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生きて死ぬ私 (ちくま文庫)
 
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生きて死ぬ私 (ちくま文庫) (文庫)

by 茂木 健一郎 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

歓びも悲しみも、そして眼前に広がる世界のあり様も―人生のすべては物質である脳の中の現象にすぎない。ならば、脳とは私にとっての牢獄なのか。脳内現象である人間の心とは何か。この難問に挑むには、自身の脳がとらえた世界をより深く「感じる」ことから出発する以外にない。本書は、怜悧な科学的知性と熱情あふれる文学的感性とを駆使して新たな世界像を描く試みだ。著者の純粋な出発点に位置する記念碑的エッセイ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

茂木 健一郎
1962年東京都生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院客員助教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専攻は脳科学。「クオリア」をキーワードに、心と脳の関係を探究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 236 pages
  • Publisher: 筑摩書房 (2006/05)
  • ISBN-10: 4480422188
  • ISBN-13: 978-4480422187
  • Release Date: 2006/05
  • Product Dimensions: 5.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.6 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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36 of 38 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 茂木健一郎の「青の時代」。, 2007/3/19
いまや多くの人にその存在を知られている、少壮の脳の専門家・茂木健一郎の、若き日のさまざまな考察、心情をつづった書。

この本を上梓した当時、彼はまだ30代そこそこであった。そこに見えるのは脳の問題だけでなく、生と死にまつわる問題や、いろいろな物事に対し、迷いや葛藤、不安を抱いて苦悩する彼の、あまりにもナイーヴな姿である。この本の中の茂木は非常に青く、痛々しいほどに魂を震わせている。その魂の震えが、読む者の肺腑をぐっとえぐる。この書は、まさにピカソならぬ茂木の「青の時代」ともいうべき青春の書である。

この本には、脳科学者としてだけでなく、人生を深く洞察する哲学者として、既にその片鱗を現わしている彼の姿が、彼自身の言葉を通して描かれている。

優れた科学者はその内面に哲学者としての顔を持っている。茂木健一郎もすでにそれら優れた人達の系譜の中に入っている。その確たる証拠の一つが本書である。



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22 of 24 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 天才の思考の源流をみる, 2006/8/25
ようやく再版された名著。著者ご本人も巻末に書いているが出版時の33才という年齢であったから書けた本であろう。医学や生物学といった物理的解析研究はもちろんのこと己の思考に対してすら反証可能性を掲げ、哲学的検証へのアプローチをも必要とする難解な学術分野である脳科学界。その世界のホープである茂木健一郎が「脳とクオリア」でみせた成熟しきったクオリアへの論理展開、あの超人的思考にたどり着く以前の自分をみせる。すなわち人生を模索し混沌とした思考のままの「人間」茂木健一郎を発見することができる。もとは立花隆が興した一連の「臨死体験」ムーブメントに対するアンチテーゼをメインテーマに掲げ書き始めた作品である。だが、「生死」を書くうちに、筆者本人の死生観と原体験からはじまる、後悔、逡巡、欺瞞、渇望などのイドが溢れだし抑制不可能となった思考の渦に自身が巻き込まれていく様はあまりにも若々しい。言い換えると「クオリア」をパブリックな開かれた思考によってではなく「私」という極めてプライベートな立場で語っている。従って著書のどの本よりも肉感的な「クオリア」がそこにある。科学者茂木健一郎ではなく文学者茂木健一郎を見つけることができる貴重な本である。
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6 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 青壮年時代の著者の苦悩がこちらの心にまで突き刺さる, 2008/1/28
By 増田裕昭 "ひろ" (米国カリフォルニア州ナパ) - See all my reviews
「脳はニューロンが一千億個集まった複雑な機械であり、人間の心は脳内現象にすぎない」
との認識に立つ脳科学者である著者が、
「脳内現象である人間の心とは、いったい何なのか?」
と言う問いに対する、著者自身の30歳代前半当時の思索をまとめたエッセイです。エッセイでありながらその内容は深い思索に富んでいます。

この広大な宇宙の中の地球と言う惑星に生命が生まれ、そして何十億年もの自然の営みの末に生まれた「私」とはいったい何なのか?人は多かれ少なかれ、この人間存在の究極に関わる問いを心に抱きつつ、生きてそして死ぬのです。この冷徹な事実を前に科学は何ができるのか?青壮年時代の著者の苦悩がこちらの心にまで突き刺さります。

個人的な話をしますと、死後の自分の不存在に対する不条理感は、あるときは私の心を占領し私を不安のどん底に突き落とし、あるときは日常の忙しさのために心の片隅に追いやられたりしながらも、中学生以来ずっと私の心を離れていません。そのような有限の命しか持ち得ない人の心は、しなしながらこの無限とも思える世界の謎を解き明かす能力を秘めている、との信念が著者との間で共有できる幸せは、なにものにも代え難いものがあります。

文庫版あとがきによると、本書は第三章「オールタード・ステイツ(臨死体験)」と言う特定の問題に脳科学からメスを入れた内容に限定されるはずだったとのことですが、本書の価値は皮肉なことにそれ以外の章にあります。誤解を恐れずに極言すると、本来出版の条件になっていた第三章は本書から省いても構いません。というか、省いた方がより著者の心の在り方が直接的に読者に届くと思います。出版業界の商業主義に対してあくまでも自分の意思を貫いた著者に拍手を送りたいです。

最後に少々私見上の飛躍を許してもらえば、意識をこの脳と言う局限化された臓器から解き放つ事が技術的に可能になれば(自然法則に反しなければ人が想像可能なことは必ず実現する)、人はこのあまりにはかない肉体の束縛から解き放たれる時がくるでしょう。それが人にとって幸せかどうかも含めて、そう言ったことなども著者と対話してみたいものです。
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