内容紹介
無実の男を襲う、都市生活の悪夢。実話を元にヒッチコックが描く、警察への警鐘をこめた傑作サスペンス。日本語吹替え収録の初DVD化。
【映像特典】
Guilt Trip: Hitchcock and The Wrong Man (約20分)
《監督》 アルフレッド・ヒッチコック
《原作・脚本》 マックスウェル・アンダーソン
《出演》 ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ
Amazon.co.jp
ヒッチコック監督お得意の“巻き込まれ型”サスペンスなのだが、今回はいつもとちょっと違う。実話をべースに、強盗の容疑をかけられたベースの奏者が、無実の罪を着せられてしまう。ついに彼の妻は精神を錯乱させてしまい、貧しくとも平和だった一家は崩壊してしまう。
ヒッチコックのサスペンス映画にしては珍しく、主役となるのは庶民であり、それも借金に苦しむ家庭の主である。そこには国家レベルの陰謀も、秘密兵器の設計図をめぐるアクションもない。ひとりの男が、ある日突然嫌疑をかけられたことで、すべてを失い社会から抹殺されそうになる、その危機感。犯罪がいかに人の一生を狂わせるか、そのプロセスを描いた異色のサスペンス映画。そのため真犯人は最後のぎりぎりまで姿を現さず、カメラはヘンリー・フォンダ扮する一市民と彼の妻(ヴェラ・マイルズ)の狼狽ぶりを淡々と追いかけていく。最終的に主人公の疑惑は晴れるが、妻は精神を病んだままというラストが苦い。(斉藤守彦)