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イスラーム帝国のジハード (興亡の世界史)
 
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イスラーム帝国のジハード (興亡の世界史) (単行本)

小杉 泰 (著)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

この「大征服」は誰にも予想できなかった!
新たな世界原理・イスラームは、文明の空白地帯アラビア半島から突如登場した。草創期のイスラーム帝国は、いかにして多民族・多宗教の大領域を治めたのか。

内容(「BOOK」データベースより)

文明の空白地帯、七世紀のアラビア半島で誕生したイスラーム。世界帝国を創出した共存と融和の原理とは。二〇世紀初めに、最後のイスラーム帝国が滅んだとき何が起こったのか。現代にいたる「力による布教」のイメージを問い直す。

登録情報

  • 単行本: 382ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/11/15)
  • ISBN-10: 4062807068
  • ISBN-13: 978-4062807067
  • 発売日: 2006/11/15
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 230,567位 (本のベストセラーを見る)

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25 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 現代世界を理解する材料を与えてくれる良書, 2007/1/4
イスラームの歴史を,その誕生からアフガン戦争,9/11事件まで,「ジハード」をキーワードに解説しています.「聖戦」と訳されるジハードの本来の意味は,公正な社会実現のための「奮闘努力」であり,必ずしも武力(剣のジハード)を意味するのではなく,自らの内面の悪を正す「内面のジハード」という面が重要であるということがまず述べられます.著者の長年の研究成果をもとに,教科書的な知識を丁寧に復習しながら,著者独自の視点も交えて詳しく,しかし一般の読者にもわかりやすくイスラームの歴史,現状を論じています.

通読すると,イスラーム世界を軸として世界史を見通しよく再構築できると同時に,スンニ派/シーア派の違いといった基礎知識にとどまらず,なぜウサーマ・ビン・ラディンはあのような手段に出るのか,パレスチナ問題は今後どう展開するのか,テロ社会はどうしたら解決できるかなど,現実の問題を自ら考えるための数々の手がかりが得られます.単に知識欲を充たすだけでなく,現代の世界情勢をバランスよく考える材料を与えてくれるという意味で,一読,熟読に値する良書です.
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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 イスラム理解への一助として, 2006/12/19
 イスラム、というのは日本人にとって最も理解の難しい宗教・事象のひとつではないでしょうか?
 一般に、厳格な戒律を持ち、女性の地位が軽視され、お酒も飲めない(?)のに、なぜ世界中で多くの人々が深く帰依しているのか?
 また、なぜイスラムは宗教が国家の上位に位置するような、西側から見れば「時代錯誤」とも思えるような体制を取りうるのか?

 これらの疑問に明確な答えが見いだせないと、安直に「イスラムはファナティックな宗教で、理解不能」というレッテルを貼ってしまいたくなります。

 で、本書ですが。
 イスラムの草創から世界規模(あくまで、「帝国」と称せられる規模、ということですが)の版土を得るまでが詳細に記され、中でも「ジハード」が現在意味する「聖戦」というだけではなく、「自己の内面との戦い」までも含む幅広い意味の言葉であることを繰り返し述べています。また、分かりにくいスンニ派とシーア派の軋轢についてもその起源を解説しています。
 そして、現在の「イスラムは怖い」的な雰囲気を作り出しているのはあくまでも少数の急進派・過激派であって、多くのイスラムは過去の帝国が多民族・多宗教国家であったのと同様に、他者と共存可能な穏健派であることも、説いています。

 ただそれでも、なぜ現代においてイスラムだけがこれほど深く政治に容喙し、人々のこころを動かすことができるのか、たとえそれが「一部」の者であるにしても・・・という疑問は氷解しません。
 おそらく、多年にわたり無名有名多くの人が作り上げたイスラムの歴史は、1冊の本では理解することは難しいのでしょう。筆者の独断でもいいから、現在のイスラムにもっと深く切れ込んだ考察を入れて欲しかった、あと、他の巻に譲るのでというのはあってもオスマントルコについてもう少し触れて欲しかったという気はしますが。
 イスラムを理解するための、基本的事項を学ぶための本、と考えれば、よくまとまっていると言えるのではないでしょうか。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 一歩近づいたイスラ−ム社会, 2007/2/3
By 南河内太郎 (大阪・富田林) - レビューをすべて見る
世界人口の5分の一強(13~14億人)、
国の数にして57ヶ国(3分の一弱)を占めるイスラ−ム世界。
最近でこそ連日のように新聞やテレビで報道されるようになっていますが、
それはテロや紛争に関連した情報が中心で、
この社会については、まだまだ知らないことが多く、謎めいた地域です。

この本を読み解く上でのキ−ワ−ドは、
「ウンマ」(=共同体)、
「ウラマ−」(=イスラ-ム学者としての社会集団)。
この本の随所に出てきます。

それとともに、このタイトルにもなっている「ジハ−ド」です。
私たちはややもすると、「ジハ−ド=聖戦」ととらえがちですが、
著者はその短絡的なとらえ方に異を唱えます。
もともとジハ−ドとは、信仰の初期段階では「信仰のための奮闘努力」ということであり、
戦闘の意味は全くなかったそうです。
それが、その後イスラ−ム社会の形成過程で、
「社会的ジハ−ド」「内面のジハ−ド」「剣のジハ−ド」
の三つの側面を持つようになったとのことです。

著者の言葉を借りると、そもそもイスラ−ムとは、
<宗教を基本に社会を作る原理>(宗教と社会、宗教と国家を統合しようとする教え)
であり、その根本は、「包摂の原理」。
他の宗教共同体をも包摂するものだと考えます
(いわゆる「力」だけではない)。

そして結論として、今日のテロと反テロとの相克=暴力の連鎖を乗り越え、
21世紀を眺望するうえで、
中道派の中に広がりつつ草の根のイスラ−ム復興運動に注目します。
そんな思いを込めながら、著者はこう結びます。
 
 「イスラ−ム帝国の歴史を学び、そこにおけるジハ−ドがもともと社会建設の一環を
  なしていたことを理解するならば、そして、現在の中道派も、そのようなものとして、
   ジハ−ドを再構築しようとしていることを知るならば、その理解から対話の糸口へと
  道をつなげることも可能なのではないだろうか。」
 
この本を読み終え、異文化理解という点でイスラム社会が一歩近づいたような感じです。
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