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107レビュー
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有用性の高い順 | 最新のレビューから
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333 人中、306人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
更生とは何なのだろう,
By カスタマー (横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
少年犯罪史の中でも有名なこの「同級生首切り殺人事件」は、酒鬼薔薇事件が起きたときにマスコミなどにも取り上げられて、加害者の少年が今では弁護士となり、地元の名士として暮らしていることも伝えられました。 それを知ったときには、「もしかしたら、人の役に立つ職業に就くことで過去の償いをしているのだろうか」とうっすら期待をしたものですが そんな自分の甘さをこの本を読んで痛感しました。現実はあまりにも残酷でした。 この本は、事件後の被害者の家族、特に妹さんの視点に立ち、 被害者家族がどれほど苦しみ、破壊されていったかを生々しく綴っています。 ショックから立ち直ることができず、娘をどんどん追い詰めてしまう母親 そんな親に反抗しながら、自分も呪縛から抜け出ることができない妹さん 読んでいて少し苛立ちすら感じたのですが、でも、もし自分の身に同じことが起きれば、やはり同じように心が壊れただろうと思いました。 苛立つほどに生々しい話だからこそ、リアルに感じ、共感することができました。 ここまで語ってくださったご家族の方にお礼を申し上げたいです。 一方の加害者は、国費で教育を受けて成功者となったが 被害者への謝罪の言葉は一度とてなく、賠償金もわずかな金額をを払ったのみでストップ、 それどころか困窮する被害者家族に金を貸し付けて恩を着せようとする。 それでも法的には何の問題もないし、多分この加害者は(法的に見れば)立派に「更生」した例なのでしょう。 なんだかやり切れない気持ちになりますが、では、加害者が自責の念で廃人にでもなっていれば満足かと問われれば、そういうわけでもない。 いったい更生とは何なのだろう、どうあったら一番良いのだろうと、いろいろ考えさせられました。 なお、著者は被害者家族の側に寄り添って書いていますので、当事者に対して公平な見方をしていないと感じる読者の方もいらっしゃるかもしれません。 私は、そういう立場で書かれた本だからこそ価値を感じて★5つ付けましたが、客観的なノンフィクションを好まれる方はその辺を割り引いてください。
65 人中、60人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
罪と罰,
By NsNs (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (文春文庫) (文庫)
時間というのは冷酷である。今から40年前にこのような出来事があったことを、誰が覚えていただろうか?ただ被害者の家族を除いて。本書は、平凡な一家があまりにも残酷な形で長男を失ったことにより、どのような苦しみを背負ってその後の人生を歩んでいったかの記録である。加害者側については、少年法の壁による情報の少なさから多くは知り得ないのだが、その後短期間で社会に復帰し、弁護士になり地元の名士として表向きには幸せに暮らしていることが判明する。また、著者の取材に対して殺人事件を起こした犯人としての贖罪の気持ちが全く見えないような対応をする。 本書発売後インターネット上で名前等が暴露され、弁護士を廃業するに至ったということで、加害者は社会的な制裁を受け続けていることにはなるが、誰もが釈然としない思いを抱くのではないか。 少年法については酒鬼薔薇事件以来議論され、改正されてきた。現在の法律で当時の事件を裁けば、当時15才の加害者は刑事裁判を受けることになると思うので、制度上の問題は大きく前進していることだろう。 しかし、将来のある人間の人生を奪い、家族を現在進行形でいまなお苦しめ続けているという行為に対する罰とはどうあるべきなのだろうか。 加害者は弁護士という難しい試験を合格するまでに「更正」したが、自己の行為の重大さと人間としての責任を理解する心をもつまでには更正できなかった。 性善説、性悪説どちらで裁くのか?答えはその中間にあるのだろうが、法律とはそのような曖昧さを許すことはできないものである。
62 人中、54人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
家族の物語,
By
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
読んで衝撃を受け、レビューを書こうとアマゾンに来てみれば、カスタマーレビューがこんなに。それだけ、多くの人に「語らせよう」という力を持つルポです。中学校のころから「からかわれ」ぎみだった少年Aが、ナイフで同級生を殺し、首を落としました。被害者家族には差し伸べられる公けの手もなく、耐え難い視線にさらせれながらも、妹、両親で必死に生き延びます。本書は被害者の妹の証言を中心にまとめられています。その苦難の道のり、孤独なそれぞれの心、痛切な家族の物語です。 半壊してしまった母親、自分が死んでいたらこんなことにはならなかったのかと思う妹、全ての煩悶を自分の中に閉じ込めた父親。 語り合いぶつけ合えないままに、昇華されることのない事件の重み。 終章近く、加害者少年の社会的に成功した立場が判明します。 このルポタージュを読んだ人は、なんたることぞと加害者のその後の生き方を思うのでしょう。 きっと、法律を学び、加害者は知ってしまったのだ、未成年の時の行ったことには、責任をとらなくて許されるものだと、と読者は少年法の問題点を考えずにはいられなくなるでしょう。 でも、本書からは事件の全容を読者は読み取れません。 加害者の歴史がすっぽりと抜け落ちているからです。 そのことを踏まえたうえで、読後の判断を持つべきと思います。 ひとつだけ、この本の帯、あまりにも本を売ろうとしすぎていて、断定的になっています。 もっと複雑に交錯したものを扱った著者に、そして語った被害者家族にこれでは失礼ですよ。
