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素数である前に, 2009/11/19
引き込まれてしまう物語。先を知りたくてどんどんページをめくって、一気に読んでしまった。
でも読後感はなんだかすっきりしない。
素数は一つではなく沢山あるのに、それぞれが孤立して他との接触を拒否している。
素数同士の中で最も距離が近いのが双子素数。双子素数のアリーチェとマッティア。
心を病んだ二人。理解できる唯一の相手なのに一緒に幸せになることが出来ない。自分の世界でいっぱいいっぱいだから。
「変わるべきなのか」「変わらなきゃ」「やっぱり変われない」の繰り返しによる葛藤は程度の差はあるが誰にもある。私もそこに共感した。
でもこの二人の場合は個性の範疇を超えてしまっている。それでも変わらなくてもいいのだろうか。
「素数は永遠に素数」って言われるとそうなんだろうけど、でも人間は決して素数のように生きられない。
マッティアが素数という自意識から解かれてとなりの数字、周りのたくさんの数字に目を向ける日がくるのだろうか。
だからやっぱり最後は許せない。アリーチェは恐れたのだろうか。マッティアだけが変わることを。
何か割り切れないものを感じた。素数だけに。なんちゃって。
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1 of 1 people found the following review helpful:
孤独とは・・・, 2009/10/28
「素数」「孤独」ということばに惹かれて手に取り、そのまま一気に読み切りました。
自分も素数なのかな、と思ったし、人ってみんな孤独なんだよな、ってさびしくなった。
個人的にはできればちがう結末がよかったかなと思う。
けど、独身時代に読んでいたら、また違った感想を持ったかもしれない。
いずれにせよ、心に響く素敵な世界でした。余韻が残ります。
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2 of 2 people found the following review helpful:
人生の結末は自分自身で選び、進んでいくもの, 2009/10/8
「海外小説には興味なし」と今まで見向きもしなかったけれども、友人に強く勧められて読んでみました。
タイトルから拒否反応がでそうだけれども、内容は生きるのに不器用な男女の姿を描く。
しかし、それがただの恋愛小説と括れないのが、物理学を学ぶ大学院に在学中の作者のバックグラウンドである。
安易に「結末」を描くことなく、あらゆる場面で複線のイメージを描き、読者自身で結末を導き出すように提示するのです。
人生の選択の答えは人から教えてもらうものではなく、自分自身で選び、進んでいく。
勧めてもらった友人に感謝の一冊です。
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1 of 2 people found the following review helpful:
公約不可能な孤独, 2009/9/17
始めから終わりまで一気に読み切りました。切ないラブストーリーでありながら、読み終わったときの爽やかさがなんとも言えません。 アリーチェたちに限らす、私たちは公約不可能な他者と共に生きているという現実が浮き彫りにされ、登場人物たちのもどかしいほどの孤独が胸をうちます。愛していても、そばにいることのできない辛さが切なくて、それでも生きていかなければならない。この夏、最高の青春小説だとおもいます! わたしは物理が大の苦手だけれど、この物理学者の書いた一冊に恋をしてしまいました。
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1 of 2 people found the following review helpful:
読み易い, 2009/9/14
心に深い傷を負ったアリーチェとマッティア。
人生に失望しながら生きてきた二人が、
互いの中に孤独という共通点を見出し、
変わった愛の形を築きます。
「孤独」がテーマですが、
筆者の若々しいセンス、もしくは訳者の力量なのか、
軽妙な筆致に仕上がっていて読み易い一冊でした。
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一気に読めます, 2009/9/1
翻訳された本ってどこか文学的な部分が欠落していて、ああ原文が読めたら、もっと感動していたはず。。。と感じるのですがこの本はそんな不満を感じることなく、物語へひき込まれてしまいます。ほとんど一気に読んでしまいました。とても切ないけれど感動できる事間違いなしです。
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2 of 7 people found the following review helpful:
癖の悪いエゴイストたち, 2009/8/31
イタリアで2008年最大のベストセラーとなり、ストレーガ賞受賞、カンピエッロ文学賞新人賞受賞、版権は30ヶ国以上に販売された「至高の恋愛小説」という宣伝文句のこの本。
「エゴイストめ。お前は癖の悪いエゴイストだ」273頁でファビオがアリーチェに告げるこの言葉がこの本を表現しているように思う。
この本に出てくるマッティアとアリーチェ以外の人物も、悲劇を抱えて生きているが、その姿が癖の悪いエゴイストにしか映らない。
素数を疑り深い孤独な数と159頁でマッティアが思うように、この本に出てくる人たちも疑り深い孤独な人生を歩もうとしている。
人生を謳歌しようとしている人々を巻き込み、相手に傷をつけてゆく救いの無い人生。
この癖の悪いエゴイストであるマッティアとアリーチェが、どう人を傷つけ、孤独を深めていったのかを1冊かけて書かれている本なので、私には感動は生まれてこなかった。
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温かな孤独を感じられる本, 2009/8/26
誰にでも心に傷があるだろう。そして、誰にでもその傷がきれいに癒えたと感じる瞬間があるだろう。
私たちの周りにいる、友人、家族、大切な人が傷が痛まないようにしてくれるかもしれないが、結局、傷を癒すのは自分自身だということ。結局、人間は孤独の塊だということ。
これ程つらい現実を突き付けながら、何か温かい気持ちにさせられる本だった。
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5 of 7 people found the following review helpful:
双子素数。, 2009/8/18
だれでもいささかのコンプレックスや過去の傷を持っている。
そして、それをまるで何もなかったかのように忘れたふりをしたり
気づかないふりをして生きる術を身につけて行く。
この小説に出てくるふたりには、そういうことが全くできない。
子どものころの深い傷から立ち直れないまま、
ふたりとも自傷を続けている。
だれかに救い出して欲しいのに、そのだれかが見つからない。
親さえもどう手助けしたらいいのかがわからない。
みな実生活ではいつも正しい答えを選ぶことができないのだ。
連続するふたつの素数の間には、必ずひとつの偶数が入っている。
社会を構成するのは三人からだが、ひとつの偶数分の距離が
あやういバランスを保っているのかも知れない。
じぶんが思春期だったころを思い出しつつ、
思春期のじぶんの子どもを思いながら読んだ。
イタリアにも草食系男子がいる!と認識を新たにした一冊。
生きづらさを抱えているすべてのひとに。
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3 of 5 people found the following review helpful:
イタリアらしさと普遍性, 2009/8/17
スキー教室やお誕生会、風景や家族関係の描写はとてもイタリアらしいもので、日本の感覚からは少し分かりにくい部分があるかもしれません。しかし、物語の主題として描かれている思春期に感じる孤独や不安や焦りのような、すっきりとしないもやもやした感情は、国を問わず誰しもが似たような気持ちを抱くものなのではないかと思いました。
だからこそ、30カ国以上で翻訳されることになったのだと思います。読み始めると、物語の中に引き込まれて、あっと言う間に読み終えてしまいました。
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