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9レビュー
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有用性の高い順 | 最新のレビューから
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
海への愛着を持ち続けそれを昇華させた船長の驚嘆すべき書,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
日本は海国と言われるが、海洋文学の傑作と言えるようなものは極めて少ない。その中で燦然と光る一冊が上梓された。本書は事実に基づいた極めて独自なものがあり、内容が深くて広い。幼少時における船員への憧憬から、訓練所、処女航海、船長への道、漁労母船乗船時の逸話、ドック中の阪神大震災遭遇時のハプニング、そして長丁場となる深海調査業務の日々、全章を通じて感動のドラマが詰まっており、実に平易な語り口ながら、著者石田船長のバランスの取れた経験と知識が絶妙に統合され、文字通り「愛する海」を賦活する魅力に富んだ仕上がりになっている。 深海調査とはいかなるのもか? 特に、熱水噴出孔の探索・発見に至る過程は圧巻で、蒼茫たるインド洋の深海ロマンと一触即発の緊張を宿し発見間際のアプローチ、遂に発見、歓喜、想像を絶する深海の真闇の中へ進む様は、神秘的でスリリング、且つ、作業の透徹した厳しさが生々しくリアルに伝わってくる。 南半球のタヒチでのたまさかの出逢いに始まる、81歳のヨットマン畑下さんとの邂逅、以後の「海の友情」は、著者の真率で端的な表現に互いの心の絆の本質が託されていて、同じく海一筋に生きてきた小生にも一入で、通読中何度も込み上げてくるものがあり、鮮烈な感動を受け、涙した。 久しぶりに心が洗われ、まさに胸に沁みる作品に出合った。 畑下さんの言葉「上を目指して、一歩一歩、進んで行かなければならない」の至言は、即、著者の貫かれた生き様に重なり、本書後半の本題と感じられる。 静かで深い哀感を伝えて終わる最終章は印象的である。 本書は単なる「海洋物」とは異なり、各章に流れているものは「海への深い愛着」であり、船員を天職とする著者の誇り高き姿が綴られている。 随所にコラムとして海の一般知識も織り込まれている点も親しみやすく、若い世代の人たちに海の上だからこそ味わえるドラマチックな舞台を湧き立たせる本書を是非読んで頂きたい。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
世界一の経歴を持つベテラン船長の不思議な体験,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
筆者石田船長は、僅か15歳で初航海を経験し約50年間ずっと海上での勤務を続けてこられたギネス物の船乗りだ。貧しいが心豊かな家庭で育った船長が何故、船乗りを選んだか?「海へ 船乗りという夢」、蟹工船の流れをくむ、今や日本から絶滅してしまった北洋・南氷洋での母船式漁船団などでのエピソード「海はフシギでいっぱい」、奥尻島の津波調査、阪神淡路大震災などでの経験は、船長の運命としか言いようがない。また、同本の主題と思われる最終章「太平洋の不思議な出会い」は、よく出来たサスペンスのような本当に不思議な実話である。特に余韻を残す結末は秀逸。どの章にも通じる、現代人が忘れつつある愚直な人との付き合いと、大自然への畏敬の念は爽やかであると共に新鮮である。 文中何度も船長自ら語られているが、四方を海に囲まれた日本は船無しでは成り立たない国である。しかし、現状は外航船員に日本人は殆ど居なくなり、この日本の食糧・エネルギーはフィリピン人を中心とする外国人船員達に委ねられている。本編は、もう一度日本の若者達に「海」そして「船乗り」を目指して欲しいという、現役を去らざる負えない偉大な船乗りの切実な心のこもったメッセージである。 是非、これからの若者に読んで欲しい素晴らしい本だ。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
海という人生,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
この本を読み始めたら最後まで一気に読んでしましました。人を船にその人生を海に例えたりしますが、15歳から海とともに生きてきた石田船長はまさにそのものです。船長としての数々の功績や貢献もすばらしく、その中で海に導かれる様に出会った自然の驚異や不思議、そして人々との出会いの中に控えめな表現ながらも船長の海や船それに係わる人々への深い思いがひしひしと伝わって来ます。老ヨットマンとの交流は同じ海で生きる者の強い絆に感動しました。読み終えた後には少し切ない気持ちとともに海を見に行きたくなる1冊です。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
海を愛する人間はみな善人,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
「愛する海」を読んで先ず感じたのは、酷暑の中で冷えた清涼飲料を飲んだ後のような、さわやかな気持ちになったことです。その理由は、石田さんの一途なそして清浄な生き方が、全編にわたり見えたからだと思います。ヘミングウェイの「老人と海」にでてくる、漁師サンチャゴを思い出しました。彼はただひたすら海とともに生きた人間で、老いたある日、大変な格闘の末巨大カジキをしとめたのに、帰路、何度も飢えたサメに襲われ、漁獲物を食いちぎられてしまいます。(私には、これらサメがある種の人間に思われるのですが)帰港後、疲れ果て小屋で眠っている彼には、悔しさなどなく、若き日に外航船の船員として乗船、アフリカ沖を航海中に見たライオンを夢に見ていたのです。人間とって物や名誉などよりはるかに貴重な財産は、たくさんの思い出なのだと思います。石田さんも若き日に世界の海を航海し、たくさん苦労した結果、同じ量の思い出を持っているのだと思います。この「愛する海」はそんなことを教えてくれる本なのです。
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5つ星のうち 5.0
素晴らしきかな航海記,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
