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9レビュー
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有用性の高い順 | 最新のレビューから
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22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
閉じ込められた世界でしか生きられない女性の切ない気持ち,
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レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
「曾根崎心中」と言う演題は知っており、「お初徳兵衛」の主人公の名前も知っています。でも、内容は全く知りませんでした。人形浄瑠璃もTVで「道行」のシーンを見た記憶が僅かにあるだけです。そんな状態でこの本を読んだ訳ですから、全く新しい小説を読んだ様な感覚です。 確かに、近松門左衛門の「人情もの」は、映画で「天の網島」を見たりしており、その雰囲気は理解しているつもりです。 この本を読み進むうちに感じたのは、浄瑠璃ではここまで主人公「お初」の心情を表現できないだろうなと言う思いでした。 浄瑠璃の場合であれば、それを見る観衆の受け止め方にそれは委ねられています。 でもこの本では、「お初」の気持ちの動きを中心にストーリーが展開しますので、それが実によく伝わってきます。 「角田光代」の受け止めた「お初」の心情だと言ってしまえばそれまでですが、私は少なくとも非常に良く理解出来ました。 あの時代の遊女の気持ち。閉じ込められた世界でしか生きられない女性の切ない気持ちがよく理解できます。 閉ざされた世界に住む女性だからこそ、その「夢」は外の世界であり、そこへ誘ってくれる男性だったのでしょう。 人魂が誘う曾根崎の森への「道行」は、それしかない彼女たちの終着点として受け止めざるを得ません。 悲しい物語である筈なのですが、そう感じさせない「明るさ」があるのは、死んでゆく二人にとっては「夢の世界」への「道行」以外の何物でもないからでしょう。 こうした形で、江戸の文学を改めて知ることが出来、楽しい一時でした。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
儚い女の夢見たものは・・・,
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レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
本作は、近松門左衛門作「曽根崎心中」の翻案であり、ストーリーはそのままに、角田光代が 遊女 初の口を借りて 元禄の浮世に彼女が夢見た儚い数日を描いたもの。原作を知る者も 知らない者も 遊郭の淡い灯りを思い描き 初の言葉に身を委ねてもらいたい。次第に その時代 そこにいた人々 を肌に感じ そして ほんのりと浮かぶだろう 初の儚い夢現に包まれていく。 これだけ世に知られた原作にネタばれもないだろうが、原作では明らかになる心中のきっかけの真相が 本作ではラストで逆に曖昧なものとなっていく。(このネタが分からぬ場合、読後にwikipediaを一読いただきたい) この違いは、事実を知らぬ初 事実を疑う初 という大きな違いとなるが、その違いを味わうなら、角田光代の描こうとしたものに、より近づけるのではないだろうか。 浄瑠璃とも歌舞伎とも違う より映像的な世界に翻案されながら その映像は 元禄の遊女から 現代の私達が確かに受け止められる言葉になっている〜終盤 二人が見た あかり それを感じながら。
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
愛の切なさと艶めかしさが全編にただよっています,
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レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
今から約300年前の元禄時代に大坂で起きた心中事件を近松門左衛門が人形浄瑠璃の舞台に上げ大喝采を浴びました。その脚本を直木賞作家・角田光代さんが翻案して小説に直したのが本作品です。堂島新地の遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛は初めて会って一瞬にして恋に落ちます。恋なんてしないと決めていたお初が徳兵衛と出会ってその恋に身を焦がしていく。哀しい境遇ゆえにこの恋に身を捧げたいと願うお初の純情さが胸を打ちます。遊女と客の間に恋愛が許されるはずもなく、徳兵衛が騙されて行き詰まると二人は究極の選択である心中へと突っ走るのです。 角田さんの「曽根崎心中」は、原作のむせかえるような熱気をうまく伝え、ふたりの愛の切なさと艶めかしさを全編にただよわせています。恋を成就するために死を選ぶしかない二人に寄り添い、冥土で結ばれるふたりを祝福するがごとく詠い上げます。浄瑠璃にも似たリズムのいい角田さんの文章が心地よくて、ずっと昔に文楽座で観た玉男と蓑助コンビの「曽根崎心中」の艶やかな舞台が甦ってきました。近松門左衛門の名作も読み返してみようと思いました。 角田光代さんの「対岸の彼女」「八日目の蝉」は私には合わなかったのですが、この「曽根崎心中」は絶賛させていただきます。これまでの彼女の仕事から「女の情念」を書かせたら角田さんがピカイチだと思いました。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
うまいなぁ,
By てててん "てててん" (宮崎県宮崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
圧倒的筆力です。恋に狂っていく女の哀しさと切なさ、でもどこかしら冷え切っている諦念が すごい熱量で書かれています。さすが。 原作とは違う徳兵衛の描き方にもぞっとしました。 角田さんにはこれからも古典の翻案ものを書いてほしいなぁ
