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カスタマーレビュー

17
5つ星のうち4.6
カラシニコフ I (朝日文庫)
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25人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2009年2月4日
 この本は、友人に薦められて手に取りました。
 彼に言わせると、「アフリカの現状がいやというほどよくわかって、最初の三十ページで絶望的な気分になれる、ある意味素敵な本だよ」ということでした。
 彼の言うとおり、最初の三十ページどころかそれこそ十ページいかないうちに「生き地獄」をみせつけられ、暗澹たる気分になります。この暗澹たる気分がこの本の三分の二以上にわたって続くのですが、不思議とひきつけられ、読むのをやめられなくなります。
 ところが、彼の紹介には一つだけ間違いがありました。 本書の最後の最後に、アフリカのかすかな希望が見えてくるのです。前半があまりに暗かったために、なおさらこのかすかな希望が明るく見えてくるのかもしれません。
 買った日に、半日で読み終わってしまいました。名作です。
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24人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
カラシニコフ銃をテーマの中心にすえつつ、アフリカの現状に迫った渾身のルポタージュです。(続巻"II"はアフリカ以外の話です)
【主要目次】
第1章 11歳の少女兵(主にシエラレオネの元少女兵に関する話)
第2章 設計者は語る(開発者カラシニコフへの直接取材)
第3章 護衛つきの町(無政府状態に陥ったソマリアの話)
第4章 失敗した国々(赤道ギニア・ソマリア・ナイジェリア・チャド・ザイールの話)
第5章 襲われた農場(南アフリカの話)
第6章 銃を抑え込む(未承認国「ソマリランド」の話)

「アフリカ・レポート−壊れる国、生きる人々」を読んでから本書を手にとりました。「内容重複が多いかも」と事前に思っていましたが、そうでもありませんでした。話の内容は、いかにも「ゴルゴ13」でも描かれそうな内容ですね(→特に「赤道ギニア」の国家転覆未遂に関する話)。第3章の「失敗国家の判定基準」(警官・兵士・教師への給料の支払い状況)について読むと、アフリカ以外でも存続の危うい「失敗国家」があることに気付きますね。(ほら、日本の近くにも... !?)
意外だった第2章の内容です。カラシニコフの好々爺ぶりとAK銃を生み出す経緯は強く印象に残りました。第二次大戦でドイツの脅威に迫られてソ連を守るために開発したこと、それまでの銃設計の常識に挑戦したこと、など"目から鱗"な内容でした。重い内容が続きますが、最後のソマリランドの話に一縷の希望を見出す思いでした。
本書(I・II)を読むと「国家とは何か?」についても深く考えさせられますね。「国境線≠民族・部族の区分」から生じる悲劇について認識が深まると、世界各地で起きている悲劇も深く理解できるようになります。日本に住み慣れて「水と空気と安全はタダ」のように思っている人が本書を読むと、確実に世界観が変わるでしょうね。
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43人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2008年12月5日
朝日新聞と言う物に対する認識を改めさせられる.
連載当時,わたしはフリーの記者が書いているものとばかり思って読んでいた.
いつもの朝日新聞の論調やニュースの切り取り方と余りにも違うからだ.
・中国や北朝鮮がライセンス生産したAK47が紛争地に大量に出回っていること.
・AK47を使って独立や社会主義革命などを達成した国や地域が,そこに残存したAK47によって国家や経済の崩壊に遭っていると言うこと.
・治安の崩壊した街として知られるヨハネスブルグが,市内至る所に設置した防犯カメラによって(つまり防犯カメラによる監視社会によって)急速な治安の改善を見ていると言うこと.
etc.

極端な左翼反戦主義の論者なら眼を背けがちな上記の事実を挙げ,筆者は以下のような結論に至る.
「やはり国家の責務とは国民の生命と財産を守る事,子どもたちの教育を行う事であり,そのために兵士・警察官・教師に充分な給料を払えない国は治安が崩壊する.AK47は崩壊の過程で使われる道具に過ぎない.」

