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シン・レッド・ライン [DVD]
 
 

シン・レッド・ライン [DVD]

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 『地獄の逃避行/バッドランズ』『天国の日々』のたった2本、けれども映画史的傑作を残して、謎の沈黙を続けていた伝説の名匠、テレンス・マリック。その天才監督が20年ぶりに発表したのは、太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島が舞台の、生と死の叙情詩だ。
   原作は、『大突撃』として映画化もされたジェイムズ・ジョーンズの同名小説だ。ハーバード大で学んだ哲学に、近年はパリで教える側として親しんでいたマリックらしく、戦争への内省的考察を独特のモノローグを多用して描写した。無謀な作戦で死んでゆく兵士たちと、島の人々や自然の豊かな表情、夕暮れどきのマジックアワーの崇高な光などを対置し、神の視点で人間の蛮行をとらえてみせた。ショーン・ペンをはじめ、豪華スターが進んで参加。また、日本兵役で光石研、水上竜士らが出演しているのにも注目だ。(轟夕起夫)

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

1942年、日本軍が待ち構えるガダルカナル島に上陸した米軍C中隊は、日本軍の猛反撃に遭った。彼らは、生と死の境界(シン・レッド・ライン)をさまよっていく。兵士たちの極限状態を描く戦争アクション大作。スーパー・ベスト・プライス。

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5つ星のうち 5.0 妥協なき映画, 2003/11/22
 これほど妥協なく、誠実に撮られた映画もそうはない。もちろん、日本兵の描写には奇妙なところもあったが、日本兵役の俳優をわざわざ日本から呼び、しかも日本兵に日本語を喋らせ、決して悪役風の喋り方をさせなかったことからして、この映画が「日本=悪」などといった図式とは完全に無縁であることはあきらかだ。しかもこの映画では、アメリカ兵は英語で喋り(吹き替え版で観た場合だとどうなのかは知らないが)、南洋の人々も登場して彼らの言語で喋る。一つの映画に三カ国語が出て来るのは、かなり珍しい。そして多言語が出てくることが、この映画の重要な礎石をなしている。

 以前『ロードショー』で読んだのだが、テレンス・マリックはアメリカ兵と日本兵が対峙し語りかけあう場面の撮影の際に、相手(敵にして異邦人)の兵士が異国語で喋る言葉の意味を俳優に教えなかったという。おそらく彼は、俳優の演技に、異国語での相手の言葉を理解したかのようなリアクションが現れてしまうことを恐れたのだろう。俳優も、その俳優が演じた登場人物も、敵の異国語を理解しない。それが敵兵同士の対話に独特の重みと雰囲気を与えた。例えばアメリカ兵が鷹(或いは鷲)を指差しつつ日本兵に話しかける場面では、その日本兵はいま自分が置かれた状況から敵兵の言ったことのニュアンスを感じたに過ぎない。そしてそれに続く日本兵の「お前もいつか死ぬ」との言葉にせよ、また他の場面にせよ、日本語で語られた言葉はアメリカ兵には通じていないのである。
 「異言語」を象徴として描き出される、争いと誤解。テレンス・マリックはその只中を、言語の違いを越えて南洋の人々と親しみあった兵士を主人公にして行きめぐらせる。そこから紡がれる数々のエピソードには、何らの妥協もない。その妥協のなさ故に、この映画は傑作なのだ。

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5つ星のうち 5.0 How was he motivated ? - なぜ人のために働くのか, 2004/1/2
落ちこぼれ兵士の主人公は、事ある毎に、部隊を抜け出しては、土着の子供と美しい海で遊ぶ、普通の青年。自由を愛し、組織にとらわれない今時の青年が、経験を積んだ上司に諭され、仲間と危機を共有するうちに共同体に帰属意識を抱き、その中で責任感を育み、仲間と部隊を守るために、極めて自然に自らを犠牲にするに至る。

 これが、戦場でなく普通の職場であったなら、青年が成長し大人になる過程で身に付けていく、社会や組織に対する愛着から生じ、義務感や責任感といったものに由来する行為で、賞賛されこそすれ、殊更問題にされることはないのだろうが、作者は、帰属意識や愛着を盾にして個人に犠牲を求める組織を厳しく批判する。

 会社の中で、責任感から同僚と仕事場を守るため、一身を犠牲にして日夜働くアナタのための作品。本当に守らなければならないのは、会社でも仲間でもなく、あなたとあなたの家族かも知れない?

  ひたすら自分の威厳を保つことしか考えない駄目上司のミスから、侵攻してくる日本軍の大部隊の前に孤立してしまった部隊と仲間。危機的な状況が理解できない者、ミスを恐れる余り判断力を失った部隊長、残される家族のために危険を冒せない者、まともな判断力と行動力を示せる者は、極僅か、自分がやるしか方法がないと悟った途端、主人公は気だるいような責任感を感じる。帰属部隊を救うため自ら囮となり、進軍する日本軍の前に踊り出る主人公は、部隊を逃がすため奔走し、捕まった時には、死の恐怖よりむしろ、達成感を感じる。この場面、必見。

と、ビデオ版にも書きました。最後、新任の将校の演説が部隊を家族に例えて「自分が父親で、部下は子供」というのを聞かせながら軍曹に「嘘だ、騙されるな」と言わせるのは、結局、戦争でも人生でも口車に乗って死んだらお終いってことでしょうか。

何で見たかは、忘れましたが、アメリカで「印象に残る戦争映画トップ10」(2003年末調べ)の堂々2位を獲得してます。

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18 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 涙があふれてしかたない作品、大傑作。, 2003/11/26
By 鯉のぼる (カリフォルニア州サンフランシスコ) - レビューをすべて見る
最初に言っておく。活字が苦手な人は、この映画には向いていない。見るがわにだって向き不向きはある。人間の内面を追求する「純文学」に親しんだ人に最適。起承転結のあるストーリーがないとダメな人は、退屈なだけかもしれない。「この世とは何か?」という疑問に少しでも近づきたい人におすすめ、というといいすぎだろうか?

全身全霊で、生死の境目を生きる男たちの心象を歌い上げた、美しすぎる奇跡の映像詩である。もちろん「反戦」というテーマもあるだろうが、より深い、「人間とは?」、「生きるとは?」、そういった哲学的なテーマこそこの映画の底流。また、それこそが「反戦」のもっともダイレクトなメッセージかも知れないが。「プライベート・ライアン」だけが反戦映画ではないということだ。

伝説的な映画監督が20年ぶりにメガホンを取るということで、どえらい面子が集結している。ショーン=ペン、ニック=ノルティ、ウッディ=ハレルソン、ジョン=キューザック、ジョージ=クルーニー・・・エイドリアン=ブロディも出ている。そんな中でもジム=カヴィーゼルは表情が素晴らしかった。また、ハンス=ジマーの音楽が、力強く、それでいて抑えられていて心に響く。サントラもおすすめする。

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