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33レビュー
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有用性の高い順 | 最新のレビューから
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44 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ぼくたちは間違いやすくできている,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
人間の脳には限界がある。後から考えれば明らかな詐欺にひっかかってしまったり、論理的に考えれば間違っている言説を信じてしまったり。これは頭にいいよとか、ボケ防止になるよといった話に飛びついたり。僕たちは、本当かどうかよりもわかりやすい話に飛びつく傾向があるらしい。こうした現象はすべて脳の認知力に限界があるからだ。本書の原題である「見えないゴリラ」も人間の注意力には限界があることを示している(この本を読んでからビデオを見るとゴリラに気付いてしまうのが残念)。ぼくたちは間違いやすくできているのだ。これは社会が急速に複雑になったのに対して脳の進化がついていってないのかもしれない。本書を読むいちばんの意義は、このぼくたちの脳には限界があるということを知ることだ。それによって、ぼくたちは謙虚になれるだろうし、だまされにくくもなる。逆に、人をだましたり、セールスに応用したりといったことも上手くなるかもしれない。平易な文章で書かれ、ときにユーモラスであるけれど、とても奥の深い本である。本書をとくに読んでほしいのは裁判に関わる人だ。目撃証言や自白さえもきわめてあてにならないということは肝に銘じてほしい。物的証拠が何一つない裁判は、たとえ被告が自白していようとも行うべきではないと思う。真犯人を見逃すよりも冤罪を生み出さないことの方が重要だから。
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ヒトの錯覚についての実験心理学,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
本書は、世の中で起きている様々な問題の原因の一つとして、ヒトが生来持っている「錯覚」に焦点をあて、どんな「錯覚」がどんな問題を引き起こすかを解説しています。 本書で取り扱っている錯覚は以下のとおりです(章立てとおり)。 ・注意の錯覚:見えているのに見ていない。注視しているもの以外は、視野に入っていても見えない、脳が認識しない。 ・記憶の錯覚:記憶は案外いい加減なものである。他人の記憶でも自身の記憶にしてしまうことがある。 ・自信の錯覚:実力のないヒトほど自身の実力を過信する。自信満々なヒトを信じやすい。 ・知識の錯覚:自身の持っている知識を過大評価しやすい。専門家も自身の専門分野ですらその傾向がある。 ・原因の錯覚:パターンを求めたがる。相関関係を因果関係に飛躍させたがる。時系列の前後関係のある物語を好む。 ・可能性の錯覚:自身の潜在能力を簡単に向上できると思いやすい。その手の商品につられやすい。 そのうえで、これらに共通することとして以下を挙げています。 ・自身の能力や可能性を過大評価させる。 ・自身が簡単にできることを、上手くできることと混同しやすい。 そして、これらの錯覚の影響を減らしてくれ「そうな」方法として以下を挙げています。 ・日常的な錯覚の働きについて知る。 ・自身の認知能力をトレーニングで鍛える(但し、あまり期待できないとのこと)。 ・テクノロジーを使って補う。 紹介されている錯覚の骨子については他の書籍を通じて概ね知っていましたが、 本書で紹介されている豊富なエピソードや実験結果によって、より鮮明に認識させてくれました。 中には、たったこれだけの情報でそう言い切っていいの?というものや、 心理学で結論がでていないものを但し書きなしで触れているものもをありましたが、 本書の骨格に影響を及ぼすほどのものではありませんでしたので、このことで★を減らすことはしていません。 (ただ、このことに直接関係している方にとっては重要なことだと思いますので、実験を継続する必要はあるでしょう) また、エピソードや実験結果の量の多さを、豊富と捉えるか冗長と捉えるかは、意見が分かれると思います。 なお、本書は自身の錯覚に気をつけようというトーンですが、錯覚が悪いことだけかというと、そうでもないようです。 ポジティブ心理学では、これらの錯覚があることで幸福感が得られるといわれています。 (現実を直視するとつらくて耐えられないそうです) これについては、マーティン・セリグマン世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生 が参考になると思います。
30 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
マスコミが拡げる似非科学,
By 三山 - レビューをすべて見る
