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経済はナショナリズムで動く
 
 

経済はナショナリズムで動く (単行本)

中野 剛志 (著)
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ここ数十年、日本はグローバリズムという「幻想」のもと、構造改革を進めてきた。
しかし、それこそが「亡国への道」であった――
アメリカ発金融恐慌の様相をみせるなか、ジャーナリズムや論壇では、
「グローバル化は終わる」という論調が出はじめた。しかし、実は「グローバル化」自体が
ナショナリズムから生まれたものであり、ナショナリズムこそが
経済発展に欠かせない要素なのである。日本において「ナショナリズム」という語は、
偏見や誤解に満ちている。しかし、「ナショナリズム」で世界が動いているのが現実である以上、
日本はいち早く「ナショナリズム」を正しくとらえなおさねばならない。

現役経済産業省官僚である著者が、現場での実体験と、従来から
蓄積し続けた知識によって、日本ではいまだ馴染みのない「経済ナショナリズム」を提唱!
これ以上国力を失わないため、さらに国家繁栄のために、
日本の根底に据えるべき基本概念はこれである!!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中野 剛志
1971年、神奈川県生まれ。1996年、東京大学教養学部教養学科(国際関係論)を卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。2000年より3年間、英エディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年、同大学院より優等修士号(Msc with distinction)取得。2003年、同大学院在学中に書いた論文がイギリス民族学会(ASEN) Nations and Nationalism Prizeを受賞。2005年、同大学院より博士号(社会科学)を取得。現在、経済産業省経済産業政策局産業構造課課長補佐。また月刊誌「発言者」に評論を発表。現在、隔月誌「表現者」に評論を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 207ページ
  • 出版社: PHP研究所 (2008/10/25)
  • ISBN-10: 4569703186
  • ISBN-13: 978-4569703183
  • 発売日: 2008/10/25
  • 商品の寸法: 19.2 x 12.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 150,059位 (本のベストセラーを見る)

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5つ星のうち 5.0 グローバリズムを見直し、日本らしさを取り戻そう, 2009/5/8
By じゃが〜 - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 経済ナショナリズムについて淡々と事実を述べているのが画期的だという不思議な本である。グローバリズムとはアメリカ方式を他国に押しつける米国ナショナリズムに他ならないと喝破している。

 暴走したグローバリズムによる金融危機へ対応するため、米国は金融・保険業界を国有化している。そのうちGMまで国有化するかもしれない。これも米国の経済ナショナリズムなのだろう。

 経済の健全な発達のためには十分に教育されて、文化的、伝統的に共同体意識を持つネイションが必要である。ネイションとは国民であり、その国民が作る企業や政党、NGOまでをも含む共同体である。経済ナショナリストは、ネイションのための経済政策を執るべきと述べている。何かを成し遂げるネイションの力こそがお金より大事な国力なのだ。

 日本が過去10年に渡って実施してきた構造改革は、新経済自由主義者が唱えるグローバリズムを推し進め、日本のネイションを解体し、国力を弱めるものでしかなかったと現役官僚が述べているのである。日本人の潜在的能力を信頼し、日本の伝統的共同体を守る経済政策が必要だという主張が、この国のナショナルに当然のこととして受け止められることを私も願う。
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23 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 現役官僚による、痛烈な「構造改革」批判!, 2008/11/23
By ふんふんふん (茨城県つくば市) - レビューをすべて見る
 なんと経産省の現役官僚が、「構造改革」を正面から批判するという刺激的な作品である。
 (ちなみに著者・中野氏は、イギリスで博士号を取得したアカデミシャンでもある。)

 中野氏のテーマは前作『国力論』(以文社)から一貫している。要約すると、
 (1)経済の「活力」は「国民国家(ネイションステイト)」から生まれてくるものであり、
 (2)その「活力」に具体的な形を与えて「富」をもたらす仕組みも「国民国家」に他ならない
 ということである。これは「経済ナショナリズム」と呼ばれる思想だ。

