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49レビュー
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有用性の高い順 | 最新のレビューから
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87 人中、76人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
さわやかな苦さが残る映画,
By さいのじ (兵庫県) - レビューをすべて見る
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歩いても、歩いてもは苦い映画である。しかし、その苦さは小気味よい。家督を継ぐべき息子を失った上、次男に出奔された親と、親の期待に応えられなかった子の、決して理想的とはいえない、しかしそれでいて濃密な関係が、姉一家や兄の死と関わった人間とを巻き込んで繰り広げられる。決して喜劇ではない。かといって悲劇でもない。ひとつには自分の両親と姉一家を通して、またひとつには妻と妻の連れ子を通して経験する、他人ではない家族だからこそ味わねばならない心理の機微。ユーモアとペーソス、時には残酷。この機微がもたらす主人公の心の揺れは、喜怒哀楽という感情とはまた別の次元で我々の心を揺らす。家族の中では正論というものは通用しない。あくまでも当人らの「普通」の感覚がすべてを支配してしまう家族の濃さ。自分の親が健在なら健在なりに、もし故人であれば、残された子としてさらに深い感慨を持って見ることができるだろう。そして自分なりの感慨を抱くことができることこそがどれだけ幸せなことであるかに、はたと気づく映画でもある。
63 人中、55人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本人の映画,
By タウザー "タウザー" (神奈川県) - レビューをすべて見る
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評価が低い人のレビューを読んだので書かせていただきます。評価と言うのは人それぞれなのであまり参考にしすぎてはいけません。 ですから作品自体を否定するのではなく、作品と自分の感性との対比をレビューしてほしいものです。 頭ごなしに否定しても下品ですし、内容がとぼしいです。 この映画は日本の家庭をリアルに描いています。その中でノスタルジーに浸れるセリフやカットが含まれていて日本人のアイデンティティを刺激します。 家族ならではの心の動きや、大人ならではの汚さ。その合間に子どもの自由と自由さゆえの残酷さも描かれています。また、ゴンチチのBGMも素晴らしいです。 ハリウッドのような分かりやすさや単純な爽快感を求める映画ではありません。映画という娯楽でありながら色々と考えさせてくれる人生の教材のような映画です。 淡々と普通の生活をただ描いている。という評価もありますがそれは感性の問題でしょう。 私にはセリフもカットも美術も非常に作りこまれていて感じることが多かったです。 流しながら観るのではなくて感じようとして。是非たくさんの人に観てもらいたい作品です。
36 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
何も起こらない事の裏側にある愛おしさと痛切さ。,
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ある男の、ある夏の帰省の1日半。取り立てて、何か大きな出来事が起こる訳ではない。物語が進むにつれ、例えば、男と連れ添って帰省する母子が、彼の妻とその死別した前夫との連れ子である事、男は父親との確執がある事、実兄が若くして事故死しており、その墓参りも兼ねている事、そして何かと世話をやく口うるさい母親を疎ましく思っている事、などから帰省するのを億劫に感じているのが見えてくるが、だからといって、それらの事柄が劇的な展開を生む事はなく、淡々と“セレモニー”は過ぎていく。些細なエピソードを積み重ねながら、むしろ何も起こらない事の凄さ、その奥底にある愛おしさを感じさせる映画だ。樹木希林とYOUの、料理を支度しながらぐだぐだと続く家族の話であったり、阿部寛と夏川結衣の、帰省時の気の重さであったり、誰彼となく当り散らす原田芳雄の焦燥感であったり、とにかく、登場人物たちにより語られる会話や仕草のリアル感と辛辣さの裏側にある切なさに瞠目させられる。 小津映画を意識したような茶の間の語らいシーンや、映画のリズムと一体化したゴンチチの美しく叙情的なギターの旋律が魅力的。 樹木が絶妙。彼女は松岡錠司版「東京タワー」でも母親役を好演していたが、これは是枝裕和による亡き母親への思いの丈を綴った作品でもある。 いつしか観る者誰もが、自らの帰省、強いては両親への想いを照らし合わせ、ある種の感傷と痛切さを共有化してしまう映画。終盤近く、石畳の階段を上がっていく原田と樹木の後ろ姿に、すっかり小さくなってしまった我が両親の姿が重なり、胸を衝かれた。 秀作です。お薦め!
