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18レビュー
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28 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宮崎駿はいい話をするなあ・・,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
日本の国民的アニメ監督・宮崎駿さんの読書案内本(岩波少年文庫限定)。「宮崎駿の選ぶ岩波少年文庫」という企画で、紀伊国屋書店さんで配られていた無料冊子をベースにして文庫化に当たって新たに大量加筆したのが本書です。冊子をもらい損ねて臍をかんでいたので(それでも宮崎さんの選んだ50冊のうち未読のものを数点購入して読みましたが)今回の文庫化は嬉しい限り。宮崎さんの印税収入に貢献すべく、本書は図書館で借りずにちゃんと新品で買いました(まあ雀の涙なんですが塵も積もれば何とやらです!)。本書は前半部がカラー印刷で、宮崎さんの選んだ岩波少年文庫50冊が紹介され、後半部では幼少時から今に至るまでの宮崎さんの読書体験や、児童文学の挿絵論、日本児童文学界の恩人・石井桃子さんらについての思い出、アニメ『アリエッティ』の話、また今後のスタジオジブリアニメ製作計画、本好きの小さい友人の話、そして3・11後の世界について語られています。 個人的には、『ねぎを植えた人』や『小公子』(脇明子さんによる新訳が出ました、ばんざい)『三銃士』『チポリーノの冒険』『地下生活者の手記』などに対する宮崎さんの感じ方に非常に共感して、「そうですよね!!」と嬉しくなりました(ドストエフスキーを読むと自分を解剖されている気がして恐いからなかなか読めない、という気持ちがよく分かるという方は多いでしょう。私も『地下生活者の手記』は苦行でした。なんでこのロシアのおっちゃんこんなに人の心見透かせられるのかと怯えたものです)。『小公子』は現代では「子供を理想化しすぎている」と批判的に見られることが多い作品のようですが、バーネットは思想的に浅い作家ではないですし、そういう見方をして終わりにしてしまうのは勿体無い作品だと思います。今回の岩波少年文庫での新訳発売は、セディのいちファンとして非常に嬉しいです。 ともあれ、人に対する優しい眼差しとワクワクする好奇心をこのお年まで持ち続けていられる宮崎さんの言葉は本当に瑞瑞しくて、そしてほっとします。勿論時代に対する鋭い感覚や知性を持っておられるし、仕事に関しては厳しい面もおありでしょうが、この人は<切り捨ててしまわない人>だなあと思います。 文章も平易で読みやすく、すぐに読了できますので、ぜひご一読ください!
31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
持っているだけで楽しい本,
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Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
宮崎駿氏が岩波少年文庫からお勧めの50冊を選び紹介。あわせて本への、震災後の世界についてのエッセイを収録している。岩波少年文庫から多数の挿絵を収録し、アニメーターらしく挿絵についての意見を述べているが、その挿絵一つ一つが楽しく解説とあわせて読むと楽しくなってしまいます。 3.11後の世界について、「この20年間、この国では経済の話ばかりしてきました。まるではちきれそうなほど水を入れた風船のようになっていて、前にもあとにも進めない。何時破裂するのかヒヤヒヤしながら、映像やらゲームやら、健康やら、年金を心配したりして、気を散らしながら、けっきょく経済の話ばかりしてきました。」 「不安だけは着々と膨らんで、20歳の若者も60歳も区別がつかなくなりました。そして、突然歴史の歯車が動き始めたのです。生きていくのに困難な時代の幕が上がりました。破局は世界規模になっています。おそらく大量消費文明のはっきりした終りの第一段階に入ったのだと思います。風が吹き始めた時代の風とはさわやかな風ではありません。死をはらみ、毒を含む風です。人生を根こそぎにしようという風です。」と概括しています。しかし同時に、次の時代を作り、次の文化を作るのは、宮崎氏が本選びで戦っている少年たちだと、若い子供たちに強いエールを送っています。 僕は、自分の子供にどの本を選んでやろうかなと思ってこの本を手にしましたが、同時に自分でも読んで見たいと思う本をいくつも見つけました。貴方は、この50冊のうち、何冊を読んでおり、どの本を子どもに贈りますか。 色々と考えると楽しい本です。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
火鉢の中の炭のように,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
