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日本の税金 新版 (岩波新書)
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38人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 税金ほど身近でありながら、詳しい内容の知られていないものはないだろう。あやふやな知識でものごとを論じる程危なっかしいことはない。本書は、複雑怪奇な税制へのコンパクトな入門書である。著者は税制の専門家ではあるが、多くの本にみられるような、財務省の代弁者ではなく、比較的バランスが取れた内容である。

 日本の税制の根本的な問題は、所得税の大部分を納付しているサラリーマンが、源泉徴収と年末調整制度で、ほとんど税金への問題意識を持たない(あるいは持たせない)仕組みになっていることだ。また、税制を全体として理解しているとはいえない「専門家」がマスコミに出没して、財務省の意図に沿った内容を宣伝し、ますます国民の眼を本質から逸らしている。

 本書では、税制全体を戦後史の中で位置づけ、外国とも比較しながら、各税金の概要とその問題点を簡潔に説明している。個別の税金を詳しく調べる前に、本書を読むことで大きな流れを間違えなくて済む。また、現在話題の消費税についても、逆進性緩和の具体的な方法、および消費税が派遣労働を促進する恐れがあることなど、通常あまり議論されない問題点についても言及していて参考になる。
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2014年5月7日
所得税、法人税、相続税、消費税、地方税といった日本の主要な税金について、
導入の背景や意義、問題点を分かりやすく記した一冊。
普段あまり意識することのない税金ですが、おかしな部分も多々あることが指摘されています。

たとえば相続税。同じ3,000万円を相続するのでも、一族全体の遺産が3億円あり、
大いに遠慮してそのうちの3,000万円を相続するのと、3,000万円しかない遺産を全て独り占めした場合では、
前者が多額の相続税を払う一方、後者は税負担はありません。
また、4月から8%に増税した消費税でも、消費者は店舗でしっかり負担をしていますが、
必ずしも店側が全てを納付しているとは限らず、店側の益金となっている額も少なからずあります。
消費増税分は社会保障に回すと喧伝されていますが、こうした点は触れられていないのが実情ではないでしょうか。

このように普段あまり意識することのない税金の裏側まで非常に読みやすく書かれており、
税制に関心のある人にとっては読んで間違いなく損のない一冊だと思います。
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20人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
消費税率アップの是非を論じる前に日本の税制がどうなっているのか、どのような課題があるのか知りたくて読みました。現在の税制の体系を説明しながら戦後の税制の歩みや各国の制度もわかりやすく紹介されています。

憲法は変わったのに税制は戦前のまま継続したのであちこちに矛盾やほころびが出ており、不備を繕うために無理な補修を重ねてきました。その結果、税制は徴収する側に有利で国民の目線でつくられてはいないと著者は指摘しています。

たとえば酒税法。1950年にビールは「金持ちが料理屋で飲む高級酒」と高い税率を決めたのでアメリカの6倍もの税金を課している。その隙間を突いて発泡酒が出てくると政府は高過ぎるビールの税率を下げずに、発泡酒の税率を上げたのです。

また、基礎控除、扶養控除、配偶者控除は生活保護制度と同様に憲法25条の生存権を根拠としていて、かつては生活保護費と同額であったのが、引き上げを怠り38万円と低いまま置かれている、など随所に新しい発見がありました。
話題の消費税についてはその欠点である逆進性の克服策にまで言及しています。また低い税率を求めて海外へ転出する企業や富裕層に対して、各国が税率低下競争を繰り広げており、それが財政悪化を招いているとの指摘、それに対する著者の税制での国際的な協調の主張は時機を得ていると思います。

本来は富裕層が「小さな政府」=減税を主張し、中間・低所得者層が高福祉のための増税を言うはずなのに日本ではそうなっていないことに著者が抱く危機感に私も共感できました。

軽い新書が増えているなかで、さすが岩波書店。コンパクトでありながらずっしり重い内容がありました。
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2014年8月30日
 税金ってできればあまり関わりたくない忌まわしいイメージがありましたが、中年にもなってこの分野について何も知らないことに愕然として、あせりを感じつつ入門用に本書を読みました。

 難しすぎず、飽きさせず、一気に読み進むことができました。多くの下線を引きました。

(最近、法人税を下げろという声が喧しいけれど、)
●実は大半の会社は法人税を負担していない(62頁)

●消費税は福祉のために使うので高齢化社会のための税制だと勘違いしている人も多いが、本当の意味は所得税だけに頼っていると勤労世代しか所得がないために世代間の負担の不公平が生じることから、高齢化社会に対応して、高齢者にも負担してもらうのが消費税だ(114頁)

●消費税は派遣労働を税制面から促進してしまうので税率を引き上げるときは労働法制の方で適正な規制をしないと派遣労働がさらに増える可能性がある(116頁)

等、蒙を啓かれることが多く、読んでよかったと思っています。(終章の内容がとってもいいです。)

 本書の次に税制の詳細について書かれた本を読んでみようというやる気(?)にさせてくれました。ありがたい本です。
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2015年2月11日
本編は、1章から所得税、法人税、消費税、相続税、間接税等、地方税、国際課税の全7章で
それぞれ15頁~50頁ほど、コンパクトにまとめられています。

われわれが住む社会の根幹をなすもののひとつであり、実際に人々の関心が高いにもかかわらず
その基礎となる知識が十分に広まっていないもの、それが税金ではないでしょうか。

そんな現状であるがゆえ、行政、政治家、そしてマスコミなどからの様々な情報を正確に取捨できず
ますます税金に対する無関心が広がっている、そんな気がします。

しかし、複雑きわまる税金のシステムについてはどう学べばよいのか。
その点から、本書は質、量ともにとてもバランスが良いと思います。

制度の概要、問題点、背景などを、初学者が嫌にならない程度に解説しています。
(個人的には、やはり消費税についての解説が興味深く読めました。)