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マスコミがレアケースに飛びつくのは世の常だが、統計的に(実験的に)否定されていることをしつこく報道し続けること への懸念を本書でも論じている。 参考文献も多く370ページの大著だが、飽きることなく読めた。 心理学〜科学的読み物としても面白かったです。 運転中のケータイがなぜ危ないか、見る意思が無いとあっても 見えない事など、仕事ではリスクマネジメント研修のネタにも 使いたいと思える内容でした。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
翻訳のサブタイトル(?)があざとい,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
本書の内容は科学的態度に貫かれた健全なものです。この本が2000円以下とは大変お買い得だと思います。しかし、本訳書の副題(ただのコピー?)が「あなたの脳が大ウソをつく」となっているのは、本書の内容にふさわしくありません(奥付には載っていないので正式な副題ではないのかも)。しかも、帯の上ではこの副題のすぐ近くに「ハーバードの俊才が科学実験で解明」と書いてありますが、これも不適切です。なぜなら、原著者は本文の中で脳画像などを持ち出して分かった気にさせることを批判していますし、原著者たちの実験も「脳がウソをつく」ことを解明するためのものではないからです。このような取り上げられ方をしていることを知ったら、原著者たちは怒るか、少なくとも呆れるのではないでしょうか。 さらに、訳書で付けられた章タイトルにも的はずれなものが多いです。特に、第1章と第2章のタイトルにえひめ丸やヒラリーの戦場体験が使われていますが、それらは本文の中でそれほど大きく取り上げられていません。章タイトルの適切さに疑問をもたれた方には、原書を検索して目次を確認してみることをお勧めします(Amazon上で確認できます)。訳書でつけられているものよりもずっと内容に即していて、しかもうまい章タイトルがつけられていることが分かると思います。 以上のように、訳書に関してはキャッチーにしようとするあまり無理をしている箇所があり、それがかえって本書の価値を落としているように思えます。文藝春秋さんにはこのような編集方針を見直していただきたいです。 (ついでに言えば、訳書に付けられた「解説」はやっつけ仕事感にあふれており、蛇足以上に不要だったようです。) ただし、訳書のこのようなクセに注意するならば、本書は読んで楽しい優れた啓蒙書だと思います。 (内容そのものについては他のレビューにおまかせいたします。)
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「錯覚」と呼ぶのは適切か,
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人間が陥る錯覚を科学的かつ大胆に分類した啓蒙書。知覚の錯覚というよりも、主に認知心理学と社会心理学の研究に基づくものである。分類は大きく次の6つ。1.前提となる知識・経験が浅いものや予期していないものは目に入っていても気付けなくなってしまう「注意の錯覚」、2.そこにあるはずのないものやあってしかるべきものが、実際にはそこになくてもあったかのように思えてしまう「記憶の錯覚」、3.確証が持てない事柄について誠実に分からないという者よりも、確信を持ってなにがしかの主張をする者のほうが信頼を得てしまう「自信の錯覚」、4.実際には複雑で不確実なものであっても、表面的に見慣れたものであればその全てを分かったつもりになってしまう「知識の錯覚」、5.時間上の前後関係や相関関係を因果関係と見誤ってしまう「原因の錯覚」、6.人間には局所的な訓練よって引き出される汎用的な能力があると信じたがる「可能性の錯覚」。著者のスタンスは、基本的に以下の様なものである。「これらの傾向は原始的な生活では適応的だったが、文化も社会もテクノロジーも複雑化した現代では適応的ではない。」「我々がこうした傾向を持っていることを自覚し、訓練やテクノロジーの発達でそれを乗り越えるべきだ。」そして、グラッドウェルの『第1感』などを引き合いに出しながら、直感に頼ることを否定はしないまでも強く牽制している。言うまでもなくこれはどちらの陣営が正しいとか間違っているとかいうものではなく、バランスが求められる対立軸である。そうであれば、ここで紹介されている人間の認知的傾向を「錯覚」と呼ぶことはいささか不適切である気がする。字義から言ってその判断結果は常に不利益をもたらす誤りであることを示唆しているからだ。 実際にはいくら文明が発達しようとも、「錯覚」が望ましい結果をもたらすケースは決して少なくないだろうし、「錯覚」だろうが何だろうが感知しえないものを補いつつ、時には恣意的に物語を紡がないとアノミーに陥ってしまうこともまた人間の性である。理想は、最低限の認知的リソースで「錯覚」に惑わされる不利益を回避しつつ、「錯覚」に任せて生きていける環境を作り出すこと。科学的成果だけでなく、そうした工学的視点もより豊富に交えてくれれば、より一層示唆に富む本になったと思う。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