本作で紹介されたいくつかの岩波少年文庫は僕も昔に愛読した。本作を読んだことで子供時代の自分の読書経験を顧みるきっかけとなった。僕も本書で紹介されている「やかまし村」「海底二万里」「ムギと王様」「ドリトル先生」等は それこそ繰り返し読んだものだ。その他岩波少年文庫以外も含めて、あの頃は良く児童文学を読んだ。僕にとっての児童文学の頂点は中学三年生に読んだ「指輪物語」だが、それらの読書体験が中年になった僕にとって依然として大きな財産になっていることを本日思い知らされた思いがした。 年を重ねるということは中々楽しい。現在の中年の僕は中学三年生の頃の僕には分からなかったことが分かるようになった。その「分かったこと」の中には「自分には出来ないことが余りにもたくさんある」というような、苦みを帯びている認識もある。「何かを得ることは同時に何かを失うことだ」ということも、人生を振り返って感じることだ。おそらく、これから老いを迎えるにあたって 更にそうであろう。 そんな中で 説明しにくいが、児童文学にはある種の「温かみ」があり、それが現在の自分自身の心のどこかに残っているという感じだ。そうしてそんな「温かみ」は、今なお僕自身の心を温めつづけてくれている。火鉢の中の炭のように。 そんな気がしてきた。 思えば児童文学を読んでいた時は「世界は面白そうだな」というわくわくする思いだった。本書で宮崎は児童文学を「生きててよかったんだ、生きていいんだ、というふうなことを、子どもたちにエールとして送ろうというのが、児童文学が生まれた基本的なきっかけだと思います」と言っている。これは正に子供の僕が当時漠然と感じていたことだったのだと思うし、それが今に燈り続ける「炭のうっすらとした赤さ」なのだろう。 宮崎の作る映画も「生きててよかったんだ、生きてていいんだ」というメッセージに満ちているとしたら、彼の出発点にも児童文学があったに違いない。それが最後の読後感である。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宮崎駿は子供目線で時代と格闘している,
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どんなに時代が暗くなっても、子供にはエールを送りたい、「生まれてきてよかったんだ」と。そんな本が一冊あればいい。たくさんの本を読む「必要」なんてない、と宮崎さんは言う。そういえば、『崖の上のポニョ』を作る前も子供が幼時に見て大切に思える映画が1本あればいいと発言していました。「挿絵の魅力」に触れているところで、私のいちばんのお気に入りは109頁の「ヒキガエルの後ろ姿」です。挿絵は多くの人々を楽しませましたが、映画が出現し、テレビが広まり、携帯画像を転送できるようになるほど、画像が画一化して、現実に個人が見聞きできる世界は縮小してしまった。『となりのトトロ』が、テレビの出現によって終わってしまった時代、子供たちにトトロが見えた時代を描いていたことに象徴されるように、膨大な音とCGで描かれる物語は、子供の想像力を限定してしまうのだ。宮崎さんの短編『たからさがし』のように音や絵や動きを減らしながらも豊かな映画をどう作れるのか、それが宮崎さんの課題だという。理想が喪失した現代、私たちが探すものも同じ方向にあるのだろう。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
50冊の岩波少年文庫―温かな“依頼状”―,
By カナブンとスズメ (空想の世界) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
本書は二部構成で、第一部は宮崎監督が選んだ50冊の岩波少年文庫の推薦・書評です。監督自身が読んだ作品から読んでいないけれでも他の人が おもしろいと言ったから選んだ作品が登場します。 第二部は前半(3.11前)と後半(3.11後)に分けられ、 前半は監督と少年文庫など児童文学との出会いや 翻訳のすばらしさ(特に石井桃子さん)や挿絵の魅力を取り上げ、 子ども時代に大事な一冊を見つけて夢中になれば 「この翻訳はおかしい」と言えると述べています(146頁)。 そして第二部後半は3.11後の心境について語り、 敗戦ではなくこれから本当の破局が始まるのであって、 この現実を見ていないのが現実であると。 そして、今ファンタジーを今は自分はつくれず、 自分は何をつくれるのかと問う日々が続いているが、 しかし、新しいファンタジーをつくるのは、 今本を選んでいる少年・少女たちである、と。 岩波少年文庫のお薦めの50冊と児童文学の面白みについて語られた 宮崎監督から小さい後輩たちへの温かな“依頼状”です。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一枚の挿絵に心を奪われた,
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『本へのとびら――岩波少年文庫を語る』(宮崎 駿著、岩波新書)を、思わず購入してしまったのは、一枚の挿絵に心を奪われたからである。幼い少女が、本が詰まった天井まで届く大きな本棚を背にして、大きな本に腰掛けて、顔を本に埋めるかのような恰好で読みふけっている絵である。床にも出窓にも本が積まれている。これは『ムギと王さま』という児童書の挿絵であるが、宮崎は「この人(エドワード・アーディゾーニ)の描く愛らしい絵は、幼児の世界にぴったりです。こういう風にペンで描くのかと参考になりました。後の時代に出てくるペン画のようにギスギスしていないんです」と述べている。私の好きなアニメーション映画「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「借りぐらしのアリエッティ」「コクリコ坂から」の作者が語る児童文学の世界に興味を惹かれ、この本を手にしたのだが、著者の「本を読むから考えが深くなる、本を読むと立派になるかというとそんなことはないですからね。それよりも、子どものときに、自分にとってやっぱりこれだという、とても大事な一冊にめぐり逢うことのほうが大切だと思いますね」という意見に共感を覚えた。 そして、これまで読んでいない『ムギと王さま』『長い冬』『キュリー夫人』を、無性に読みたくなってしまった。
