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10レビュー
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ロボット/人間とは何か,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
人間とは何か?この哲学的な命題を説くためにこそロボットを開発してきた著者による、人間存在論としてのロボット論である。人間がさらなる便利を手に入れるために、より人間に近い人型ロボットを創造していく。ロボットが身近で何をしていても「不気味」にならぬよう、「彼(彼女)ら」のしぐさや動作や会話やコミュニケーションの仕方を、より「リアル」になるよう技術的に工夫していく。その技術進化の過程で、人間とはどのような存在なのかが、特にその「心」とは何なのかが、逆説的に理解できるようになってくる。本書は、著者がそのようにして獲得した人間理解のポイントをわかりやすく論じた、新書の傑作である。各章ことごとく興味深い知見に満ちているが、私的に特におもしろかったのが、著者が自分のアンドロイドを造りそれを実験に用いた経験が語られるところ。対面してすぐにはあまり感じるところはなかったが、それが他の人物によって触られたり荒々しく扱われたりするのを見ていると、興奮したり痛みを感じたりしたという。「人は自分に対する行為を観察することで、自分を認識する」ことをまさに痛感したのだと。また、アンドロイドの動きは自分らしくないなと思っていたが、教え子らによれば「先生そっくり」ということで、「人は他人ほど自分のことを知らない」という真実を改めて確認する。本書には、こうした心理学や社会学でも言われてきた見識が、人型ロボットというきわめて生々しい存在により実証されているくだりが多々あり、誠に興味深い。 あるいは、平田オリザ氏とコラボして創作した「ロボット演劇」の話も、すごくいい。人間とロボットが「共演」する舞台劇なのだが、オリザ氏は演技指導の際、人間もロボットを区別せず、また彼らの「心」などは全く重視せず、ただ、いつどこに立ちどう動きどうしゃべるか、といったことだけを教えこんだ。するとそれを観た観客は不思議なことに、「ロボットに心を感じた」と述べたいう。この経験から著者は、「ロボットでも人間のような心を再現できる」という確信を得る。優れた演出家の演技指導をロボットにプログラミングすれば、ロボットは「心」を持つのだ。実際的に、そう考える他ないのだ。 さらに、エピローグをはじめ本書では、「研究とは何か?」という問題に関する著者の意見が熱く論じられており、これは学問にかかわる人間には非常に考えさせられるところが多い。僅か数時間で読める無数の知的な刺激に満ちた本。是非、ご一読を。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
もう一つの正当なアプローチ,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
本書はロボットをよすがにして「心とは何か」を探求した、優れた一研究者の来歴レポートとなっている。文章も、手にとるようにわかりやすい。冒頭、「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけである」と書いているが、これは挑発の言葉であり、キャッチコピーであると思う。最後のほうにこんなくだりがある。 ・・・・「心を持っていると信じるためには何が必要なのだろうか? いくら人間の脳を解剖しても、人間を認知科学的に研究しても、「心とは何か」という問いの答えはこれ以上分からない可能性も高い。そもそも「信じる」とはどうすることなのだろうか? ・・・・私の場合は、この疑問をそのまま研究のエネルギーにしているのだと思う。」・・・・ 「心とは何か」についてのアプローチは、古代からの哲学、近代に至っての脳科学があるが、著者の云う「鏡」も、強力かつ有効なアプローチの一つであると認識できる。
5つ星のうち 5.0
ロボットを通して人間を知る,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
自分のコピーを作った男として有名な大学教授の著者が書いた本です.著者は,ロボットの見た目を人間に似せて作り,このロボットに対する人間がどのように反応するのかを観察し,人間の心とは何かという非常に哲学的な課題に挑んでいます.このロボット自体はテレビにも時々登場しますし,愛知万博の時に非常に有名になりましたのでご存じの方も多いと思いますが,研究の目的が精密なロボットを作るという事以上に,人間を理解するツールとしてとらえているというところが興味深いところでした. ロボット研究の現状を網羅しているわけではありませんが,未来の人間とロボットとのかかわりを考えるのに良い本ではないかと思います.また,「研究とは何か」ということを自問している研究者の方にも参考になるのではないかと思います.
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
あちこち付箋だらけに!,
By yusei (大阪市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
「人間はすべての能力を機械に置き換えた後に、何が残るかを見ようとしている。」書店でこの本を手に取り、偶然ひろげたP.25の一行です。この一行にやられてレジに並びました。 「ロボットを作ることは人間とは何かを知ること」という哲学なしに、便利だからと機械をじゃんじゃん使う方向にこのまま世の中が進んでいけば、いずれ人間はどうなってしまうかと筆者が考えを明かすラストまでに、 ● そもそも心とは何なのか。 ● 見かけが相手に及ぼす影響。 ● 相手がこう思っていると思うのは、実はこちらの勝手な思い込み?! ● わたしたちがもはやパソコンの電源を落とせない理由。 ● 人と人とがつながりたいと思う情動の正体。 など、人と人とのコミュニケーションのヒントや誤解(!)が示されています。 最先端のロボット技術についての専門書かと思いきや、入口の敷居は低いけれど思わぬ深いところまでわたしたちを導いてくれる、これは哲学書である!と感じました。 筆者の研究者としての戸惑いやタブーへのスタンス、理系の先生なのになんて読みやすく情感たっぷりな文章を書かれるのだろう!(独特のユーモアセンスも楽しい)というのもこの本の魅力です。 読んだら最後、you can’t stop! なので、飲み物を用意してゆっくり読み始めることをおすすめします。電車だときっと乗り越してしまうから要注意!