理論よりもとにかく実例と実験。論より証拠の認知科学。,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
人間の認知や記憶は考えられているほど確実ではないこと、俗説の多くは実験で否定されたことを豊富な実例や実験で解き明かしていきます。とにかく実験や実例を 重視する内容で、説得力があります。 1章−人はある対象を注視すると、そのすぐそばの物さえも見えていない。 2章−生涯に一度しかない印象的な体験にすら、記憶の取り違えが起きる。 3章−犯人を間近で見た被害者でも犯人を間違える。しかし被害者が自信満々で 語ること自体に陪審員は信用を与える。ただ、この例は取り違えられた人物が そっくりだったのでちょっと特殊です。これを一般化するのは無理があるのでは。 4章−人の知識の深さは自分で自信を持っているほどではない。 5章−新3種混合ワクチン(MMR)は無菌性髄膜炎の発症率が高くなるとして日本では 数年で中止になりました。インフルエンザの予防接種も副作用の問題があり、強制では なくなりました。数万人に1人の重大な副作用よりも、数万倍の人への予防効果の方が 絶大である場合には強制接種もやむを得ないですが、発症率の低くなった疾患や 重症化を抑えられる疾患のために国民全員に予防接種を強制する理由はなく、 実は接種の効果も常に限定的である点にも触れるべきであると思います。 本書では自閉症との関連のみで他の副作用に触れていない点に不満が残ります。 6章−映画館でコーラを飲むようにサブリミナル画像を入れたら効果絶大であった。 ・・・というのは検証で否定され論者も実験の捏造を認めました。 けれども、信じている人は今も多くいるようです。 本書が面白かったと言う人には超常現象をなぜ信じるのか (ブルーバックス) をお勧めします。 専門用語を使った学術的な説明を簡単にまとめています。本書を読むと安易な仮説の 導入には慎重であるべきであると思いましたが、こっちの方がスジの通った内容です。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一部要約,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
コーネル大学経済学部教授のダン・ベンジャミンと著者との共同研究。チェスのワールドオープンと、全米アマチュア選手権で、対局前のプレーヤーに「あなたの最新のレーティングは?」「そのレーティングに自分の実力が反映されていると思うか?」を尋ねた。その結果、現在のレーティングが自分の本当の実力と答えたプレーヤーは21%のみで、75%は過小評価と答え、4%は過大評価と答えた。調査に協力したプレーヤーの平均対局歴は20年で、トーナメント大会の出場は平均13年だった。どのプレーヤーも自信過剰である。プリンストン大学の政治学者ドミニク・ジョンソンは、第一次世界大戦からイラク戦争までの戦争において、戦争に踏み切る時の境目に分析した。その結果、自ら戦争をしかけて敗北した国は、ほとんど例外なく過剰な自信に陥っていたことが判明した。いずれの場合も、戦争を回避して交渉する余地があったのにもかかわらず、戦争を仕掛けたのである。 アメリカのNPO団体イノセンス・プロジェクトの2009年の発表によれば、裁判で陪審員の誤審の原因の75%以上は、証人による自信をもった発言によって引き起こされる。 「知識の呪い」とは、人が他人の知識を考えるときに、自分の視点を変えられないために起こる。つまり、自分自身が持っている知識を、誤って他の人にも当てはめてしまうからである。 1980年に気象学者のジェローム・チャーバとウィリアム・クラインが、1977年から1979年の2年間にアメリカ国内で発信された15万件以上の降雨予想について調査した。その結果、雨の予報はほぼ完璧に当たっていた。しかし、予報のはずれが多かったのは、予報官が「100%雨!」と予想した時で、実際には90%しか当たらなかった。つまり、「絶対確実」という予報が、一番はずれる確率が高かった。 著者の調査 ・効果のなさが科学的に証明されても、いまだに40%の人がモーツァルト効果を信じている。 ・「催眠術で証人が事件の細部を正確に思い出せる」と信じている人は61%。 ・「普通の人は脳の潜在能力を10%しか使っていない」と思う人は72%。 ・サブリミナル効果を信じている人は76%。 どんな錯覚も、私達に自分の能力を過大評価させる。また、全ての錯覚に共通しているのは、自分が簡単にできることを、「自分はうまくできる」と混同することである。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
本書は人間の持つ不合理さを見つめ直すよい機会を与えてくれる。,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
