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竹取物語
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16人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
VINEメンバー2008年8月30日
 千年の時を超えて読み継がれている『竹取物語』。前半に、立原位貫(たちはら いぬき)の色刷りの版画を置き、本書の後半、江國香織(えくに かおり)の現代語訳の文章を配した一冊。縦 176mm×横 187mmの、やや横長の本です。

 まず、馥郁としてしっとりとした気品を湛えた十二枚の版画、平安時代の雅(みやび)な香りが立ち上ってくる版画の雰囲気、そのたたずまいが素敵だったなあ。
 
 暗く大きな山の中に、ぽっと薄明かりが灯るような冒頭、別世界からの客人・飛来の一枚。
 風に雨、黒雲に雷、逆巻く波の凄まじい音が、絵の中から聞こえてくるような一枚。
 秋草がさわさわと揺れる中、満月にやや欠けた月を眺めるかぐや姫と、彼女の艶やかな衣装が美しい一枚。
 皓皓と目も眩むばかりの満月に向かい、昇天するかぐや姫の後ろ姿を描いた一枚。
 対角線上に配された三日月と壺の間、富士の稜線がまるでピラミッドのそれを彷彿させて味わい深い一枚。
 
 雰囲気のある版画の一枚、一枚に魅せられました。

 江國香織の文章は、静かな落ち着きを感じさせる端正なもの。日本最古のファンタジーに寄り添い、あたたかな血を通わせ、息づかせた文章であるなあと。台詞のある会話の文章が殊に上出来で、『竹取物語』の登場人物たちが現代に蘇り、ふと気がつけばそこにいてしゃべっている、そんな印象を持ちました。
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6人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
江國さんの訳が読みたくて、手に取ったのだが、立原氏の版画のほうにやられてしまった。題目は竹取物語なのだが、素晴らしく綺麗で、現代的。
江國さんは、端正と評している。まさにそのとおりの版画。
口語訳のほうも、綺麗で読みやすかった。版画にあわせて、おさえている感じ。
ただせっかくなので、もう少し、版画が見てみたかった。
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8人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2008年8月30日
もともと立原位貫さんの木版画の大ファンです。立原さんは、長年浮世絵の復刻に取り組んでこられ、海外の美術館からも高い評価を受けている作家です。立原さんの木版画と江國さんの幻想的な文章とのコラボで今までにない竹取物語に仕上がっております。
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ベスト500レビュアー2013年12月23日
映画『かぐや姫の物語』を観て、打ちのめされたました。
以前買って大好きだった本書を引っ張り出して再読し、竹取物語の世界を再び味わいました。
恋に積極的な都の男たちが滑稽でもあり人間味溢れ、最後は帝も登場し・・・。

月へ帰る前に姫は言います、「私はこの世の人間ではありません。月の都のものです。ですがそこで前世の約束があり、この世にやってきたのです」と。

「かぐや姫は罪を犯されたため、こうして賤しいお前の元に、ほんのしばらくいらしただけなのだ。罪の償いの期間がすぎたので、こうして迎えに来たというのに、翁ときたら泣き嘆く始末」
姫を迎えに来た月の世界の王の言葉です。

果たして、かぐや姫がやって来た理由、その罪と償いについて、映画はこの竹取物語を補完する解釈で、且つ現代の感覚で感動的に描いておりました。

この本にあるコピー『恋愛小説の名手 江國香織と浮世絵版画の匠 立原位貫が千年の時を超えて甦らせた日本の宝物「かぐや姫の物語』に、「映画監督 高畑勲」を加えたい思いです。

是非、映画も観て、本書も読まれることをおすすめいたします。

以下、目次。
絵巻 竹取物語 立原位貫  p5 *原文と共に美しい版画が13枚収録されています。
物語 竹取物語 江國香織  p31
一 生い立ち  p32
ニ 求婚  p34
三 仏の石の鉢  p40
四 蓬莱の玉の枝  p42
五 火鼠の皮衣  p50
六 龍の首の玉  p56
七 つばめの子安貝  p64
八 帝の求婚  p70
九 かぐや姫の昇天  p78
十 ふじの山(むすび)  p90
あとがき  p92
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13人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2008年9月3日
江國香織さんの美しい日本語に魅了されました。
まさに大人のための「竹取物語」です。
原典に忠実な現代語訳のお陰で、
あらためてこれほどまでに完成された物語だったことをしりました。
立原位貫さんの画も素晴らしく、大成功のコラボレーションです。

古典ブームのようですが、江國さんの現代語訳でもっといろいろな
作品を読んでみたくなりました。
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2014年8月11日
他のレビュアーの方々と全く同じです。
立原位貫さんの版画と添えられた原文、江國香織さんの美しい日本語。
最初の出会いは図書館で、背表紙の「竹取物語」というタイトルの美しい文字に惹かれて手に取りました。
パラパラとページをめくってみて、あまりにも版画の気品のある美しさに心を奪われました。
借りて帰り、家でじっくりと読んでみると、前半の立原さんの版画の美しさも勿論ですが、後半の江國香織さんの現代語訳も素晴らしい。
余りにも美しすぎて図書館に返してからも、手元に置きたくなってすぐに購入しました。

それから立原位貫さんのファンになりました。
どのような方なのかな?と思っていたら、NHKのベニシアさんの番組「猫のしっぽ、かえるの手」のVol.75『春はあけぼの』で立原さんの仕事内容を観れたのですが、江戸時代の浮世絵の完全復元を分業することなくお一人でなさっている事を知って、その再現力に驚かされました。
もう凄いの一言でした。

「日本の美」を形で残してくれる素晴らしい本だと思います。
このように手元に有る事を喜べる思える本に出合えた事が嬉しいです。
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2人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2013年12月14日
たとえば、伊勢物語の芥川。ずっと恋い焦がれ、夜露を「あれは何?」と問うような彼女が、連れ出したその日に、あっという間もなく鬼に食われてしまう物語。業と無常の二項対立からの脱却を、原罪という概念を介さずに描くためには、時間を伴う儚さが不可欠なのである。

「竹取物語」に材をとった立原位貫の版画の連作もまた、業と無常と儚さの中にある。江國香織はこの版画をみて「息をつめて見入ってしまう気持ちに似て」と記している。

この版画に寄り添うようにして生み出された江國香織による「竹取物語」の現代語訳は、その美しい端正な世界を、現代社会にも通じる言葉として描くことに成功している。

誰が悪いのでもなく、ただ「生きる」という世界の意味が、短い物語として語り直されている。登場人物のいずれも、そして作者も「それを止めることはできない」。そんな世界の肯定が語られている。

美しい日本『語』の世界がそこにある。
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