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
魂のやどる人形,
By 寂 羅漢 (関東) - レビューをすべて見る
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
「人間の内面には「こころ」というものが実体として存在していて、それが身体の動作や表情の変化となって外面に表れる」こうした当たり前の精神/肉体観を、筆者はひっくり返してしまう。 「人間そっくりにつくった人形がどのようなふるまい・反応をすると、人はそこに「こころ」の存在を確信してしまうのか」 これが、筆者がロボット研究の基本に据えている態度である。 ここには、「人間(と一部のほ乳類)にだけ心がある」という誰もが疑わない「事実」への批判がこめられている。 「こころ」というものは、物理的・実体的に存在を確認することができない(たとえば「脳」に「こころ」という機能が局在しているとは言えても、「脳がこころである」という言い方はできない)。それゆえ、我々はある種のふるまいや反応の総体を「こころ」と総称しているに過ぎない。 これは、哲学的には一種の懐疑論なのかもしれない。 しかし、たとえばここに「誰がどう見ても「こころ」が宿っているとしか思えないふるまいをする、人間そっくりの姿をした人形」があったとしよう(それがどのような「ふるまい」かはひとまずおき)。 そして人形の制作者が、「これは人形なので壊しても問題ありません」と、作動中である人形をガンガン破壊しはじめたとしよう(人形は「やめて」と叫ぶかもしれない)。 このとき、普通の心ある人間なら、人形が「殺される」姿を平気で眺めてはいられないだろう。 思わず「あの人形かわいそう」と感じるに違いない。ひょっとしたら、制作者の蛮行を阻止するかもしれない。それが人間の「こころ」というものである。 ところで、筆者が行った研究の中でユニークなものに、人とロボットが共演する「ロボット演劇」というものがあった。 人間の役者は台本にそって稽古し、ロボットの役者は台本にそってプログラムを修正し、演技を行う。 興味深いことに、演出家(平田オリザ氏)の演出態度は人間に対してもロボットに対しても全く同じだったという。 「次のセリフまでの間をあと0.5秒長く」とか、「立ち位置を30センチ右に」とか、実に具体的な内容で「役者たち」に指示を行った。 これは意外なことではないか。少なくとも平田氏のような演出家にとって、役者に心があるかどうかは問題でなかった。 巧妙な指示・演出によって、「役者に「こころ」が宿っているとしか思えない」演技、つまりふるまいをさせるのが彼の仕事なのである。 その意味では、役者が人間でもロボットでも、一定水準の動作が可能なら構わないのだ。実際、舞台を見た観客はロボットにも「こころ」を感じたという。 「台本=プログラムにそって動いただけ」とはいえ、演劇という芸術行為を一部でも代行したということは、ロボットが「人のこころ」のある部分を「再現」したということではないだろうか。 このような部分的再現が積み重なることで、やがて「人のこころを実装したロボット」が誕生するのかもしれないと思う。
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
まさしく人間とは何かについての本,
By カミチョフ (東京都渋谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
絶対に読むべき本。それも今。まず読んで面白い。ロボットの研究の最前線を惜しみなく書いていて、ここまできているのか、ということが分かって面白い。 次に話の発展する余地が多いのが面白い。性とロボットの関連、不気味の谷についてなど、そこを基点としてさまざまな方向に話が発展していくから。 そして、なぜ発展するかというと、それは本作で語られているように、ロボットとは何かを考えることがすなわち人間とは何かを考えることだからだろう。 そして更にその点について石黒先生が非常に自覚的であり、そもそも研究とは人間とは何かを考えることである、という問題提起にまで至っており、全面的に賛成せざるを得ない。 また改めて自分の生活を振り返り、人間とは何かに少しでも近づいているような毎日を送れているだろうかと、反省させられてしまったのだった。 ひとつだけ確実にいえるのはこの本は少なくともロボットという工業の一分野の研究に関する紹介文ではなく、人間そのものに近づく、本来の意味の科学全般を代表する著作であろうということだ。 それはかつて哲学や、芸術が担っていた世界であり、ロボット演劇がここから立ち上がってきているのも単なる偶然ではあるまい。今後10年の人文科学はロボットを基点に大きく発展するだろうと、この本を読むと確信できる。
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
不思議な読み味,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
