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アメリカ素描 (新潮文庫)
 
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アメリカ素描 (新潮文庫) (文庫)

司馬 遼太郎 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

普遍性があって便利で快適なものを生み出すのが文明であるとすれば、いまの地球上にはアメリカ以外にそういうモノやコト、もしくは思想を生みつづける地域はないのではないか。―初めてこの地を旅した著者が、普遍的で合理的な「文明」と、むしろ不合理な、特定の集団(たとえば民族)でのみ通用する「文化」を見分ける独自の透徹した視点から、巨大な人工国家の全体像に迫る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

司馬 遼太郎
1923‐1996。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。’66年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。’93(平成5)年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 白地図に絵の具が落とされてゆく面白さ。, 2006/3/17
By 街道を行く (大阪府) - レビューをすべて見る
(TOP 10 REVIEWER)   
この本はお勧めです。日本史、東南アジアの歴史が得意と思われる著者が、アメリカという国を「わかろう」と試みた作品です。このことは前書きに書かれていて、アメリカに行ってくれといわれて困った様子からはじめられています。アメリカは白地図であると。この作品の面白さは、著者が白地図に色をつけてゆく過程を味わえる楽しさであり、知的興奮にあります。韓国移民、ベトナム移民、WASPとアメリカという広大な文明が懐に抱いている文化と比較しながらじっくりと発酵させてゆくように論じられています。前半はカルフォルニア。後半は東部に回って、フィラデルフェア、ニューヨークの黒人文化。日露戦争のポーツマス、ボストンを回り、白地図に絵が描かれてゆきます。外国にいった人が外から見たら日本が分かるといいますが、読み終えてアメリカと日本を比較してその違いが鮮明になったように思えました。アメリカと関係したお仕事をしている方にはお勧めです。20年ほど前の本ですが、原型を捉えようと試みられた作品ですので古さは感じられません。
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5つ星のうち 5.0 司馬のみたアメリカの本質, 2006/3/14
By 丁三 (千葉県) - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
1985年(昭和60年)の春と秋、司馬(当時63才)はアメリカ東海岸を延べ40日に渡って旅した。本書はその旅で得たアメリカの文明、文化論である。読売新聞に連載された。
いわずもがな、司馬は中国、朝鮮、日本をはじめとするアジア文明圏の「専門家」であり、西欧ことにアメリカに関する記述は(ベトナム戦争への記述を除いて)作品中に全く現れない。本作はしたがって、司馬の唯一のアメリカ考といってよい。

文明と文化というふたつの言葉の違いを、司馬は明確に分けている。文明とは機械や科学や思想といった人種、民族の壁を越えて人間に普遍的に受け入れられるもの。文化は他の民族が受け入れがたい閉鎖的な習慣のようなもの、と説明している。本書はこの視点から、アメリカにおける文明(=世界へ普及していくアメリカ的なもの)と文化(=他国民から理解しがたいアメリカ的なもの)を、道端を歩きながら見つけていく。

たとえばゲイはアメリカ的文明が窮屈になった人たちの憩いの場としての「文化」ではないか、と司馬は考える。日本では織田信長もそうであったように男色は恥ずべきことではなかった。しかし有名な鍋島藩の『葉隠』が説く衆道の作法は、アメリカのゲイとはずいぶんちがうようだ。アジア文明圏の専門家である司馬がみたアメリカは、大変興味深い。

「アメリカには抜きがたい悪癖がある、他の何一つアメリカ的条件をもたない国々に『アメリカのようになれ』と本気で勧めてまわることである。(p388)」

20年も前の論考ではあるが、いまもって新鮮な響きを感じるのは、司馬のこの指摘がアメリカという人間集団のとしての本質を言い当てているからであろう。

本書は『長安から北京へ』、『人間の集団について』、『街道をゆく〜南蛮のみち』とあわせて、司馬文明論の四部作のひとつである。あわせてお薦めしたい。
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26 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 21世紀を迎えるにあたって改めてアメリカを考える, 2000/12/4
By カスタマー
20世紀が「アメリカの世紀」であったことに異論をとなえる人はいないだろう。 この「アメリカ」について、我々は改めて考察を加えなければ、20世紀という人類全体にとって激動の世紀を評価することはできないと思われる。

歴史小説で、天才的才能を発揮した巨匠司馬遼太郎がアメリカにゆき、(ちょっと大げさであるが)フィールドワークを行い、その結果を表した希代の名著である。 特に、私が「希代」と言うのには理由がある。

それは、司馬氏がアメリカを論じる際に用いたキーワードが「文明」というものだからである。この着目は、さまざまなアメリカを論じた書物のなかでも秀逸である。 司馬氏が言う文明とは何であろうか? 文明とは、とにかく”イカシテイル”ものだと司馬氏は言う。

文明というキーワードを用いて、アメリカを論じた書籍の中身については、

皆様にぜひ一読していただきたいと思っている。 この本は、アメリカ研究を行っている人、現代社会を論じる人、 20世紀の歴史について研究を行っている人、そして、20世紀をすこしでも 生きたすべての諸氏に読んでほしい一冊です。 私は、この本を以上の理由で推薦します。

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