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理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
 
 

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) [新書]

高橋 昌一郎 (著)
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (31件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

アロウ、ハイゼンベルク、ゲーデルらの思索を平易に解説しつつ、人類が到達した「選択」「科学」「知識」の限界論の核心へ。 知的刺激にみちた、「理性の限界」をめぐる論理学ディベート。

内容(「BOOK」データベースより)

私たち人間は、何を、どこまで、どのようにして知ることができるのか?いつか将来、あらゆる問題を理性的に解決できる日が来るのか?あるいは、人間の理性には、永遠に超えられない限界があるのか?従来、哲学で扱われてきたこれらの難問に、多様な視点から切り込んだ議論(ディベート)は、アロウの不可能性定理からハイゼンベルクの不確定性原理、さらにゲーデルの不完全性定理へと展開し、人類の到達した「選択」「科学」「知識」の限界論の核心を明らかにする。そして、覗きこんだ自然界の中心に見えてきたのは、確固たる実在や確実性ではなく…。

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53 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 深い内容と読みやすさの融合した傑作, 2008/9/26
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
最初に、この本は日本人が書くものとしては、
異例に多くの哲学的、科学的な分野に関連しており、
かつ私がこれまでに読んだ本の中で
最も素晴らしく平易でわかりやすいプレゼンテーションをしている点で最高である。

著者は1、論理的なゲーデルの不完全性について造詣が深く、
著名な論理学者であるスマリヤンの翻訳も手がけている。
しかし、2、本書では社会科学的な民主主義の決定不可能性、
さらに3、量子力学的な不確定性、ならびに科学理論の相対主義、
などについても筆をすすめ、3部が一体となって素晴らしい入門書となっているのだ。


社会科学では、アローによる不可能性定理が有名だが、
これは一言でいえば、
「民主主義における決定方法では、推移律その他の
常識的に望ましいと思われる性質のすべてを満たせない」ほどのものだ。
これは「決め方の原理」などの有名な本も参照にすればわかりやすいかもしれない。
ついで、現代社会科学の基礎である、ゲーム理論とナッシュ均衡が説明される。

量子力学では、物体の位置と運動量を完全に知ることはできないという
ハイゼンベルクの不確定性が有名だが、そういった古典解釈を超えて、
量子力学の意味する相補性から生じる情報伝達のEPR矛盾、
さらには多世界解釈が説明される。
同時に科学という試みのもつ客観性についても、ポパーからクーン、
ファイヤーアーベントへと続く論争が解説される。

ゲーデルの不完全性定理については、よく知られた形では、
「この文章は間違っている」というような自己言及を許すような形式システム、
(これは数学体系を含めて、実質的にほとんどすべての論理体系のこと)では、
決定不能な命題が存在することを意味している。
これももっと詳しくは類書を読めばいいのだろうが、それをチャイティンの定理など
もっと新しい発見とともに論理学の限界として提示している点が新しい。

しかし、この本の素晴らしさは、これらの人間理性の限界がそれぞれ独立しているのではなく、
まさに量子的な「絡み合った状態」にあることを、興味深く示唆している点だろう。

特に、ナッシュ均衡の持つ合理性、つまり、相手の行動の予見を無限に繰り返すという
人間の信念の体系における無矛盾性と
タルスキー、スマリヤン的な、論理体系の持つ不可避的な矛盾性などとの関係を
論じている点は素晴らしい。
これはもう、単なる啓もう書ではなく、学問書に昇華し得る指摘であると思う。

私は科学的な知識というのは、今後も無限に進歩し続けると信じる素朴科学主義者だが、
理性的な企ての持つ根本的な矛盾を考えさせられる点で、
また、できれば私自身がいつか書いてみたいと思っていたという意味で、
すべての人にお勧めできる出色の書籍だ。
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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 幅広い対象分野と対話形式の平易な説明が秀逸な名著, 2009/9/8
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
久しぶりに「面白すぎる本に出会った」という感想を持たせてくれる本に出会った、というのが読後の正直な感想です。

私は哲学や論理学については素人ですが、この本はそのような素人であっても、グイグイと引き込まれていく、非常な読みやすさを持っています。なぜそうなのか考えてみると、以下のような特徴があると思いました。

