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77 人中、64人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 幅広い対象分野と対話形式の平易な説明が秀逸な名著
久しぶりに「面白すぎる本に出会った」という感想を持たせてくれる本に出会った、というのが読後の正直な感想です。

私は哲学や論理学については素人ですが、この本はそのような素人であっても、グイグイと引き込まれていく、非常な読みやすさを持っています。なぜそうなのか考えてみると、以下のような特徴があると思いました。

1) 分からない人の存在を前提に書いている...
投稿日: 2009/9/8 投稿者: nobptl

対
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 やや物足りない
司会者という立場の人がいて、社会学者だの、生理学者だの、スポーツマンだのと、
いろんな領域の人を登場させて
その立場からの発言を記載していくという構成を取っている。
そういう人たちが平易な言葉で発言するよう、著者の気が使われている。
これはこの本のとてもすばらしいところである。
ただ、平易過ぎたせいか、私には物足りない。
理性というのは、いろんな定義があるだろう。
それぞれの定義において、どんな限界があるのかないのか
それが知りたかった。
人間の思考能力の限界を示す上で、もっとも典型な例は
ゲーデルの不完全生定理が挙げられるだろう。
しかし、これが、理性の限界かというと、理性というものを...
投稿日: 13か月前 投稿者: 高野董風


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77 人中、64人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 幅広い対象分野と対話形式の平易な説明が秀逸な名著, 2009/9/8
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
久しぶりに「面白すぎる本に出会った」という感想を持たせてくれる本に出会った、というのが読後の正直な感想です。

私は哲学や論理学については素人ですが、この本はそのような素人であっても、グイグイと引き込まれていく、非常な読みやすさを持っています。なぜそうなのか考えてみると、以下のような特徴があると思いました。

1) 分からない人の存在を前提に書いている
 とかく専門書に頻出しがちな横文字や専門用語の説明無しの使用は、この本では皆無と言えます。なぜなら、架空のシンポジウムを文字おこしした本として書かれており、素人の会社員や運動選手などといった、普通の人が「分かりません!」とすぐに突っ込みを入れ、「では分かりやすくご説明しましょう」と、すぐに説明が続くからです。それでも、「分かりやすくと言いつつ、実際には分からない」ということが他の本では多いのですが、この本に限ってはそのような心配は無用です。

2) 問題の提示の仕方が生活に密着した題材として出されるため常に現実感がある
 とかく哲学というものは、素人から見ると、およそ生活とはかけ離れた絵空事、という風に感じがちです。それは、問題設定が自分の生活の領域とかけ離れているからだと思います。この本はそうではなく、常に「私たち一般人の現実」を議論の出発点にしています。そのため、哲学や論理学とは、実は自分の生活に非常に大きな位置を占めているのだ、ということが良く分かるようになっています。生活に役立つ本、人生を豊かにさせてくれる本。著者はおそらくそう言うことを目指して書いたのではないかということが、読んでいて良く伝わってくるのです。

他にも色々、良い所はあるのですが、私にとってはこの二点だけでも、読むに値すると思います。ぜひお読み下さい。おすすめします!
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83 人中、64人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 深い内容と読みやすさの融合した傑作, 2008/9/26
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
最初に、この本は日本人が書くものとしては、
異例に多くの哲学的、科学的な分野に関連しており、
かつ私がこれまでに読んだ本の中で
最も素晴らしく平易でわかりやすいプレゼンテーションをしている点で最高である。

著者は1、論理的なゲーデルの不完全性について造詣が深く、
著名な論理学者であるスマリヤンの翻訳も手がけている。
しかし、2、本書では社会科学的な民主主義の決定不可能性、
さらに3、量子力学的な不確定性、ならびに科学理論の相対主義、
などについても筆をすすめ、3部が一体となって素晴らしい入門書となっているのだ。

社会科学では、アローによる不可能性定理が有名だが、
これは一言でいえば、
「民主主義における決定方法では、推移律その他の
常識的に望ましいと思われる性質のすべてを満たせない」ほどのものだ。
これは「決め方の原理」などの有名な本も参照にすればわかりやすいかもしれない。
ついで、現代社会科学の基礎である、ゲーム理論とナッシュ均衡が説明される。

量子力学では、物体の位置と運動量を完全に知ることはできないという
ハイゼンベルクの不確定性が有名だが、そういった古典解釈を超えて、
量子力学の意味する相補性から生じる情報伝達のEPR矛盾、
さらには多世界解釈が説明される。
同時に科学という試みのもつ客観性についても、ポパーからクーン、
ファイヤーアーベントへと続く論争が解説される。

