未来に希望を点すことができない現代に河合隼雄は、「無為で生きる」、つまり「何もしないことに全力を傾注する」という。無為とは老子の言葉である。
カウンセリングは、クライエントの生きる力を希望をもって待つ仕事である。作為的にクライエントに接しても、問題は解決しない。本人の生きる力がなければ根本的な解決にならないからである。
「何もしない」というのは、非生産的に聞こえるが、実は新しいものを創造する前の大事な過程である、と著者2人はいう。「何も目標、方向性がない」状態からは、普段では考えつかない途方もないことが出てくるのである。
◎物を忘れることで豊かになる ◎嫉妬心には可能性がある ◎思考をやめた時に名案が浮かぶ ◎「ある」だけで十分ではないか ◎物がないほうが創造力は豊かになるなど、無為の力を生かせば、マイナスのなかにこそプラスの力があることがわかる。
世代を問わず、今を生きるすべての人に読んでほしい本である。
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