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車輪の下で (光文社古典新訳文庫)
 
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車輪の下で (光文社古典新訳文庫) (文庫)

ヘッセ (著), 松永 美穂 (翻訳)
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商品の説明

内容紹介

周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める……。地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。


内容(「BOOK」データベースより)

周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める…。地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。

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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 若手作家の自叙伝的青春小説, 2007/12/11
『車輪の下で』はヘルマン・ヘッセが29歳のときに書いた作品である。いわば、新進気鋭の若手作家による青春小説なのである。

旧来の翻訳だと文体の古さのせいで、いかにも老大家が執筆したかのような印象を受けるのだが、松永美穂氏の新訳では若手作家の作品らしい、みずみずしさが感じられる。

これは、ヘルマン・ヘッセの10代の頃の栄光と挫折を基にした自叙伝的小説であり、故郷の自然の美しい描写がある一方で、ときおり、一人の少年の精神を押しつぶす画一的な教育や大人たちの無理解に対する怒りが爆発している。

訳者の解説によれば、翻訳の底本としてズーアカンプ社の初版を用いたとのことである(原点回帰!)。単に読みやすい新訳であるだけでなく、他の版では読めない内容の本である。今までに読んだことがある人も新たな発見があるだろう。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 こんなに若々しく瑞々しい“青春小説”だったとは…, 2008/1/14
 教科書などには大体、「優等生の少年が、周囲の過剰な期待や無理解のため、破滅する話」…とか書いてある訳で、こう書かれると「暗い、重い、難しい、読みたくない」と多くの人が思うはず。私自身がまさにそうで、今まで“読まず嫌い”で来てしまった。
 今回、初めて読んでみて驚いた!ストーリーを要約すれば、確かに“その通り”の内容なのだが、しかし…この作品が、実に活き活きとして瑞々しく、そして激しい思いに満ちた、若々しい“青春小説”であることに!
 (作者の故郷でもある)シュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の自然や、その中での人びとの営みの描写の美しさ…(特に川遊びや釣りの描写は秀逸!)。どこか同性愛的なものも感じさせる思春期の友情や、初恋の描写の繊細さ、甘美さ…。そして、大人たち、特に教師や聖職者、学校へ向けられる、辛辣で、“憎悪”とさえ呼びたくなるような強い批判…。
 後書きで知ったのだが、この作品は作者が25歳時に、自らの少年時代の経験を強く反映させる形で書いたという。作品には確かに、それに相応しい“若さ”“激しさ”そして“生々しさ”が表れている。それを、余す所なく訳出した、訳者も見事!
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 まずタイトルがすばらしい。, 2008/2/3
主人公ハンスの声を少年の言葉として取り返してくれた訳者の努力にまず感謝したい。
訳文は平易でみずみずしく、ヘッセの美しい自然描写の文章を格調高く訳しきっている。
私はヘッセと直接の交流もあった高橋氏の訳を翻訳文学の最高峰だと考えており、今もその思いにいささかの揺るぎもない。
しかし、今日、多くの人にもう一度ヘッセの作品に親しんでもらおうと考えると今回の翻訳は画期的なものであったと思う。
ヘッセの作品にはみずみずしい自然描写と青春へのやや感傷的とも感じさせる思い入れが表出されており、多くの日本人の作家に影響を与えてきた。漫画家でも、永島慎二、坂口尚等、ヘッセの作品なしではその作風が存在しなかった作家が容易に見つかる。
私にとってもヘッセは最高の作家だ。少し内向的で、夢見がちな主人公ハンスは他の作品と同じで、ヘッセの分身だが、ヘッセの作品の主人公ほど共感を持てる主人公を私は他に知らない。主人公ハンスが体験し、感じる、喜びや戸惑いは、思春期を過ごした多くの人が共感できるものであろう。主人公の心のうちに沸き起こる微細な変化をヘッセは丁寧に表現しており、今、思春期を生きるヒトには強い共感を感じさせ、やや年をとった人にはこのように繊細に心が反応していた時の事を懐かしく思い出させられるだろう。
また、詩人ヘッセならではの、丁寧で美しい自然描写には、何度、彼の作品の読んでも心が打ち震えてくるのである。ヘッセ以外の作品で味わう事のできない感動だと思う。
ヘッセの作品では、人が本来の自分自身らしく生きようとすることの難しさと、その勇気を持つものの姿を描いているものが多数あるが、ヘッセが20代で書いた、車輪の下での主人公は自分自身らしく生きられずに破滅にいたってしまう。
後年の作品のデーミアンやゲルトルートでは主人公は破滅せずに自分の道を歩んでいき、ヘッセそのものの人生にoverlapする。
自分らしく生きたいと切望する若い人にこそ、是非、ヘッセの作品を読んでもらいたい。

最後に、松永氏の翻訳で是非デーミアンを読みたいと切望しております。
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