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5つ星のうち 4.0
宮崎駿氏らしい児童文学への視点,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
言わずと知れた、世界的なアニメーター宮崎駿氏が、2010年に上映された「借りぐらしのアリエッティ」の原作である「床下の小人たち」が岩波少年文庫であることと岩波少年文庫60周年をきっかけとして、数ある少年文庫から50冊を選び、小冊子としてまとめたことをもとに作成された書籍です。本書は、選択された50冊の宮崎駿氏からの紹介(自筆で書いたらしい)、そして宮崎駿氏と児童文学との関わり、2011年3月11日以降に感じたことの3つのパートから構成されています。 全編を通じて、宮崎駿氏らしい語り口、切り口が読んでいて楽しい。 これを読むと、宮崎駿氏が児童文学からいろいろな影響をうけていることがわかります。挿絵についての言及が非常に多いのも特徴かもしれません。さすが自分でコンテを描く方ですね。その視点も、非常に細やかなところに目がいっていて、話を読んでいると「なるほど!」と感じることばかり。 たしかに、氏が話しているように、現在では写真やイラストなどがどんどん自分で手軽に撮影し修正できるようになった分、こういったプロフェッショナルの挿絵師が描くものについて、細かいところまで見る目が失われているのかもしれません。 また、子ども達に対して「1冊の本が見つかるきっかけになれば」という気持ちで本を選択し、全てを読む事を期待していないという発言もありますが、本ばかり読む事を良しとせずに、外に出て遊ぶことの大切さも認識している氏らしい発言だと思いました。 このように、鉛筆でアニメを書き続けようとする宮崎駿氏ならではの視点から語られる児童文学の世界は非常に魅力的です。 大人になった自分も、あらためて子どもに残すとしたらどんな本か?といった視点で読みたくなりました。 面白い本です。
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5つ星のうち 5.0
面白かったですよ。,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
なんて言ったらいんだろう。宮崎駿さんは素敵な人だ。きっと繰り返し繰り返し読むだろう本がずらりと並んでいる。本ってすばらしんだって思える素敵な一冊です。
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5つ星のうち 5.0
未来への責任と力を与えてくれる本,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
読んでとてもよかった。政治、経済、環境に閉塞感が漂う。 人びとは1円、10円単位で物事を考えるようになり、来るべき悲劇的世界から目を背けているようである。 時代の子どもへ力を与えることなく、目先の自分に集中するばかり。 著者はそのような我々に喝を与え、なんとか次世代への子どもへ希望を残そうと奮闘している。それが本書からにじみ出ている。 私たちは未来を子どもに託さねばならない。しかし、その前に、子どもに生きていく力を残さなければならない。 著者はその未来への責任と、それを決意し行動する力を本書から与えてくれる。 読む価値がある本である。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本へのとびらとして50冊紹介があるのはよかった。,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
談話室の「岩波新書のお勧め」http://booklog.jp/q/3788で紹介していただいて手に取りました。 本へのとびらとして50冊紹介があるのはよかった。 しかも「自分の一冊にめぐり逢う」という紹介の仕方。 3.11について触れていて 「コクリコ坂から」を完成させるかどうかの議論があったとのこと。 カレルポラーチェク「ぼくらはわんぱく5人組」 ジェイムズジョイス「ダブリンの人びと」 テレビ「水戸黄門」 小津安二郎「青春の夢いまいづこ」 中川「たからさがし」 バーネット 小公子 オルコット 若草物語 ドッジ ハンスブリンカー 鈴木三重吉 赤い鳥 芥川龍之介 杜子春 あらしの前 あらしの後 などなど作品を紹介しながら、明日の子供への伝言が伝わる。 |
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本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) 作成者 宮崎 駿 (新書 - 2011/10/21)
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