著者は「『アンドロイドを作ることを通して、人間の脳の機能が分かる』可能性がある。アンドロイドに実装したプログラムが、脳の知られていない機能を実現している可能性がある」と述べ、「先にロボットやアンドロイドを作ってみて、そこから人間を知る」という自身の手法を「構成論的アプローチ」に分類する(p65)。でも本書を読んで受ける印象は、いわゆる構成論的アプローチを踏み越えているように思う。私などは構成論的アプローチという言葉から、複雑な研究対象を直接分析するのではなく、これを一定程度単純化した上で同様の機能を工学的に「構成」することを通じて理解を深めようとする方法論をイメージする。例えばロボットに学習機能をプログラムしてお手玉や卓球を覚えさせるような研究がそれで、コンピュータの性能向上に支えられて注目を浴びた手法だという印象が強い。 著者の研究が従来の構成論的アプローチを踏み越えていると感じるのは、次のような理由からだ。 まず、これまでは人間の意識とか心とか情緒のような定量的計測が困難なものに直接取り組むことは、あまりなかったのではないか。それらは、運動機能や言語能力のシミュレーションのような「基礎的研究」の積み重ねの彼方にある、「坂の上の雲」みたいなものだったのではないか。ところが著者は、まっすぐ「心」や「情緒」に関心を向けていて、そこが大胆。しかも心の本質論はあっさりスルーし、「どうしたら心があるように見えるか?」という表層に留まり続けるところがスマート。 で、構成論的アプローチによって「どうしたら心があるように見えるか?」を探究する時、「しかし誰にとって?」という問題が不可避的に生じる。そりゃ人間にとってでしょう? その結果、著者の研究は、ロボットやアンドロイドを「媒介」とした「人間」の研究に反転していく。人間のそっくりさん造りを通じて、著者は「人間」という広大な研究分野を発見したワケだ。素晴らしい! しかし一言。石黒先生はロボットの有望な活用場所の一つに、ホテルの部屋で旅人の孤独を和らげる役目を挙げているのですが(p221)、私はこれは怖いと思う。それこそ私が眠っている間に、暗闇の中でベッド脇のロボットの両眼がボーッと赤く光を放ち始め……ああああ!
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5つ星のうち 5.0
昨日の君はゴキブリとどう違う生き方をしたか?,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
私は、「人間とは何か?という基本問題」をこの本を読んで、 誰もが考えて欲しいと思っている。 この本の構成は、 研究の目的→自身が関わった各研究の紹介→ロボットの将来(第九章) とシンプルである。 また、特徴として、 本書内で著者の格言が書かれている。 (例「心と体はどれほど繋がっていれば、同じ人間のものとなるのか?」) 所感としては、 大部分の人にとって、アンドロイドは気持ち悪いし、研究内容は頭に?だろうなと思う。 ただし、 各研究に至る動機は”脱常識”、”発想力を広げる”という意味でも、 参考になるのではないだろうか。 そして、 「目的を持たないロボットは物を認知できない。」 「本当に人間は自律しているのか?」 「我々の期待するような歴然とした心はない。」 などの哲学者的思考を持ちながら、哲学者とは異なり、 実際にロボットを作り、研究・実験してしまう行動力は侮れない。 多分、多くの人が得にもならない「人間とは何なのか?自分とは何なのか?」 の哲学を問わず、死んでいくのだと思う。 しかし、これだけ複雑な機能を持ち、暴走を引き起こす可能性がある存在にも関わらず、マニュアルもない人間。。。 人間を理解する事は、相手と真に分かりあう事に繋がるはずである。 「人間が人間らしく生きるには哲学が必要」 恥ずかしながら、今更この人の哲学への魅力に気づかされたのが本音である。
2 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
どちらかというとエッセイですね,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
ロボットについて考えるのが好きな人には今更な内容(“不気味の谷”や心を持ちうるかなど)がほとんどですが、読みやすく面白いので初心者にはいいと思います。ロボット造りの手順等は扱われていません。操作者がヒト型ロボットの操作感覚になれた頃合を見計らって、急にロボットの体に触ると、自分自身を触られたように感じるという話は初めて知りました。体験したわけではないので半信半疑ですが。 あとは、「悪用できない技術なんて偽物」という著者の考えがとても納得できるもので、印象に残っています。私もそう思ってます。
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5つ星のうち 4.0
作ることによる理解,
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レビュー対象商品: ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) (新書)
ロボットを作ることによって人間を理解しようとする試み。形而上学という袋小路に陥らずに何がしかを掴むことができるのか?はたまたロボットと人間は所詮は全くの別物という結論に落ち着くのか?私にはわからないが、非常にエキサイティングな試みであると思う。 |
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ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) 作成者 石黒 浩 (新書 - 2009/11/19)
¥ 777
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