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幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)
 
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幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫) (文庫)

by クラーク (著), 池田 真紀子 (翻訳)
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Product Description

内容紹介

初版から36年後に書き直された新版、初の邦訳!SFを超えた「哲学小説」! 地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。


内容(「BOOK」データベースより)

地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。

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58 of 63 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 新たな第一部が読めるのはこれだけ, 2007/11/22
By 福代 (宇部市) - See all my reviews
 アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』が光文社古典新訳文庫に登場した。「古典なのか?」と一瞬とまどうのだが、これが書かれた1953年は、日本で言えば三島由紀夫が『潮騒』を発表した前年。「やや古典」といえると思う。
 人類の文明を遥かにしのぐ他の文明から超巨大宇宙船(複数)がやってきて、人類を穏やかに支配している、というシチュエーションはSFファンのセンス・オブ・ワンダーを刺激するものである。支配といっても特に搾取したりしているわけではなく、地球総督を名乗るカレランというオーヴァーロードが、国連事務総長を通して人類にいろいろ勧告するというやり方で支配しているのである。なんで彼らがおせっかいにも人類を指導しているのか?というのが当時の人類にとっても、読者にとっても謎なのである。名作は良いミステリー作品でなくてはならない。
 ちなみに、この作品の第一部は1990年に書き改められたものであり、旧バージョンでは米ソ冷戦の影響があったものの、新バージョンではその影が取り払われている。この書き改められた第一部の日本語訳が読めるのはこの光文社版だけであるらしい。それだけでも読む価値がある。
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45 of 50 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ハヤカワ文庫と読み比べて, 2008/3/24
By izumone (東京都) - See all my reviews
 2008年3月19日,アーサー・C・クラークが亡くなったとのニュースを聞きました。ハインライン,アシモフ,レム・・・。時代の移りかわりを感じます。これを機会に,冒頭が書き改められたという新訳文庫版と,以前に読んだハヤカワ文庫版を読み比べてみました。前に読んだのは30年前の中学生時代。その時は頭を殴られたような衝撃を受けたのですが,今読むとどんな感じだろうかと少し不安を感じながらの再読でした。
 話題の冒頭部については,確かに今となっては新訳版の方がすっきり入っていけるとは思います。とはいえ,あくまでも小説なのだから旧訳版が全然しっくり来ないかというとそれほどでもないという印象でした。小説が史実とちがうって批判する人はいないでしょうし,文学的効果もそれほど違うとは思えない。私見では好みの問題程度の違いだと思いました。
 訳文は,さすがに新訳の方がなめらかだと感じました。人称代名詞は少ないし,使わない言い回しもない。ではハヤカワの福島訳がそんなに違和感があるかと言われるとそうでもない。約40年前の訳だということを考えると,かえってその先進性に驚くほど。
 全体の読後感ですが,心配は杞憂でした。非常に面白く読めて,改めて感動。ガジェットの目新しさなどではなく,本質が名作なのだと思いました。若い頃は,新しい人類の未来を思って高揚感を覚えましたが,今回は袋小路の上帝(オーバーロード)に対するちょっとしんみりした共感が強かったのは,自分が年齢を重ねたからでしょうか。
 これから読むのであれば新訳でしょう。でも,私のように福島訳で育って「上帝の名はカレルレン」(新訳では「オーヴァーロード」,「カレラン」と表記)と覚えている人にとっては,ハヤカワ文庫版もまだまだ現役だと思います。
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9 of 13 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 巻末の解説も含めて堪能できる新訳版, 2008/2/10
By yukkiebeer - See all my reviews
(TOP 10 REVIEWER)   

 21世紀初頭、突如として地球上空に複数の巨大な宇宙船が現れる。オーヴァーロード(最高君主)と称する宇宙人たちは人類に紛争を放棄させ、地球には一度も訪れたことがなかった恒久平和の時代をもたらした。しかし、彼らの真の目的は一体どこにあるのか…。

 以前からその名を聞いてはいたものの今日まで手にすることのなかった古典SFを、新訳が出たのを機に読んでみることにしました。早川書房の福島実訳版のことは知りませんので比較することは出来ませんが、この新訳は大変読みやすく、400頁を越える物語も一気呵成に読んでしまいました。

 「2001年宇宙の旅」同様、異星人との遭遇によって人類が新たな段階を迎えるという物語が、壮大な想像力によって描かれています。異星人の本当の意図を追う謎解きミステリーの趣もあれば、異星人と抵抗勢力フリーダム・リーグとの政治スリラーの彩りもあり、この一粒のSFは二粒も三粒も美味しく出来ています。

 そして最後に明らかになるオーヴァーロードの真意はどことなく悲しみをおびたものでした。その詳細をここで記すことは出来ません。それはこれからこの小説に触れる読者の興趣をそぐことは控えたいという思いからであるというよりも、巻末に置かれた巽孝之(慶応義塾大学文学部教授/アメリカ文学専攻)のすぐれた解説を超えるような文章を書く力が私にはないからです。
 巽教授の解説はこのすぐれたSF小説を味わいつくす上で、大変に力になってくれるものです。もちろん先に解説から読むのは控えたほうが賢明ですが、人類の視点で読み続けたこの小説をオーヴァーロードの視点でもう一度読み直してみたくなる、そういう視点の転換を迫る論考はとても読ませるものでした。

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