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日本の女帝の物語―あまりにも現代的な古代の六人の女帝達 (集英社新書 506B)
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20人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者が「おわりに」で述べているように、「双調平家物語」の副産物であり、「あまりにもおもしろい話だらけ」で「あまり知られていない」古代の女性天皇6人・8代の時代を解説する。各女帝の現代的側面を捉え、各々が「見えない壁」、つまり周囲の「男達の考え方」に行き当たる様を描く。特に考謙天皇は「男女の機会均等」を前提にしながら、その状況整備がいい加減なため「中途退職」を余儀なくされる女帝だとするあたりは橋本治節全開。

本書は分かりやすい比喩や現代語を多用しつつ、11枚の系図で人間関係を整理し、応神〜継体天皇の時代に遡って記紀等文献を読み解き、合理的な推論を交えて、天皇の血筋の女性の果たした役割、男女を問わず1人前の皇族なら天皇として認める素地があったこと、当時の天皇は絶対的権力者だったので、一旦即位するとしたい放題の女帝がいたことの指摘も忘れない。史上初の生前譲位をしたのも、上皇になったのも女帝である。そして各女帝の即位の背景(他の天皇即位の阻止や皇統維持)及び後継者を巡る幾つかの暗闘、各女帝の治世の性格(傀儡だったり、統治に積極的だったりする)を前後の男性天皇の時代も若干含めて語る本格的な古代日本史入門となっている。例えば考謙天皇、称徳天皇は別の称号と思っていたが、長い称号1つの前半と後半であり、かつ皇帝と称していたこと、存在感が薄いと思っていた孝徳天皇が意外に陰謀家だったかもしれないことは、本書で初めて知った。

女帝の時代に大きな影を落とすのは天武天皇。天智天皇の娘である持統天皇以降、天武天皇の血筋を遠ざけてきたのは事実。天武天皇の正体や、皇室の菩提寺で天武〜称徳天皇はどのように扱われているか興味がある人は逆説の日本史2を読むことを勧める。

本書での道鏡関係の記述はあっさりだが、それは読んでのお楽しみ。
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VINEメンバー2010年1月17日
 歴史的な経緯から見れば長屋王が聖武天皇に匹敵する有力な天皇候補だったことは明らかなのだが、私はそれがどうしてなのか、永い間得心が行かなかった。確かに聖武の母親は皇族ではないにしても、長屋王の場合は親王ではなく、しかも父の高市皇子は母親が皇族でないために天皇候補から外れた人ではないか。なるほど長屋王の母も妻も有力な皇族で、長屋王が華やかな雰囲気に包まれているのは確かだとしても、聖武との比較においては血統の優劣はハッキリしているのではないか、と。
 ネタバレ的に言えば、橋本は天智からの女系の血統を辿ることによって長屋王の重さを示すのだが、私が「橋本治ってすごいな〜」と思うのは、最初から天武からの男系の血統と天智からの女系の血統が拮抗していたというような図式を持ち出すのではなく、草壁の子、そしてその子へと皇統を継いで行こうとする持統→元明→元正の女帝の連係プレーの過程で、意図せざる結果として天智の血統が明確に浮かび上がってくる様を解析しているところ(p93〜)。参った。
 他にも「なるほど、そうでもあっただろう」というような指摘は数多く、そのいずれもが、実にほとんど『日本書紀』『続日本紀』といったチョー基本文献の記述に基づくごく真っ当な心理分析によっていて、こういうことは講壇の歴史研究者には出来ない仕事だろうなと思う。
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4人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
VINEメンバー2013年12月19日
 この本の要旨は、「女性天皇」どころか「女系天皇」も日本の古代にはいましたけど、になります。あるいは、「女性天皇」は「中継ぎ」という理解は間違っていて、むしろ「中継ぎ」は平安時代の子供男性天皇であって、古代の女性天皇には天皇としての実質がありました、ということでしょうか。

 天皇家だから特殊な事のように皆考えてしまいますが、同族会社の社長だとか、宗教法人の代表の相続だと考えれば、古代天皇家の相続はよく理解できます。橋本さんも、持統天皇を「中小企業の社長夫人」と説明しています。
 継体天皇なんか、ざっくり言って婿養子ですからね。日本の同族会社ではしょっちゅうある相続法です。

 橋本さんの文章は、ややこしいことをややこしく説明するところがありますが、その説明法は歴史や相続のような人間関係が複雑な状況を説明するのに向いています。
 一つの物事を、一方の側から説明して、その反対の側からも説明するような丁寧な事をしてくれるからです。そのおかげで、各人の思惑のバランスがよく分かり、さっと見た段階ではわかりにくい不思議な相続の理由が必然としてわかるようになるのです。

 思えば相続は、科学のような客観的事実に基づいた論理的な事項ではなく、人間くさい不条理などろどろとしたものです。
 逆に、天皇家の相続を「Y遺伝子」などというシャープな科学的方法で説明できると考えているような数多の人々は、橋本さんと違って人間の心のわかっていない阿呆だとも言えます。

