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日本の伝統 (知恵の森文庫) (文庫)

岡本 太郎 (著)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

「法隆寺は焼けてけっこう」「古典はその時代のモダンアート」「モーレツに素人たれ」――創造であり、生きるための原動力でもあると主張する著者が、縄文土器・尾形光琳・庭園を題材に、日本の美の根源を探り出す。『今日の芸術』の伝統論を具体的に展開した名著、初版本の構成に則って文庫化。著者撮影写真、多数収録。解説・岡本敏子


内容(「BOOK」データベースより)

「法隆寺は焼けてけっこう」「古典はその時代のモダンアート」「モーレツに素人たれ」―伝統とは創造であり、生きるための原動力であると主張する著者が、縄文土器・尾形光琳・庭園を題材に、日本の美の根源を探り出す。『今日の芸術』の伝統論を具体的に展開した名著、初版本の構成に則って文庫化。著者撮影写真、多数収録。

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5つ星のうち 3.0 「伝統の存続」か「精神の存続」か。, 2005/9/20
 伝統を徹底的に見返す―。それがこの著書「日本の伝統」の目的であると岡本太郎は言う。
 
 古いものをカサにきて現実を侮辱する事を、岡本太郎は非伝統的であり、人間として卑怯なのだという。
 
 そういう気分に対する憤りが、岡本太郎にはあった。
 
 岡本太郎は、法隆寺の失火による壁画焼失のことについて、「法隆寺は焼けてけっこう」だと言う。そして岡本太郎は、「自分が法隆寺になればよい」と言う。
 
 焼けてしまったのなら嘆いてもしょうがない。それよりも、法隆寺よりもっとすぐれたものを作ろうという気迫が大事である。そしてそれを、現代人が穴埋めすればよいのだ―。
 
 私自身、伝統文化というのは基本的に守っていくべきものだと思っている。だが、こうした岡本太郎の指摘は貴重であり、示唆的なのだと思う。
 
 私なりに解釈してみると、「伝統の存続」は必ずしも、「精神の存続」とはならないというわけだ。本来大事なのは後者であるという事だと思う。
 
 そして岡本太郎自身が「法隆寺はやけてけっこう」の心境に至った理由は、端的に言って、いい気な伝統主義者を嫌った、と察せられる。

“過去は現在が噛み砕き、のりこえて、われわれの現実をさらに緊張させ輝かすための契機であるにすぎません。現在が未来に飛躍するための口実なのです。つまり、かんじんなのはわれわれの側なので、見られる遺物ではない(60頁)”
 
 本書は、私にとって大いに示唆的だった。こうした伝統の見方があるのだと、そう思わせられた。
 
 伝統とは何か。その事に、視点を提供してくれる本なのだと思う。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 今こそ読まれるべき, 2006/7/22
怒りの書だ。従来の「日本の伝統」についての観念をたたき壊そうと真っ正面から果敢に挑む。
古くて美しいものが無条件に珍重される現状を嘆き、伝統とは現代の自分を作るものでないと意味がないという信念がこの本を書かせている。
そして昭和30年に書かれたというのに色褪せていない。

前半の縄文土器論の鮮やかさに比べ、後半の庭論は少々読み進めにくい。
それは読者が題材となっている庭を容易に想像できないからだろう。
巻末の岡本敏子氏の解説でも「庭論は不発のままの爆弾」と言い当てている。

芸術論としてだけでなく、安易に「日本人論」や「日本人としての誇り」が語られがちな今こそ読み直す価値のある本。
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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 痛快!, 2005/5/27
「今日の芸術」が当時の若き芸術家達に大きな影響を及ぼしたことは、赤瀬川原平の文章で読んで知っていた。この「日本の伝統」は、それまでの縄文土器に対する評価を180度転換させた「縄文土器論」に加え、尾形光琳と、西芳寺(苔寺)庭園をはじめとする中世の日本庭園について、やはり常識を覆すような論を展開している。特に光琳の「燕子花図屏風」に対する「群青の花弁はただ真空の空の中に咲きほこっている」という言葉が印象深い。読んでいて実に気持ちの良い本だった。
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