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
近松の世界を今に.......。おみごと!角田作品。,
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レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
正直、古典作品は、壁があり読みずらいものです。近松門左衛門作品を、角田光代女史の切り口で、現代に、「角田作品」 として甦らせたもので、男と女の情念、哀切が見事に描かれています。 ラストの斬新さも、心に残ります。 この様な古典ものをわかりやす読ませてくれる取り組みは、 原著に対する興味にも繋がります。 他の江戸文学の恋愛物、傑作を現代に、読みやすく、甦らせてほしい ものです。
5つ星のうち 5.0
泣いて笑って媚を売る月下の酒場の女にも睡蓮のごとき純情有り,
By TAMADON (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
時代背景が異なる現代に、まさか角田さんが近松の意図をそのまま復活させよう、なんて単純な話じゃないはず。そういう視点で読むと、角田版では、お初にまつわる次の挿話が印象に残った。 徳兵衛がお初に二度目に会いに来たとき、 お初は太腿に広がる爛(ただ)れた火傷の跡を、自分から徳兵衛に見せている。 その火傷の跡は、お初が客はおろか、おかみ以外の店の女性すらにも決して見せようとしなかったもの。 だからお初は客と事に及ぶとき、必ず行灯の灯を消すか、襦袢を脱がず着けたままにする。 お初が徳兵衛に火傷の跡を見せようと意を決した心情を考えたとき、 愛する男に自分の表裏一切をさらけ出そうとする「女の誠意」を究極の形で表現したものと思え、興味を引かれた。 ところが二人で心中を決意し、新地を出て森へひた走る道行の途中、お初はふと考える。 「初はめまぐるしく考える。…くるおしく恋しいこの男のことを、じつは、何ひとつ知らないのではないかと初はふいに思う。 …背中のどこにほくろがあるか、どんな寝息をたてるか…知っている。 …でも、本当には、何ひとつしらないのではないか。 九平次が嘘をついていて、徳兵衛が本当のことを言っていると、どうして言いきれるだろう。 もしかしたら徳兵衛は、平気でそういうことのできる男かもしれない…」 自分は徳兵衛に惚れ抜いて、自分のすべてをさらけ出し、二人は固く誓い合ったはずなのに、 なぜ男の心のうちに、女から見えないものがあるのか? なぜ女にだけこんな葛藤が生じるのか? 角田さんを代表とする女たちの、男の隠された(ようにしか思えない)本心に対する 不明、不信、不満が、お初の言葉を借りて紡ぎ出される。 二人の心中を単なる悲劇の完結という叙事詩に終わらせず、 女から見た男への疑念やすれ違いを“物語”として結晶化して描く− 角田さんの本当の意図は、ここにあるのかな、って思う。 さすが角田さん、お初の情念を自分に憑依させ、全女性の情念として増幅させたかのような物語づくりには、 近松も天国で膝を打ってるに違いない。
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
意外な真相さえにおわせる,
By adong (京都市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
専ら徳兵衛が追い込まれる経緯が描かれるこの作品を、徹頭徹尾お初の側から描いた物語。有名な封印切りの場面すら全く描かれない。恋とはどういうものか、そのすさまじさを際立たせるために、徳兵衛が有罪であったことまでにおわせるコペルニクス的転回に驚かされるが,同時に作者の筆力に圧倒させられる。
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
期待で読了できない,
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Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
つい最近この本を入手しました。多くの方と同じように気にはなりながら原典には近づけなく気になる古典でした。タイトルは当然として、表紙、書き出し。初めての作者ですがその雰囲気作りに呑まれてゆきます。私は大阪梅田、お初天神界隈を徘徊していた人種として、またこの古典の結末は皆さんと同じように知っているだけになかなか読み進められないのです。多分大阪に住んだことのないはずの著者がどうしてここまですばらしい浪速言葉の微妙なニュアンスを取得したのか。感嘆すると同時に聞いてみたいところです。原典を入手しましたが江戸時代の古典とは言え、歯が立ちません。現代文で近づける事はありがたい事です。
4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
恋とは,
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レビュー対象商品: 曾根崎心中 (単行本)
心から愛し合った男女の、美しい最期までを、流れるような文体と美しい情景描写で語っていく。ハードカバーでうすい本なので、読むのにそこまで時間がかからないが、ぐいぐい惹きつけられて、 読んだ後は放心し、涙が出た。 舞台は江戸時代の遊郭で、現代ではうかがい知れない非常に興味深い場所が細かに描かれており、 当時の遊郭独特の言葉もちらほら使われていて、それがよいエッセンスとなっている。 遊郭の描写もあるものの、女性目線から描かれているので、直接的すぎる描写は少なく、うつくしい。 本当の恋とは何なのか、本当に人を愛するとどうなるのか、そういことが、ぬきさしならない状況とともに 描かれていく。 普通の市井で出会っていた男女なら、現代に出会っていた男女なら、相思相愛の幸せな結婚をしたかもしれない。 でもこいういう悲劇の物語は、本当にうつくしいし、忘れられない。 |
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曾根崎心中 作成者 近松 門左衛門 (単行本 - 2011/12/22)
¥ 1,470
在庫あり | ||