5つ星のうち 5.0
司令部の一参謀から見た戦い, 2008/5/23
レビュー対象商品: 運命の山下兵団―フィリピン作戦の実相 (1974年)
旧版の本を手に入れて読んでいたのだが、著者がなかなか出て来ず、文中の「栗田参謀」が著者ではないかと思ったが、確かめる意味でこの新版を手に入れた。新版では「栗原参謀」に改められてあった。旧版に比べて旧漢字を新漢字に書き直してあり、新たな写真や地図も添えられて、よりわかりやすくなった。巻末に山下奉文大将がマニラ郊外で戦犯として刑が執行される寸前に介添えの森田教誨師に語った「最後の言葉」が収録してある。
本文はフィリピン作戦を司令部において間近で見聞きした貴重な証言で綴られてある。特に敗戦を知って著者自身が降伏の軍使として敵中隊本部に行って交渉して帰ってくる記述は臨場感にあふれており、彼らの態度に親しさをおぼえ和気あいあいとしていたこと、自分に接する態度には一種の尊敬すら抱いているかのように感じられ、死生を超越して祖国のために戦った者同士が持つ、相互の尊敬感なのであろうかと述べている。