ゲーデルの不完全性定理については、よく知られた形では、
「この文章は間違っている」というような自己言及を許すような形式システム、
(これは数学体系を含めて、実質的にほとんどすべての論理体系のこと)では、
決定不能な命題が存在することを意味している。
これももっと詳しくは類書を読めばいいのだろうが、それをチャイティンの定理など
もっと新しい発見とともに論理学の限界として提示している点が新しい。

しかし、この本の素晴らしさは、これらの人間理性の限界がそれぞれ独立しているのではなく、
まさに量子的な「絡み合った状態」にあることを、興味深く示唆している点だろう。

特に、ナッシュ均衡の持つ合理性、つまり、相手の行動の予見を無限に繰り返すという
人間の信念の体系における無矛盾性と
タルスキー、スマリヤン的な、論理体系の持つ不可避的な矛盾性などとの関係を
論じている点は素晴らしい。
これはもう、単なる啓もう書ではなく、学問書に昇華し得る指摘であると思う。

私は科学的な知識というのは、今後も無限に進歩し続けると信じる素朴科学主義者だが、
理性的な企ての持つ根本的な矛盾を考えさせられる点で、
また、できれば私自身がいつか書いてみたいと思っていたという意味で、
すべての人にお勧めできる出色の書籍だ。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「アロウの不可能性定理」「ハイゼンベルグの不確定性原理」「ゲーデルの不完全性定理」を仮想ディベートでかわりやすく解説した本, 2012/7/1
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(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
 知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書)と続く限界3部作の第1作である。「アロウの不可能性定理」「ハイゼンベルグの不確定性原理」「ゲーデルの不完全性定理」というわかりにくい内容を、いろんな仮想的な発言者を登場させ議論させることで理解させる、という面白い試みが、見事に成功した本である。
 「アロウの不可能性定理」というのは、この本で初めて知る人も多いだろう。公平な投票とは何か、そしてそれが原理的に不可能であるということを実例で示してくれる。「ハイゼンベルグの不確定性原理」「ゲーデルの不完全性定理」も、たくみな例で、その本質が何かがわかる。全体を通して、「理性の限界」という本書の題名の意味がわかるという構造になっている。大学生の教養課程で、是非とも扱って欲しいものである。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 知的好奇心を強く刺激してくれる。, 2013/9/21
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
最高に面白かった。
選択の限界、科学の限界、知識の限界。
これらのそれぞれに存在する矛盾を解き明かすことで、理性そのものの限界性を気付かせてくれる。
そして、この世界が完ぺきな世界ではないというを知らしめてくれる。
ただ、そこから虚無主義に至るのではなく、むしろこの世界の面白さを教えてくれ、さらなる知的好奇心を刺激してくれる。

この世界は面白い。
普段の世界ではふと忘れてしまうことを、本書ははっきりと思い出させてくれた。
強くお勧めします。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 やや物足りない, 2013/3/11
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レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
司会者という立場の人がいて、社会学者だの、生理学者だの、スポーツマンだのと、
いろんな領域の人を登場させて
その立場からの発言を記載していくという構成を取っている。
そういう人たちが平易な言葉で発言するよう、著者の気が使われている。
これはこの本のとてもすばらしいところである。
ただ、平易過ぎたせいか、私には物足りない。
理性というのは、いろんな定義があるだろう。
それぞれの定義において、どんな限界があるのかないのか
それが知りたかった。
人間の思考能力の限界を示す上で、もっとも典型な例は
ゲーデルの不完全生定理が挙げられるだろう。
しかし、これが、理性の限界かというと、理性というものを
そう定義すればそうだし、定義が違えばそうでないという見方も
できる。
アローの不完全生定理が有名で、この本でもたくさん言及されているが
これは、私にはパラドックスには見えなくて、理性の限界とも感じない
ものである。
人間の理性の定義として、何が妥当か、それを知りたかった。
それはそうと、私は図書館で借りて、これを書いたので
著者の苦労の報酬にならず、厳しいことを書いた事はごめんなさい、
と言わねばならない。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 おもしろい!もうちょっと易しければ。。。, 2012/7/28
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
人間がものごとを知るってどういう事なんだろうか?判断するってどういうことなんだろうか?
そういう問題の架空のシンポジウムに見立てて語り明かしていく1冊。
「カント主義者」や「数理学者」「哲学史家などが参加して色々な理論、主義、主張が飛び交う内容。
「会社員」や「大学生」など「理解していない人」がいること前提で書かれているので門外漢でも読みやすく親切な構成です。

