身近に潜む現実味のある恐怖に勝るものはないでしょう。

担当医 中野 良子
昌子の父 ・昭 渡瀬 恒彦
母 ・邦江 十朱 幸代
娘・昌子 若命 真裕子(子役)
このメインの4人が奇病(テタナス菌)に立ち向かいます。
刺激のある音、光に過敏になり痙攣を引き起こす為、黒いカーテンを張り巡らせた暗室に入室させるのですが、なぜICU室じゃなく近くで子供がやたら騒ぐような場所に充てたのかが疑問でしたが、それよりも
担当医(中野良子)の献身的な対応(言葉遣い)や動きは魅了されます。そして破傷風痙攣から治療奮闘ぶりをリアルに画き、治るともわからない我が子を見守るだけの苦痛な闘病生活は限界まで続きます。その行く末に勝ち得たものは、家族の強い絆、多大なる感謝と喜びです。
この子が生を取り戻し体を支配した悪魔が消滅したのを体で感じとり思わず溢れ出た心の叫び「食べたい!チョコパン食べたい」「チョコパン、チョコパンだよぅ~~!」。
食べ物は何でもよかった。
ただただ叫んでしまったのです。

そんな娘の様子を目の当たりにし、治った~!!と実感するお父さんの感極まる表情(泣けます)
これは今でも鮮明に覚えてます。
元の家庭へと戻れるハッピーエンドなエンディングです。
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