 天皇家を特別だと思っている方、女帝を古代の特殊な事例だと考えている方こそ、ぜひお読みください。目から鱗だと思います。
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VINEメンバー2010年7月28日
 著者のあとがきによると本書は「双調平家物語」の副産物だとのこと。「平家の物語」の前段の中核となるのが本書で取り上げられた「女帝の時代」であり、「おもしろい話だらけ」なのに「あまり知られていない」その時代について「女帝」に焦点をあてて解説したもの。
 数年前に女性天皇についての議論が起きた際に唱えられた意見のいくつかに違和感を感じたことを著者はまえがきで語っているが、読み終わるとその理由が理解できる。古代の女帝擁立の背後にあるものを系図を紐解きながら解説しているのだが、意外に現代的な天皇家のお家の事情が炙り出される。古代ならではの特殊な事情は一部あるにせよ、家の継承についての古今変わらぬ思惑に納得。単なる歴史的事実の羅列だけでは見えてこない事情が浮かびあがってくる様は上質のミステリーを読んでいるかのようであった。
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2009年9月12日
あまり知られていない古代史にメスを入れて 更に読みやすくしているだけでも非常に価値がある本です。歴史物として続きが読みたくなりました。今回の本は橋本治しか出来ない仕事がじゃないかと
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VINEメンバー2009年9月17日
『日本の女帝の物語』は奈良時代の日本史でもあります。
歴史好きといえども、奈良時代が一番好きという人はいないのではないか。個人的にも、幕末>戦国>江戸>古代>明治>平安>鎌倉>安土桃山>室町>奈良? くらいの感じです。それぞれの人によって色々あると思います。あとは、司馬遼太郎さんを初めとする、フェイバリットを産む作家たちの影響によって、このランキングが変動するでしょう。

幕末や戦国時代が好まれるのは、自らの意思で歴史を勝ち取るのだという、キャラクターが立っている時代だから。
キャラが立っているなんていうと安っぽく感じるかも知れませんが、何かを好きになったり嫌いになったりする入り口は、大抵この周辺から受けるインプットをどう処理するかによってきまります。
もっと楽にいえば、理屈ではないところで好悪の感情がよばれてきます。

この本を読んで奈良時代の女帝たちのキャラは、かなりの立ち具合だということがわかります。
遠くから見て魅力的な人は、大抵ちかくにいるとめんどくさい人なのですが、特に孝謙天皇は、こわいくらいです。
ここでいう”こわい”とは、やはり男は女性の本質を理解できないところからくるこわさです。

作者は僕の心理を見透かしたように194ページでこう書きます。
(奈良が女帝の時代であると同時に、藤原仲麻呂の時代という前段があり)……”この男が、根本のところで「独身のまま権力をふるう誇り高き女性をバカにしていた」というドンデン返しがあって、女帝の時代は終わってしますのです。”

一番遠かった時代が身近に感じてくる一言でした。
この文章にある”この男”は、もちろん藤原仲麻呂なのですが、現代にいる僕たちでもあるのです。

まだあるのですが、このへんで!
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2013年3月29日
「あまりにも現代的な」の副題は、本書には必要がなかった気がしますね。
この能書きに騙されて、普段歴史関係の本を読みなれない人が安易に手を出してしまわないよう、まずは注意喚起いたします。
良くも悪くも、「苦手な人でも楽しめる」というような内容ではありません。

現代的云々はおいておくとして。
古代天皇家の後継者選定における「女帝」が果たした役割、「天皇の娘」と「天皇の妻」、「天皇の母」という存在のそれぞれの意味と意義。
そういったものが興味深く述べられている本書です。
特に、天皇の娘だからこそ、しかるべき血筋の男性にしか嫁げず、それを繰り返すうちに逆に「天皇の娘を娶った男性こそ皇位継承の有力候補と見なされる」ことになっていく過程は、詳細に記載された系図を見ながら「なるほど」と思わざるを得ないものでした。
また、「持統天皇」についての記述も同様に、興味深く説得力に満ちたものです。

ただし、「藤原不比等は陰謀家ではない」「称徳女帝と道鏡のスキャンダル」などの話は、大いに疑問符が付くところ。
史料を素直に解釈することを前提にしていることは理解しますが、この辺はあまりにも素直に解釈しすぎな気がいたします。
さらに付け加えれば、本書は大変丁寧で平易な論述・表現をしてくれていますが、これもちょっと過剰じゃないかなと。
正直、文章全体としてのテンポは良くなく、丁寧なわりに読みにくい、という勿体ないマイナス点をつけざるを得ません。

以上をふまえて、私からの評価は☆4つ。
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2014年3月23日
6人の女帝がどのような背景から即位されたか、飛鳥奈良時代の天皇制のあり方などわかりやすく説明されています。たいへん興味深い内容でしたが、最後はちょっと納得できませんでした。橋本先生の結論はちょっと強引な気がしました。
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2014年2月11日
日本史は好きだけど古代史にはそんなに詳しくないって人なら楽しめるかなー。
飛鳥から平安までが好きでいろいろ読んでいる私には知っていることばかりで目新しさが少ない記述。しかも、推量の域を出ない主観的な話もけっこうあって賛同できないことも多かった。まぁ、橋本さんの歴史観はそもそも主観的なイメージがあるんだけど、それでも、ユニークな視点とひねくれてるけどちょっと笑える結論を持って来てくれる魅力が以前はあった気がする。でも、この本のトーンはなんか投げやりというか身が入ってないというか、まぁ、ストレートに言えばつまんなかったってことなんだけど。
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