1) 分からない人の存在を前提に書いている
 とかく専門書に頻出しがちな横文字や専門用語の説明無しの使用は、この本では皆無と言えます。なぜなら、架空のシンポジウムを文字おこしした本として書かれており、素人の会社員や運動選手などといった、普通の人が「分かりません!」とすぐに突っ込みを入れ、「では分かりやすくご説明しましょう」と、すぐに説明が続くからです。それでも、「分かりやすくと言いつつ、実際には分からない」ということが他の本では多いのですが、この本に限ってはそのような心配は無用です。

2) 問題の提示の仕方が生活に密着した題材として出されるため常に現実感がある
 とかく哲学というものは、素人から見ると、およそ生活とはかけ離れた絵空事、という風に感じがちです。それは、問題設定が自分の生活の領域とかけ離れているからだと思います。この本はそうではなく、常に「私たち一般人の現実」を議論の出発点にしています。そのため、哲学や論理学とは、実は自分の生活に非常に大きな位置を占めているのだ、ということが良く分かるようになっています。生活に役立つ本、人生を豊かにさせてくれる本。著者はおそらくそう言うことを目指して書いたのではないかということが、読んでいて良く伝わってくるのです。

他にも色々、良い所はあるのですが、私にとってはこの二点だけでも、読むに値すると思います。ぜひお読み下さい。おすすめします!
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 知の最前線, 2008/7/13
By 冬の暖かな鎌倉の海岸で - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
様々な立場の人たちによる「理性の限界」をテーマとしたシンポジウム、という体裁をとっています。
まずは、わかったつもりでいて実は正確には理解していなかったことに気がつかせてくれた点に感謝したいです。
例えばクーンのパラダイムシフトという考え方。私はなんとなく「パラダイムシフトすることで少しずつ真理に近づくのだ」と思っていた節があるのだが、そもそもクーンはそんな風には言っていないのだ。天動説より地動説が真理に近いわけではないし、相対性理論がニュートン力学より真理に近いわけでもない。ほら、目から鱗でしょ?(私だけ?)
というのは「第2章 科学の限界」からのお話ですが、やはり圧巻は「第3章 知識の限界」でしょう。かの有名なゲーデルの不完全性定理を素人にも理解できるように話を進めているけれど、わかったつもりにさせてしまうところはすごいです。正確には理解できてないと思うんですけどね。
「テューリング・マシンの限界」から「ゲーデル・チャイティンの不完全性定理」の説明にいたるあたりは必読ですね。まさにこの辺が知の最前線、という気がします。
ということで、知的好奇心を十分に満たしてくれる本でした。
最初は「馬鹿っぽい出場者たち」にうんざりしていましたが、読み進むにつれて愛着がわいてきます。最初はどちらかといえば無知の代表者のように描かれていた「会社員」が最後のほうでは驚くべき理解力を示したり、まあ、ちょっと不自然なところがあるのは否めませんけどね。また、全編を通してカント主義者が道化役として出てきますが、実は結構するどいところを突いていて、なんとなくではありますが、カントが現代哲学への大きな転換点になっているような気がしました。ところで「運動選手」って、結局何者だったんでしょう?もしかして「神」の道化した姿?深読みのしすぎか。
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5つ星のうち 5.0 本当にめっちゃくちゃ面白いですよこれは!!!
「選択の限界」、「科学の限界」、「知識の限界」という3つの限界をまとめて「理性の限界」として説明するというのが本書の内容です。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: 哲学する河童

5つ星のうち 4.0 カント主義者!
面白い本だと思います!
確かに深い理解は得られませんが、とりあえず読みやすい。... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: pumyu

5つ星のうち 4.0 頭の体操又は脳トレになるかも。。。
[Before(読む前の期待)]
不可能性、不確定性、不完全性などの聞きなれない言葉から、単純な好奇心で読み始めました。... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: ぴこ

5つ星のうち 4.0 わかりやすい解説書。巻末の参考文献は非常に充実している。
アロウの「不可能性定理」、ハイゼンベルクの「不確実性原理」、ゲーデルの「不完全性定理」について、ディスカッション形式で解説した本。... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: 古本 よみた屋

5つ星のうち 4.0 世界はクリアカットに解明できない
その昔、人々、特に科学者は

世界は全て論理&科学でクリアカットに解明でき、「わからないこと」は何も残らない... 続きを読む
投稿日: 10か月前 投稿者: しおぴー

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