このような結論に至る本書が,実は朝日新聞特派員として世界各地の紛争地帯を回った記者によって書かれた,それも定年間際に編集委員を退任した後で取材・連載していたと言うのは,アンチ朝日であるわたしには結構な衝撃だった.
わたしと同じようなアンチ朝日の人にも自信を持ってお薦めできる本である.
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6人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2010年4月9日
 本書はまず、シエラレオネやリベリアなどの失敗国家でカラシニコフ(以下AK)が重宝される理由を示す。素人同然の少年兵が戦力になる背景には、メンテナンスフリーで使えるAKがあるのだ。
 なにしろ、水に濡らしたまま一週間ほっといても、弾詰まりを起こさない性能から、ベトナムではアメリカ軍さえM16を捨てAKを使ったというのだから。

 この銃を設計したカラシニコフ氏を著者は直接取材している。カラシニコフ氏は温厚な老人であり、中卒というハンディを乗り越えた技術者である。ソ連軍の同僚がナチスの自動小銃にバタバタと倒されるのを見てAKを開発したという。カラシニコフ氏は現状の使われ方に忸怩たる思いがあるのではないか。

 後半はAKから少し離れてアフリカの治安一般の話となる。
 著者の松本氏は朝日新聞の特派員として、アフリカで生活を送った。朝日=平和ボケという印象もあるが、松田氏に限っては違うと思う。松田氏は国家の原初的な役割は、納税と引き替えの国民の安全確保だという。軍及び警察は重要で、失敗国家とまともな国を見分ける第一の指標は、兵士と警察に遅滞なく給料を支払っているか否かだと述べる。

 数多くの失敗国家の説明の後、最後の章で紹介されるソマリランドの話には希望を感じる。無政府状態のソマリアで、部族の長老たちが協議し平和を達成したこの地域は、国際社会からはまだ国として認められていない。いわば巨大なNGOのような物である。
 政府を当てに出来ないアフリカで、民間企業やNGOがその役割を担っている例が他にも幾つか載っている。アフリカの人々が自ら設立したNGOは、現場ならではの知恵が見えて頼もしい。現時点では技術や資金を国際機関がサポートしてるが、ただ援助を待つだけでない彼らの存在は、アフリカにもいずれ自立した平和な社会が訪れるという希望を感じる。現地の人々を尊重して裏方を演じる国際機関の対応も良いと思う。
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2013年7月20日
とても興味深かった。
朝日新聞のコラムとして連載されていたものを書籍化したらしいが、アフリカ関連の朝日の記者は他の朝日の記者とはやはり一味違う。
やはり危険と隣り合わせで、リスクを負って取材をしているからだろう。

アフリカ関連の本を何冊か読んでいて、問題のある国家に共通しているのは正義の欠如である。真っ当に生きていても、ほとんどの人は報われない。なら、犯罪をしよう。公金横領しよう。その悪循環が今のアフリカの現状を生み出している。
そして南アフリカのように、警察官などの公務員にきっちりと給料を払っている国でも、職欲しさに都会に出てきた最底辺層の人々がしばしば、犯罪へ走る。
これらは教育が欠如し、これといった娯楽もないせいで、それが治安の悪さを生み、治安の悪さは落ち着いた教育の機会をむしばみ、道端で遊ぶ機会を脅かす。この本の終盤で、それらに対する希望の光が当てられている。ソマリランドや南アフリカでの取り組みが、一つの解決策となり、全アフリカに広まることを祈る。

さて、この本で出てくる、チャド人女性の言葉が示唆的だった。「植民地のほうがマシだった」と。
チャドは旧フランス領で、フランス領西アフリカ、のちにフランス領赤道アフリカに属していた国で、「世界失敗国家ランキング」でも常にトップ5に入る。
欧米人は非人道的なことをし、アフリカの人々を苦しめたかもしれない。
しかし、彼らの統治能力や当時治安を維持していたことを再評価し、再検討すべき時期がやってきているのではないかと考えさせられた。
あるいは、欧米的な統治方法がアフリカに適していないのであれば、彼ら独自のやり方を検討すべきではないか、と。

本書は、白戸圭一氏のルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄 (朝日文庫)と並んで、アフリカ関連のルポルタージュでは必読の範疇に入るものだと思う。
興味深いものだが、非常に読みやすく、アフリカに関心を持つすべての人に勧めたい。
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2008年10月12日
本作は、朝日新聞の記者が、各地の内戦やクーデターで使用される自動小銃、
カラシニコフ(AK47、AKMなど)に着目し、その流通を追跡するという壮大なルポです。
第1部である本作で俎上に上げられるのは、
「失敗国家」≒指導者に統治の意欲と能力が欠如し、国民をないがしろにした国家、
の集合体ともいえるアフリカ大陸です。
 