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
エンターテイメントと言うよりは作品って感じの映画。,
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15年前に亡くなった長男の命日に長女と次男が家族を連れて実家に帰る話。 日本の映画の奥深さに脱帽。 家族一人一人がそれぞれの思い、 本心、嫉妬、嫌悪感や劣等感などを抱きながら それらにはあまり触れずにお互いと接している その表にははっきりと出ない微妙で極々小さな心の動きが 表現されていて感動した。 何か歯痒くて 何か淋しいお話。 この映画、好きになる人と嫌いになる人が 両極端に分かれると思います。 微妙すぎる表現はこの映画の良さでもあるのですが 人によっては何も起こらない退屈な映画に感じれるかも知れません。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大人の世界は苦い,
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お盆で親戚が一同に会した時の、妙な居心地の悪さがよく出ていると思いました。大人が親戚同士で見栄を張り合ったり、様々な計算をする傍らで、初めて会った子供達はすぐに打ち解けてしまう所が凄くリアルだなぁと思いました。 見て決して楽しくなる作品ではありません。映画を通じて自分と家族との距離を省みさせてくれる、少し苦みの残る作品です。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
今年もやってきましたね・・・,
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ある夏の日、そこに集う家族の姿を描く作品。老いた両親のもとに帰る息子と娘とその家族が描かれ、そこで展開されるセリフやシチュエーションがリアル。わだかまり・よそよそしさ・ちょっとした皮肉など、マイナス要素と気まずさの展開に共感出来続ける。共感度の高さがこの作品への好感度そのもの。日本の夏の風物詩な要素がたっぷり、なのも大成功。登場人物それぞれの立ち位置や思いを綴るのは難しい、と思える。家族という小さなコミュニティーの複雑さがあまりにもリアル。ただし、誰もが誰かや何かに思いを寄せている姿が響き続けて寄り添いたくなる気分満載。何気ないのに大共感。 何よりも、何気なさを実現し続けた俳優陣が素晴らしい!!特に、樹木希林さんの魅力と実力が溢れまくり。他の俳優陣の皆さんすべてが脚本を活かしまくって、リアルさが凄いと思えて素晴らしい。 情況は異なれど、自分投影度の高さも凄かった。ぜひ一度ご覧ください、帰省直前に観るのはお勧めしませんけど・・・な作品。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
是枝監督らしい作品です,
By ウツウツ (東京都) - レビューをすべて見る
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多分、この作品を退屈に感じる人は多いと思います。スローテンポとローアングルの連続。 お盆の1泊2日に帰省した家族の物語。 台詞のちょっとしたところに 視線の先に 動作の一つ一つに しっかりとした是枝監督の意図が感じられて アザトイ家族のお話にならないところが 流石です★ 小津ワールドが理解できる方にはオススメします。 過去の痛みは現在の生活にどう影響しているのか。 家族のそれぞれの想いがあり、 苦しみから立ち直ろうとたくましく生きる。 東京タワーの樹木希林より全然いいです。 少しアドリブがうるさいく感じても そこは、ご愛嬌で。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間が描けている。,
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人間が非常に良く描けていると思います。ドラマ独自の特殊な設定に関係なく、登場人物のせりふに多くの人が、何らかの形で共感、感情移入してしまうのではないでしょうか。そして、登場人物のひとりひとりが、それぞれの立場で表と裏、本音と建前を、二階建ての古い日本の建屋で、入れ替わり立ち代り会話を交わすことで、家族という枠のなかの人間が、浮き彫りになってきます。登場人物のそういった造形に優れていて、共感を呼ぶということは、すなわち、少なくとも日本の文化における家族がステレオタイプに作り上げられているということだと思います。我が家は違うと思っていても、無意識に他律的に家族の各人がそれぞれの役割を演じている、演じさせられているということなのでしょう。この映画は、家族の姿を客観的にとらえて、観客の前に示したと言えます。 事件がおきないとの指摘があるようですが、ドラマの世界を時間の流れのなかで表現しながらも、ドラマの背景となる情報を小出しにして、さりげなく観客に分からせて、伝えてゆく技量は、是枝監督の才能そのものです。結構、ミステリアスな話に仕上がっていると思います。たとえば、お祖父さんの引退した老医師は、いったい誰とサッカーを見に行ったと作者(監督)は言いたいのでしょうか? 最後に、音楽もすばらしく、映像も丁寧に明るく美しく仕上がっています。石の長い階段がある一方で、二車線の幹線道路にかかる曲線形にうねった歩道橋が、新旧対比的に印象的ですし、子供の手が、垂れ下がる花に触れる映像が、感性に響きます。細部にこだわった丁寧な誠実な映画です。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
自然体がナイス,
By DJ TOSHi (埼玉県) - レビューをすべて見る
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いい意味でなんとも脈略の無い映画だと思いました。変に奇をてらうこともなくある日常の一日を描いたような実に自然体な作品です。 よくぞこのありがち感満載な映画を造られたものだと感心しきりです。 お盆や正月に田舎や実家に帰った時の風景が見事に映像化され、 そこで限られたひと時を過ごす家族の複雑な心情が醸し出されててます。 家族を構成する樹木希林さん、原田芳雄さん、YOUさん、阿部寛さんが 各々いい味を出して好演されています。 この映画で故郷や家族に思いを馳せてみては如何でしょうか。
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ゴンチチのスコアも秀逸な「小津調映画」,
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シネカノンは、質の面において、いまや日本のメジャー5社の遥かに上をいく配給会社である。この会社が送り出す珠玉の作品群が、日本映画再生にどれだけ貢献してきたことか・・・。今回も是枝組の静かな、そして力強い作品を世に出してきた。大船時代ならば松竹が手掛けたであろうテーマだが、映画をビジネスと割り切る大手は、儲からない作品は配給しない。舞台も小津映画の風情に近い、横須賀の野比(三浦半島)だ。是枝監督はドキュメンタリー出身だから、元来こういう作風なのだろうが、今回はそこに小津テイストを盛り込んでいる。夏の暑さ、日本家屋、畳、縁側、家族、長男を失った二男の立場、子連れ再婚の妻、建前だけよくていいかげんな娘、青い海。これだけ「和風」なシャシンは本当に久しぶりだ。そして何と心地よい作品なのだろう。また樹木希林、原田芳雄の圧倒的な芝居や、子供・孫たちの抑えた演技の対比も見事であった。またゴンチチのスコアも最高だ。最近はこういう「家族の絆」を描いた作品は本当に少ない。日本人は全員、この映画を観るべきである。「幸福な食卓」は「現代の東京物語」だが、本作は「正統な東京物語の続編」なのである。文句なしの5つ星。傑作です。
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