 冷戦が終結した90年代以降、経済の「グローバル化」が進んだと言われている。しかし中野氏は、アメリカの金融・情報技術戦略やEUの統合、あるいは資源問題や政府系ファンドの巨大化など、現代経済における主要なトピックをひと通り概観して、じつは「ナショナリズム」こそが世界経済を動かし続けてきたのだということを明らかにする。

 中野氏に言わせれば、「経済ナショナリズム」が世界経済の主な動因であったというのは、何ら不思議なことではない。なぜなら、そもそも近代経済システムというものは、「国家」「市場」「市民社会」が互いに互いを支え合うことで初めて成り立つものだからだ。
 そのことは本書の中盤で、歴史と理論を織り交ぜながら、非常に分かりやすく論証されている。「ネイション(国民社会)」の意識を人々が共有していること、そして強力な「ステイト(国家機構)」が機能していることこそが、経済発展を可能にする「国力」の基盤なのである。

 にもかかわらず平成の日本人は、「グローバル化」や「国家の退場」こそが現代の趨勢だと思い込み、日本の誇るべき「国力」の基盤(官民協調の「産業政策」や、共同体的な「日本的経営」など)を破壊する「構造改革」を実行してきた。政府の力は弱ければ弱いほど良いのであり、信頼関係の張り巡らされた共同社会よりも、画一的なルールに仕切られた競争社会のほうが良いのであると言って……。

 しかし中野氏によれば、日本がナショナリズムを放棄して「構造改革」に邁進しているあいだに、世界の先進諸国は、各国固有の価値観や文化と結びついた資本主義のあり方を模索してきたし、社会民主主義的な「経済ナショナリズム」によって国民の連帯を強化し、「国力」を増進する路線をすでに打ち出している(アメリカですら!)。
 日本だけが、空気を読めずに自らの「国力」を破壊しつづけているのだ。

 中野氏はこの日本の状況を痛烈に批判して、本書の後半では、「構造改革」をやめて「国力」増進を図るための、具体的な処方箋を提示している。
 「国力」というと、ふつうは軍事力や外交力、あるいは海外市場への支配力といった、「他国に対する影響力」がイメージされるだろう。しかし中野氏のいう真の「国力」とは、「何かをするための力」のことだ。言い換えれば、「価値を奪う力」ではなく「価値を生み出す力」のことである。

 前者の国力については、日本は米・中・露などの諸国にはかなわない。しかし後者の国力については、省エネの取り組みの先進性や、地道な製造業の伝統などに見られるように、日本は類い稀な潜在力を持っているのだ。
 中野氏は、「財政金融政策」「産業政策」「エネルギー・環境政策」「保護貿易と自由貿易(の使い分け)」「社会福祉政策」「企業の買収防衛政策」など具体的な政策を挙げ、これらをどのように活用すれば「真の国力」を高められるのかをコンパクトにまとめてくれている。「構造改革」論に侵されきった日本人の眼を覚ます、実践マニュアルだ。

 ……この狭いスペースで紹介しようとするとどうしても抽象的になってしまうが、本書には様々な具体的トピックが盛り込まれていて、非常に読みやすい!
 実際に政策を動かしている当事者ならではの鋭いアイディアも満載されている。現役官僚の面目躍如と言うべき一冊である。
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19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 本書を読まずに経済を語ることなかれ, 2008/11/17
 「経済はナショナリズムで動く」というタイトルに違和感を覚えたならば本書を読み進むことでその誤解が払拭されるであろう。

 著者は丁寧にその時々の具体的事例を挙げてグローバル化された世界経済が実は各国の「経済ナショナリズム」よって動いてきた事実を解き明かしており、アメリカの政治状況がブッシュ共和党政権からオバマ民主党政権に変わるにあたり、今後のアメリカの経済戦略に大きな影響を与えるであろう「ハミルトン・プロジェクト」にも言及している。

 中野剛志氏は混迷する世界情勢にあって迷走を続ける日本がいま一番必要としている書き手であろう。
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