冒頭のシエラレオネの少女兵のエピソードや残酷な仕打ちの数々に唖然とさせられます。
そして、ソマリア、ナイジェリア、南アフリカ共和国…。
著名な産油国、2010年サッカーW杯の開催国ですら、
信じられない汚職や犯罪、貧困に満ち溢れています。
そして失敗国家の失敗の陰には、常にシンプルで頑強なカラシニコフ銃が存在し、
そもそも、背景には、植民地時代、冷戦時代といった負の歴史の集積があります。

読み進めるうちに暗澹たる気持ちにさせられますが、希望もたしかにあります。
子供たちの教育への熱い思い、草の根の住民運動やNGO、
そして終章で詳細に語られる未承認国家、ソマリランド共和国の現状。
そのような希望をどのように育てていくか、我々に何かできることはないか。
思わず考えさせられずにはいられません。
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ミハイル・チモフェエヴィチ・カラシニコフ(Михаи'л Тимофе'евич Кала'шников、1919年11月10日 - )が設計製造した
「AK-47」(別名「カラシニコフ自動小銃」)は、史上もっとも成功した小銃と言われる。
「ナチスからソ連を守るために作った」というこの自動小銃は、湿気にも暑さにも感想にも強く、
わずか8つに分解できる単純な構造で、修理補修管理使用全てにおいて単純が故の高性能を誇っている。

本書はそのカラシニコフ(AKM,AK74の改造型がある)づたいにアフリカの紛争を追う。

ソ連のライセンス供与で中国、北朝鮮、ユーゴスラビア製が生産され、前世界的に出回った。
このカラシニコフについてロシア軍は、カラシニコフ自動小銃を既に必要量の「数十倍」所有しており、
かつ性能的に時代遅れだとして、購入停止を決めた。軍需企業は後継となる銃の開発を急いでおり、年内の公開を目指している。

カラシニコフは、構造が単純で少女でも使えると言われるほど扱いやすく、
値段も安いことから、旧ソ連や友好国のほか世界中の紛争地に広がった。
「人類史上、最も多くの人を殺した兵器」とされる。
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ベスト1000レビュアー2010年10月2日
その扱い方の簡単さから「銃を扱える者」のハードルを極端に下げ、少年兵や女性兵士を大量に生む要因となってしまった名銃・AK47をめぐるドキュメンタリー。この銃によって殺された人の総数のあまりの多さから、小さな大量破壊兵器と呼ばれる。

本書の内容については他の方のレビューに譲るとして、本書に出てくるシエラレオネやソマリアといった「失敗した国」の生む悲劇を描いた映画として「ブラッド・ダイヤモンド」や「ブラックホーク・ダウン」を併せて観ると、より理解が深まるだろう。

またiPadなどがあるなら、"Gun Disassembly HD"というアプリによってAK47の分解・組立てと、その作動を体験できる。この銃の、誰にでも扱えるシンプルな設計思想がよくわかる。
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カラシニコフという世界で最も多く作られ、恐らくは最も多くの兵士や市民、農民、子どもを殺した銃を通して、現在の「武器だらけの世界」を描いてみせる。カラシニコフ銃を語ってはいるが、主題は、いかに多くの内戦、内乱、政変がアフリカを中心として現在も続き、多くの人々が殺されているかを「平和ボケ」した日本人に突きつける。開発者カラシニコフ氏、武器商人、少年兵、被害者などに国境を越え丹念に取材するという、オーセンティックな「新聞ジャーナリズム」の伝統的手法は決して古臭くない。丹念な積み重ねの取材方法、筆力に脱帽。買いやすい文庫本になったのがうれしい(松本敏之)
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2011年6月16日
とても衝撃的な内容でした。
カラシニコフのことよく知りませんでした。
ピストルと拳銃と機関銃の違いもわからないような
ものでして、ゆえにこの作品は衝撃的で勉強になりました。

私は2冊まとめて買いましたが失敗でした。
'Tは一気に読みました。
でも、もうこの辺で良いやと思いまして、
すぐに'Uをとる気にならないで
いるうちに'Uを読むのが憂鬱になってしまって
読めないでいます。

'Tを読んでから、まだもっと知りたいと思って
'Uを注文しても充分だと思います
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