ゲーム理論を勉強していたので第1章「選択の限界」は楽しく読めました。
ただ文系出身の私には第2章「科学の限界」は少々難解にすぎ、EPRパラドックスなどの内容はほとんど理解できず読み飛ばしました。
第3章「知識の限界について」はゲーデル理論によっているせいか、これまた途中から何を言ってるのかよくわかりませんでした。
他の方のレビューを読んでいると「面白くすらすら読めた」とかありますが、内容はかなりハードです。
あらかじめの予備知識がないと理解は厳しいかな?と思います。
また、もっといろんか方の哲学に触れたいな、、とも思いました。

それでも、いろいろな理論、主義を交えながら会話(シンポジウム)が進むスタイルは読書の新しい扉を開いたとも言えます。
難解な内容でも諦めず最後までなんとか読み終えることができました。
ということで★4つ。
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25 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 やや消化不良。。。, 2008/9/7
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
合理的選択、科学的認識、論理的思考の3つの題目にそって
それらがほころびのようにみせる決定不可能性について、
アロウ、ハイゼンベルグ、ゲーデルをネタに「理性の限界」
について概観じたもの。あくまで雰囲気ですよ。オリジナル
の定理/原理の本来の内容は、本書ではあまり深くはふれま
せん(またそれを目的としたものでもないです)。

切り口はちがえど、どうしてそのような非決定性、非確定性
へと至ってしまうのか、そのことが何を意味しているのかを、
あらためて考えてみるとき、論理と世界についての捉え方や、
そもそも考えようとする意志そのものの過剰性にについて、
思いをめぐらさざるをえなくなる。
いろんなパラドクスも紹介されてて、そういう意味で面白い
いい入門書だと思えます。
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62 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 哲学の限界, 2011/12/25
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
限界という言葉の前に、著者の高橋昌一郎氏は「永遠に超えられない」の修飾語を置いている。人類の現在の到達点ではなく時間座標に独立な障壁の意味である。本書は選択、科学、知識の限界の例として、アローの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、クルト・ゲーデルの不完全性定理を挙げる。

ハイゼンベルクの不確定性原理は量子力学を習った人なら知らない人はいないだろう。教養課程向けの(つまり通俗科学書を除いて一番易しい)量子力学の教科書にも必ず載っている。それが科学の限界と言われれば首を傾げる人は多いのでないだろうか。小生もそうである。それで物理の理論が暗礁に乗り上げた訳ではない。実験が続けられないことも全くない。座標と運動量の不確定性の積、あるいは時間とエネルギーの不確定性の積がある定数の程度より小さくならないというのがこの原理であるが、限界どころか間接遷移型の発光ダイオードはまさにその恩恵である。ベクトル量である運動量はごまかしがきかないが、この原理のお蔭で反応の前後の収支が合わなくても良いのである。

ゲーデルの不完全性定理は何故か理科系よりも文科系の学生に有名である。ある程度の算術が行える系が無矛盾ならその中に真偽を証明できない命題が存在する。当然すべての命題が証明不可能な訳ではない。限界というより「ここに落とし穴がある」という注意である。それに気付いたことは数学の進歩である。研究が止まった訳ではない。従って限界ではない。

アローの名は本書で初めて知った。しかし定理の説明はない。コンドルセの逆理やボルダの順位点の話が中心である。理科系の読者には自明で新鮮味が少ないだろう。ナッシュも取り上げるが人物像ばかりで肝心の均衡の説明がない。本書はフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンの著書を参考文献に挙げている。数学に相当自信のある人が余暇にゲーム理論の発達史という興味から取り組むべき本である。著者の高橋昌一郎氏は読んだ上で参考文献に挙げているのだろうか。

本書は”no one understands quantum mechanics”というFeynmanの言葉を引用しているが、それは現時点での哲学的理解の意味である。量子力学は使えてもその意味を人類はまだ知らない。しかしニュートン力学を哲学的に理解している人も一人もいないのだ。ニュートンの力学は日常的に観測する事実に合致する。それと理解とは違う。哲学者は重力の根源を何故問題にしないのか不思議である。量子力学も何故そうなるのか分からなくとも使えはする。科学者はどちらも問題にしない。今分かる必要がないからだ。科学の発展を待つしかない。人生は有限だ。解けない問題に取り組むのは悲劇である。