本書は、様々な実例を挙げながら、人間のもつ錯覚について詳細に解説している。本書によれば、錯覚には7種類あるという。 すなわち、注意、記憶、自信、知識、経験、原因、可能性である。 いずれも、人間は常に客観的であるという我々の思い込みをことごとく打ち砕く事例ばかりである。 また、多くの俗説が科学的な根拠もなく一般に信じられている根拠も探る。 それぞれ章立てごとに詳細に解説している。 有名なゴリラの実験。 他人の記憶を自分の記憶にしてしまう情報源記憶のミス。 9.11のフラッシュバルブ記憶のミス。 クイズの回答の際ペアの方が正答率は変わらないものの自信率が高くなる。 自信ある医師が必ずしも名医ではない。 株の取引を頻繁に行う投資家よりもめったにしない投資家の方が手数料や税金を考えると儲けは多い。 相関関係は因果関係とは違うのにあたかも原因であるかのように報道される多くの事例〜ビジョナリーカンパニーに挙げられた企業は 成功した会社だけの実例を取り上げる誤りである。 われわれに多く見られるのが自分の都合のいいように原因を推理する点にある。 多くの追試でもその効果が見られない「モーツアルト」効果とは、黙って坐っているあるいはリラックスすることが頭を悪くした原因で、そもそもモーツァルトを聞いても頭は良くならない。 などなど 本書を読み進むうちに、合理的でない人間という存在が浮かび上がり、どこか暗い気持ちになってしまうが、そこは最終章で補足している。 〜日常的な錯覚について知ること、自分の認知能力をトレーニングで鍛えること、そしてテクノロジーに期待すること。 ただこれらいずれも根本的な解決にはならない。 そう言う意味では、本書は人間の持つ不合理さを見つめ直すよい機会を与えてくれる。
45 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
わたしの脳が大ウソをつく,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
人間の錯覚について、えひめ丸の沈没事件や、実際に起こったレイプ事件での犯人の目撃証言の間違いなどの実例と、著者たちの実験結果、それに基づく考察が詳しく述べられており、なかなか説得力のある内容です。「脳トレが脳の活性化につながること」と「モーツァルトを聴くと頭が良くなる」ということに関しては、つい先日の週刊文春で紹介されていたのでお読みになった方も多いかもしれません。川嶋隆太氏の主張するする内容は中学校の教科書でも紹介されていますから、本書で述べられている内容が真実だとすると(本書を読むとそうだと思えるのですが)教科書に載っているのは問題だなあと考えさせられます。 本の帯には成毛氏の上半身写真入りで「解説・成毛眞」となっていますが、解説は4ページだけで少々物足りないものでした。本の帯を見ると、まるで成毛氏が著者のようです。ここまで解説を押し出すなら、もう少し解説ページを増やしてもらえるとよかったかなと思います。(参考文献に関しては50ページも紹介されており、大変充実しています。)
19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
内容のわりに、話がクドすぎる。翻訳も悪い。,
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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
欧米のこの種の本にありがちなのですが、実際の内容に比べて本が厚すぎます。とにかく、話がクドすぎるのです。たとえば、「ヒトゲノム計画の前、科学者が予想したヒトの遺伝子の数は六万ほどだったが、実際には二万しかなかった」という、たったこれだけのことを、まるまる二頁にわたってクドクドと。最初から最後までこの調子です。余計な繰り返しもやたら多いです。分厚い本ですが、実際の中身は10分の1くらいでしょう。 その中身はと言えば、つまるところ、「人間は過大に予想してしまうものだ」とか、「自信過剰になりがちだ」とか、言い古された教訓ばかりが列挙されており、そもそも彼らの実験・研究の価値自体にも疑問を感じてしまう内容です。「自分の知識が他人より優れていると思いがちだ」と警鐘をならしておきながら、デノン製のケーブルを「自分の知識」だけでさんざんコケにするなど、著者ら自身の言動にも矛盾を感じます。 実例を多く提示しているところにこの本の価値があるとは思いますが、「レモンジュースを顔に塗ったから顔が隠れているはず」と思い込んで逮捕された犯人とか、いささか例が極端すぎて、共感できません。結局、読後には、アメリカ人には間抜けが多いということくらいしか印象に残りませんでした。 また、翻訳にも問題が多いと思います。たとえば、アメリカのコメンテータが番組で「イラク戦争の目的は…」と言ったことから、そのコメンテータは「イラク戦争の目的は1つしかない」ということを暗に主張している、という箇所があるのですが、これでは日本の読者には「?」でしょう。英語では定冠詞単数で「The object of XXX」というと、目的objectが1つしかないことになるという特殊事情があるのですが、このことが訳せていないのです。ほかにも、翻訳によって意味が伝わっていない箇所があり、翻訳者の実力が不足していると思います。 |
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錯覚の科学 作成者 ダニエル・シモンズ (単行本 - 2011/2/4)
¥ 1,650
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