石田貞夫さんとは仕事を介して20年来のお付き合いをさせて頂いており、海洋調査船等の船長として来社された際に、航海記をお伺いしておりました。特に、阪神・淡路大震災で被災されました件は、記憶が鮮やかに甦りました。石田船長(当時)をはじめ乗組員の方々には、ご苦労・ご迷惑・ご不便等をお掛けしたにも関わらず、一切のご不満も仰らず弊社にご協力頂きました。手足を'がれた状態の弊社に対しまして、生活面でのご要望なりご要求を仰せつかっても何も出来ない状態でしたので、皆様のお心遣いは身に沁みて有り難いものでした。また、老ヨットマンとの出会いから別れまでの件は、船乗りでないと経験出来ない貴重な出来事だと思います。感動しました。
5つ星のうち 4.0
海とともに生きた、叩き上げの人生,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
船の知識がない私にとっては、後半部分の、81才のヨットマン畑下さんとの出会い、奇跡的に再会を重ねたこと、ちょうど一年のお付き合いの経過などが実にドラマ チックで面白かった。読み終わり、まるでちょっとした映画を見たような気持ち にさえなった。 畑下さんは、海の匂いが好きだと言った。その海に抱かれて死ぬことを求めて 最後の航海に出たのではないか。もしそうだとしたら、本懐を遂げたのだろう。 その畑下さんとのやりとりで、著者、船長の大きな人柄も透けて見え、読後感が さわやかであった。
5つ星のうち 5.0
生き方について深く考える一冊,
By kubinaga (南関東) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
研究者として駆け出しの頃からお世話になった石田キャプテンがご勇退にあたって上梓した一冊。中には、調査を終え入港を控えた前夜に伺った思い出、ご自身の経歴もあれば、思わしくない海況で船橋に繁く通うなかで、消沈する駆け出しに噛んで含めるように「揺れは揺れでも地震の揺れってのはですねぇ」と語って下さった顛末もある。関係者がまだ現役のためのご配慮か、その場に立ち会った筈の人間をあたかも存在しなかったかのように綴る一節もあるが、それも「全てを一身に負う」船長を長きに務められた自然な姿勢かも知れない。本書の後半は2004年に出会った一人の人物との交流に割かれる。キャプテンをして一書をまとめてまで書き残すことを決意させたこの出来事は、現代日本の価値観とは相容れない側面もあるやにおもわれる。しかし、訥弁を自認するキャプテン――むしろ話し好きとして知られているやに思うが――が、一大決心をして敢えて書き記した先人の生き様を、我々後に続く世代も噛みしめてよいのではないだろうか。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
買った、読んだ、泣いた,
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レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
書店でふと手にしたこの本、買って読んで泣いた。子供手当、授業料無償化、その是非について種々議論がある。この際、決まった事をとやかく云うのは止めておく。同じ税金をばらまくなら、この本を、全ての子供を持つ親と、高校生、大学生、全国の図書館に配って欲しい。岩波一人が儲かるのは怪しからんと、文句が出るかも知れない。そうではない、本書に限らず、お上の推奨する良書を、個人や図書館に配れば、出版業界の活性化になる。官にとっては微々たる出費で、民も賑わい賢くなる、一挙両得の名案!日本の輸出入の99%以上が、海運に依存している事実を、どれだけの国民が知っているか?本書を読んだ若者が、海と船乗りに関心を持って欲しい。しかし、関心を持ったから船乗りになりたいと思う程、若者は単純ではない。 日本が貧しかった頃、船乗りは外国に行ける、食うに困らない、それなりの給料が貰える等、魅力があった。今は、アルバイトで小遣いを稼いで、外国旅行やグルメを楽しめる。3Kは敬遠されると云うが、魅力があれば若者は飛び付いて来る。日本の物流を担う船乗りに、社会が尊厳と名誉を与える、そう云う仕組みを作れば、自然に若者が集まって来る。金だけで、若者を釣ろうと考えるのは浅薄である。 陸上では既に失われ、船に厳然と残っているのが階級制度である。船が、陸上と隔絶された閉鎖社会である以上、この制度は今後も続くだろう。船上では、全ての責任が船長に掛かっている。石田船長は、15歳で最下層のボーイから、船長迄上り詰めた努力の人である。船の世界には、今でもこの様なチャンスと夢がある。 例えば、秋葉原辺りを徘徊する若者を集めて、海と自然の驚異を体験させ、技能を訓練する。若者に働く機会を与え、社会にも役立つ素晴らしい考えではないか!何処かのマニフェストに、謹んで提案する。 石田船長と、孤高のヨットマン畑下さんは、失われた原日本人である。両者の出会いと別れは、将に本書の圧巻である。海上での度々の再会は、偶然以上のものを感ずる。本書を映画化すれば、中年以上は勿論、若者の涙を誘う事、疑いない。
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5つ星のうち 4.0
市井の人の書いた素晴らしい「私の履歴書」です,
By 後期中年男 "桃太郎" (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 愛する海――船長50年の航海記 (単行本(ソフトカバー))
人が感銘する書は、必ずしも名文である必要はないということを教えてくれるのが本著です。船長としての50年間、それが著者の人生そのものです。その人生を語る時、自分を美化することなく、自分の弱いところ、意気地のないところを荒削りの家具のような文章でトツトツと書いているところから湧き出る言葉のパワーに圧倒されます。本著の後半は、老いたヨットマンとの出会いから別れまでの話です。彼との出会いから別れまでの1年間は、本当に不思議なめぐり合わせの連続です。著者がトワイライト・ゾーンにその1年間踏み入れたようです。ヨットに興味がある人は勿論、ない人にとっても楽しめる内容の話です。週末に読むと心が癒されます。 |
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愛する海――船長50年の航海記 作成者 石田 貞夫 (単行本(ソフトカバー) - 2010/8/5)
¥ 1,995
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