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10人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2006年4月20日
 俳句はなによりもまず季節をとらえ自然の豊穣をうたうものとみなされているにもかかわらず、多くの句集は伝統的な花鳥風月を愛でるにとどまっている。むろん最も身直な自然ということでそこに意識が向くのはきわめて当然なのだが、芭蕉の時代、いやわずか数十年前には知り得なかった自然の姿を私たちは知っている。したがって現代に生きてある人間ならではの視点や感性を句に活かさないのは、とてももったいない。

 この句集はその意味で非常に現代的で今日的な句集といえる。著者自身は「女性特有の宇宙感覚」と他で書いているが、私はそれはちがうと思う。なんとなれば男性の俳人ならすぐれて現代的な俳句を作れているかというと決してそんなことはないし、女性俳人でもそんな俳人はきわめて稀だからだ。

 最初の「水の地球すこしはなれて春の月」から最後の「春の月水の音して上がりけり」まで、今の時代だからこそリアリティがある句として感得できる。

  引力の匂ひなるべし蓬原

  四国上空雲をゆたかに空海忌

  月のまはり真空にして月見草

  しづかなる水は沈みて夏の暮

  尾のうしろ水閉ぢてゆく山女かな

  海底に海の重たき曼珠沙華

  風音を千年聞きて滴れる

  平均台端までゆけば星月夜

  牡蠣すするわが塩味もこれくらゐ

  いま遠き星の爆発しづり雪

きわめつけは

  やがてわが真中を通る雪解川

 旧態依然としたいかにもという装丁の句集が多い中、この『静かな水』は一般読者をも意識したモダンでシャープな装丁であることも特筆できる。
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12人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2003年2月25日
 正木ゆう子さんの第三句集。感覚的な句が多く、わたくしという存在はとてもつつましいのに、それが宇宙に繋がっている不思議を感じます。
  水の地球すこしはなれて春の月
  もつときれいなはずの私と春の鴨
  深井戸を柱をおもふ朧かな
  地下鉄にかすかな峠ありて夏至
  うら若き台風が来る泣き濡れて
  海底に海の重たき曼珠沙華
  月のまはり真空にして月見草
  やがてわが真中を通る雪解川  
 たった十七音の言葉ですが、そのひとつひとつがしっかりと読者の身体を通って、新鮮な感覚を呼び醒ましてくれます。伝統的でありながら、かつとても現代的な一冊です。
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2015年1月26日
ふつうの人(自分は割と漢字が得意なほうだと思うが)には読めない字や本歌取りしたのであろうフレーズが頻出して俳句初心者にはかなり難しいと思う。片手にiPadを持って辞書とネット検索を駆使しながら読み進みました。邪道なんだろうけどルビをふってくれるとか、巻末に解題を載せてくれたら嬉しい。
なんというか美味しい料理を味わうのに作法がうるさすぎて味がわからん、って感じ。
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