本書を一読するとしないとでは、ニュースの見方がまた違ってくると思います。
増税=悪、減税=善と反射的に考えてしまう方に、お勧めします。
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2015年4月27日
政治を語るには、税金のことを知らなければお話にならないことを教えてくれます。
代表的の税金を取り上げて、基本的な仕組みと問題点を知ることができます。
税金の仕組みを多少なりと知り、税金に対して積極的な意識を持つ納税者が増えることで、よい民主主義が育つのだと思いました。
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2014年1月25日
税金を俯瞰する。
それぞれ税目の歴史や背景、問題点などが網羅されており、税金の教養として押さえておきたい1冊だろう。
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VINEメンバー2012年9月14日
まったく自分の無知を痛感した一冊。

日本人(あるいは日本に住む外国人)は税金は「取られる」モノであり、「預ける」モノではないという現実を三木さん(1950−)はとつとつと綴る。
自分たちの納める(預ける)税金の使い道は主権者たる国民が決めるはずであるが、主権者に選ばれたはずの政治家が霞が関官僚らと、あるいは種々な業界、またあるいは外国からの圧力の中で使途が決められている。
そんな状況をしっかり国民として監視して透明性の高い情報公開というシステムを作り、逆進性や不公平感の少ない税制にしなければいけないのだろう。

いくつか気が付いた点を備忘録的メモ
サラリーマンと事業所得者間に横たわっている現行所得税法の差異を改める必要(サラリーマンが税制について知らなさ過ぎである事実)
法人税を負担していない実態。
給付付き消費税額控除を導入して、消費税の逆進性対策に取り組むはずだった民主党(結局子供手当だけ)
消費税率を引き上げるときには、労働法制の方で適正な規制をしないと、派遣労働がさらに増える可能性。
制度疲労の税制:相続税(回避しようとする抜け道)、国境を越える税制の違いを利用した節税・脱税
           酒税の不思議(ビールは高級酒?

ト―ビン税(通貨取引税、投機的通貨売買に課税)して国際連帯税創設(低開発国の開発資金に提供)
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日本の複雑でわかりにくい税制を一つ一つ問題提起し、それをどう考えていくべきかを切れ味よく丁寧に提言をしていくのが本書である。

(所得税)
所得税納税者の大多数を占めるサラリーマンが、源泉徴収・年末調整・確定申告不要という制度の下で、納税者意識が、どうしても希薄になりがちだが、納税者意識を自覚するためにも、サラリーマンにも法定の給与所得控除に替えて、給与に対応する支出を、広く必要経費と認める規定を設けた上で、実額控除を適用できるようにしてはどうか?!などの提案が、著者からなされている。
税金問題=政治に、もっと深い関心を抱いてもらうためにも、国民の大多数を占めるサラリーマンに、納税者意識を強く持ってもらいたい!という著者の気持ちは、私にも十分に伝わった。

(法人税)
日本の法人税率は、国際的に高いのだろうか?!
ヨーロッパのアイルランドでは、税率が2008年度には、12.5%にまで引き下げられ、今や世界中で法人税の引き下げ競争が始まっている。
グローバル経済下での法人税対策は、もはや一国単独で行っても何の効き目もない。
税の割引競争は、結局、各国の税制の首を絞め、最後は税をとれないことになる。
ここは、世界中の国々が一致団結して、法人税率を一定水準以上、下げないような大改革を行うことも必要なのではないか?!と、私は思う…。

(消費税)
消費税では、消費者の痛税感の刺激を和らげるために、財務省は、2004年から内税方式(総額表示方式)を強制することにし、税率アップへの布石を既に打っている。ちなみに、内税方式に切り替えれば、ビールのように40%以上の税負担でも、消費者は税負担を自覚しなくなるからに他ならない。
また、生活必需品等に軽減税率を導入するといった消費税の複数税率化問題や、低所得者層に一定の税額を還付する、給付つき消費税額控除についての説明がなされ、いかに逆進性を解消するかについてが語られている。
今、現在、日本の税収の約半分にあたる所得税・法人税を上げようとすれば、富裕層や大企業は、居住地をタックスヘイブンに移してしまう。結局は、消費税などの徴収しやすい税目が、上述のように、検討に検討を重ねられ、狙い撃ちされるのは、当然の流れなのかもしれない。
その他、相続税・酒税・たばこ税・自動車関係の税・事業税・固定資産税などについてが、詳しく語られているが、興味がある方は是非、本書を読んでいただきたい。

皆さん、税金は、“取られている”と感じているだろうか?!
私も、“取られている”と感じている中の一人である。
それは、当然、現在の政治に根強い不信感があるからに他ならない!!
しかし、著者曰く、「いつの日か、政府が信頼されて、“税金”とは、国民のためのものだという実感が得られたときに、はじめて、税は“取られる”ものではなく“預ける”ものに、気持ちが変化するだろう…。」と綴られている。
正直、上述のような考えは、あくまで理想論だろうが、すべての日本国民が、日本国を我々の力で変えていくんだ!という強い当事者意識を持ち、選挙権を与えられた私たちの清き1票によって、我々が納めた税金の使い道を決定する政治家を厳しい目で選んでこそ、本当の意味でこの国を動かすことになるのではなかろうか?!
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2014年1月10日
税金にまつわる仕事をしていますが、とてもわかりやすく説明された本です。税金について知識のない方でも十分に理解できます。この本に書かれている事をしっかりと子どもたちに教えていくべきだと思います。
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