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
泣きました,
By
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
心に深く突き刺さる本でした。2012年2月。ちょうど山口県光市の母子殺害事件の死刑判決が確定し、 何気なくアマゾンで本村さんの本を探してみたとき この本に出会いました。 心にナイフをしのばせて、と題されるように 文庫版表紙は加害少年をモデルとしたようなイラストが グレーを基調とした暗い色彩で描かれていました。 けれど、心にナイフをしのばせていたのは、 加害少年ではなかった。 加害少年は心にしのばせたのではなく、 実際その手にナイフをしのばせ、 被害者の少年に振りかざし、もっとも残酷な手段で 絶命させ未来を奪ったのです。 この本に、加害少年側の詳しい描写はありません。 そのことについて、 作者の方もふれていますが、 この本は加害者のことよりも 被害者の側に立って、 事件のその後を訴えたものです。 その必要性を感じました。 この本は守られてしかるべきの被害者家族が なんの保護も援助も受けられず 好奇な目にさらされ 傷つき、悩み、悲しみ、絶望のふちで 必死に家族の形を保とうとあがいた記録です。 本当にぎりぎりのところで 残された家族は懸命に自分を保ち 家族を支え、薄氷の上を爪先立ちで震えながら歩いていました。 本当に涙が止まらなかった。 なくなった息子さんの腕時計についた血を洗いながら 寡黙なお父さんが声を上げて人知れず泣いたところや 被害者の妹さんが結婚し その娘が、あるきっかけで伯父(被害者)の死の真相を知り 号泣するところ。 痛々しくて苦しくて胸が張り裂けそうになりました。 加害者がその後弁護士になり 一切の謝罪もなく 被害者の母親にひどい言葉を投げかけたときは 読みながらこみ上げてくる怒りに震えました。 被害者の無念は計り知れず、 遺族の傷は一生いえることはない。 やりきれない思いがする一冊ですが、 多くの人に読んでもらいたい。 そう思ってやみません。
96 人中、78人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
殺人者が弁護士になるのは矛盾している。これが実話とは!,
By
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
少年法に問題を提起した著者の勇気と執念に一票投じたい。殺人者は、医者と弁護士にだけは、なってはいけない。 医者は人の命を預かる仕事だし、弁護士は人権を守るのが 仕事だから。 殺人によって若い少年の「生きる権利」すべてを強引に 剥奪した者が、弁護士になるのは矛盾している。被害者の人生は リセットできないのに、加害者の人生はリセットできるなんて おかしい。「どうせ罪を犯しても白紙に戻せる。」と 少年法を隠れ蓑にして犯罪を犯す者だっている。日本の少年法は 甘すぎる。未成年者の犯罪率を増加させるだけである。職業には 厳しく制限をつけて、野に放つ前に位置検索探知機の持参を義務 づけるべきである。 加害者は自分の人権ばかり主張して、他者の人権は平気で踏みにじる、 冷酷な人物と思った。娘がいるそうだが、自分の娘が滅多刺しにされ、 首を切り落とされて、蹴飛ばされたらどんな気持ちになるか?親に なった今も被害者の遺族の気持ちが忖度できないのだろうか? 愛息を失い廃人のようになってしまった被害者の母親に詫びて、残りの賠償金 を払うべきだ。それが人間の生き方で、鬼畜との違いだ。 この弁護士に言いたい。「あんたと同じだけの生きる権利が被害者にもあった。 被害者の分も働くと言ったそうだが、勝手に命を奪っておいて、勝手な言い分だ。 被害者は、あんたになんか自分の人生を捧げるつもりはなかったはずだ。」
75 人中、61人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
表紙絵の意図とは,
By Tora (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
妹さんの登場で事態が大きく動いたのだということはよくわかる。彼女を主軸に据えた意味も。 著者が明らかにした加害者についての事実は衝撃的であり、 「更正とは何か」という問題提起は果たされたと思う。 だが、ほのめかされたまま放置され、 結局書かれなかったことが多くあり、消化不良のまま読み終えた。 主題を前面に押し出すため余計な情報は省いたということなのだろうが この語りおろしの方法もそれゆえだったかと思えてならない。 著者の娘さんが表紙絵を描いたというがなんとも無神経な気がする。 この本を送られ、表紙絵を見たご遺族の心中を察すると強い憤りを覚える。
43 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ネットを通じて激しいバッシングがこの作品で起こりました,
By とも "tomo" (広島県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (文春文庫) (文庫)