高橋昌一郎氏は「おわりに」で「相対論と量子力学の解説については心配な面もあったので」第二章を松田卓也氏に読んでもらったと記している。松田氏と言えば相対性理論は間違っている等の通俗科学書を本気で批判していた稀有な科学者である。物理学会誌に批判記事を寄稿していたのを覚えている。しかしそれにしては物理や数学のおかしな記述が何箇所かあった。英文を誤訳したような表現もあった。松田氏は徹底的に直しては高橋昌一郎氏のオリジナリティが失われると考えたのだろうか。

相対論を哲学者が議論するのは良いがまずは相対論を理解してほしい。ある物理学者の言葉である。名は伏せるが某大学の教授を経験した方である。哲学は諸学の王と西洋で言われた。アリストテレスの時代は数学も天文学も生物学も哲学の領域であった。科学者が哲学者を兼ねていたのはデカルトやパスカルの頃までだろうか。アメリカの記号論の創始者のパースを加えても良いかもしれない。しかしアラン・ソーカルの事件を引くまでもなく何時の間にか科学を理解しない者が科学の哲学を語るようになってしまった。本書を読んで感じたのは哲学の限界である。数学や物理の成果を知るだけなら一般向けの解説書でも可能である。しかしその成果の意味を知るには専門書から学ばなくてはならない。その学問の哲学的解釈を目指すなら尚更である。

本書は文科系の学者が数学や自然科学の本質を理解しないまま解説書の結論だけを誤解して読者に提示したという印象である。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 大変面白い, 2011/2/11
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Edgeworth-Kuiper Belt - レビューをすべて見る
(トップ10レビュアー)    (殿堂入りレビュアー)   
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
「理性の最後の一歩は、理性を超える事物が無限にあるということを認めること」(パスカル)

ここまで面白い本だとは思わなかった。時々頭をフル回転させながら読んだ。本書では以下の3つの限界という視点から、理性の限界に迫っている。
・選択の限界(社会科学の限界):アロウの不可能性原理
・科学の限界(自然科学の限界):ハイゼンベルクの不確定性原理
・知識の限界(形式科学の限界):ゲーデルの不完全性定理

著者は論理学と哲学の専門家。難解なテーマを、実に楽しく、そして興味深く解説することに成功している。ポイントのひとつは架空の対話形式になっている点だろう。会社員、大学生A、科学者、運動選手、カント主義者、映像評論家、国際政治学者他、著者自身も「何人登場させたか自分でも覚えていない」という多彩な人物たちの、ある意味で適当な登場加減が結果的にいい味を出している。知的な刺激を存分に楽しむことができた。
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14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 本書では物足りないと感じる人のための本, 2010/5/1
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
全体の構成は他の方が書いているので、「知識の限界」についてだけ。
著者がぬきうちテストのパラドックスと不完全性定理を本書以前に書いたものに、
ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)(99年8月)と
パラドックス!(共著、2000年7月)があります。
後者は本書とほぼ同じ構成です。

それはともかく、相互言及のパラドックスでの解決はやっぱり納得できません。
月から金までの間にぬきうちテストをするとして、テストをしないまま木曜日が
過ぎたら、普通はこの時点で「ぬきうち」が不可能になると考えるでしょう。
一方で、逆算で考えていくと月曜日でも「ぬきうち」にならないと言われると、
納得できる人はあまりいないと思います。

しかし、相互言及のパラドックスでの解決は、月曜日の時点で「ぬきうち」ではない
と言える一方で、金曜日には「ぬきうち」にならないと考えている生徒には金曜日
に「ぬきうち」が成り立つことが前提になります。私はこの前提に納得がいきません。
私はぬきうちテストの言明は、「100mを8秒台で走る」と言うのと同じ不可能な
言明であり、ある時点でその不可能が判明するに過ぎないのではないかとも考えて
います。

私がなぜこのような評を書いたのかというと、さわりだけを書いたこの本に納得しすぎ
ている評があまりにも多いことに違和感があったからです。
自分で納得するまで考えてみれば、この本では物足りないと感じるはずです。
それがこの本の狙いであり、末尾に参考文献を多く載せた理由ではないかと思います。
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理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
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