近年、注目を浴びている少年犯罪をテーマとして書かれた作品であり、これまでほとんど注目されなかった被害者の家族の視点に力が入れられています。四十年前に同級生を殺害し、さらに偽装工作のためにその首を切り落とすという、非常に残虐で冷酷な事件によって被害者の家族をその後に強いられる事になった受難を世間に知らしめたノンフィクションです。 そして、この作品で世間からとっくの昔に忘れ去られていた40年も前の殺人事件が一気に注目を浴び。 ネットを中心にこの事件の加害少年への激しいバッシングが起こりました。ネットでは書籍を通じて得た情報をもとにすぐに加害少年と推測される男性を特定し、その男性の顔写真から名前や住所まで公表されるなどのバッシングが起こりました。 この男性が真実、加害少年であったかどうかは分かりませんが、こうした経緯も影響してか、この作品がドラマ化されて間もなく、加害少年が被害者家族に四十年間で初めて謝罪に訪れたそうですが、しかしそれが雑誌で公表されても、世間のもはや冷ややかな反応しか示しませんでした。 そして文庫版を読んでわかったことは、この後、加害少年は仕事を失っていた事実です。 ネットで公開された男性が加害少年であったか否かはともかく、加害少年本人に対してもかなりのバッシングがあった事実が推測されます。 こうした経緯が正しかったかどうかはわかりませんが、社会が問題としたことは、過去に起こした犯行ではなく加害少年とその父親は被害者家族への賠償を踏み倒したばかりか 被害者家族に対して一度として謝罪を行わず、困窮している被害者家族に対して暴言すら吐いたことでしょう。 一度でも被害者に謝罪していれば、あるいは現在の加害少年の地位ではそれほど負担とならないはずの額の賠償をちゃんと行っていれば、少なくともあれほど激しいバッシングは起こらなかったはずです。 どんなに社会が成熟しようが、この作品で取り上げられたような事件は決して無くなる事はないと思います。 カインが弟アベルを殺してから、殺人事件が無かった日は一度もないでしょう。 だが、人を殺した事は、どれほど大きな業を背負っているか 事件の陰には、なかなか気づかれないが苦悩する家族がいる事など、社会に呼びかける作品だと思います
43 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
違和感,
By
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
同級生の首を切断し殺害した加害少年が、更生後、弁護士となり地方の名士になるというストーリーをフィクションかと思いました。 しかしこれは現実にあった話、戸惑いを覚えます。 本書の事例は極端な事例かも知れませんが、少年法の庇護のもと、同じように 生命や財産に致命的な危害を加えた加害少年が、過去の汚点を曇りなく漂白され 社会復帰が可能という点に大きな違和感を感じずにはいられません。 少年法の「更生」とは何を意味するのか。法の趣旨である保護と教育で更生が 可能なのか?生命財産を奪う犯罪は厳罰主義で望むべきなのか? さまざまな問題提起をする本書は一読の価値ありです。 おすすめします。
33 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
複雑な読後感,
By
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
衝撃的な本である。少年のころに殺人を犯した者が、現在は「正義の味方のふりをしながら弁護士をして」おり、しかも被害者に対する慰謝料もろくに払わず、謝罪すらもしないという不条理な状況を可能にしている現行のシステムに対して衝撃を受けたが、それよりもなによりも、殺された子供の家族が辿った地獄とも言うべき日々が当事者たちの言葉として語られており、そのあまりにも過酷な運命に強い衝撃を受けた。殺人の被害者家族というものが、どのような深い悲しみと苦しみを受けるのかが克明に描かれており、圧倒的である。 だが、いくつか疑問に思うこともある。結局、この著者が取材を始めたことによって今まで封印していた昔の傷を無理やりこじ開けることになったのは否定できない。この事は、被害者の母親も妹もそのように語っているので、著者としても十分に悩み、逡巡した点であると思う。実際、加害者の現在の状況も、著者が関与しなければ知りえなかったはずであり、それによって憤怒に身を晒すこともなかったはずである。果たして本当に彼らにとって良かったのかどうか、判断は自明ではない。そういう後味の悪さがある。また、私はどうしてこの本のタイトルを「心にナイフをしのばせて」などとしたのか、血の滴るナイフを持った加害者の表紙の絵をわざわざ自分の娘に書かせたのか、まったく理解できない。著者の態度に微小ながら疑問・不信感を持ってしまう。それでも、この本の衝撃的な力は失われるわけではないが。
76 人中、61人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
陰惨な真実,
By
レビュー対象商品: 心にナイフをしのばせて (単行本)
同級生の首を切断し殺した少年のその後と、被害者家族の地獄の30年間が描かれています。ナイフを万引きし、ロッカーに隠し、友達を「散歩に行こう」といって連れ出し後ろからナイフを何度も 何度も突き立て、首を切断・・・。 その後「父親の愛人」の養子になることで名前を変えたというのも凄いですが、 その後賠償金をすべて払わず、かといってお金がなかったわけではなく息子を大学院にまで行かせて いるのです。 その少年はいまや、弁護士として地方の名士となっているそうです。 一体、少年法とは何なのか、加害者の権利とは?人権とは、人命よりも人権が尊重されるとは等 様々なことを考えざるをえませんでした。。。 是非みなさんに読んでみて欲しい書物です。 |
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心にナイフをしのばせて (文春文庫) 作成者 奥野 修司 (文庫 - 2009/4/10)
¥ 570
在庫あり | ||