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下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)
 
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下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫) (文庫)

内田 樹 (著)
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商品の説明

内容紹介

なぜ日本の子どもたちは勉強を、若者は仕事をしなくなったのか。だれもが目を背けたいこの事実を、真っ向から受け止めて、鮮やかに解き明かす怪書。「自己決定論」はどこが間違いなのか? 「格差」の正体とは何か? 目からウロコの教育論、ついに文庫化。「勉強って何に役立つの?」とはもう言わせない。


内容(「BOOK」データベースより)

なぜ日本の子どもたちは勉強を、若者は仕事をしなくなったのか。だれもが目を背けたいこの事実を、真っ向から受け止めて、鮮やかに解き明かす怪書。「自己決定論」はどこが間違いなのか?「格差」の正体とは何か?目からウロコの教育論、ついに文庫化。「勉強って何に役立つの?」とはもう言わせない。

登録情報

  • 文庫: 277ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/7/15)
  • ISBN-10: 4062763990
  • ISBN-13: 978-4062763998
  • 発売日: 2009/7/15
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 消費が先か労働が先か, 2009/7/15
 人気評論家内田樹のベストセラーの文庫化である。
 本書は内田の友人が開催した講演会で内田が語った内容を文書に起こしたものである。それだけに分かりやすく、また断片的な著作が多い内田作品の中では珍しく一貫したテーマを扱っていることもあって、それでなくても売れている同氏の本の中でも際立った売り上げを記録した。
 テーマは「学ばない子どもたち」と「働かない若者たち」である。内田によれば両者は同じ根を持っており、それは戦後日本における生活スタイルの変化と無関係ではない。
 日本国憲法によれば教育を受けることも労働することも、ともに国民の権利であると同時に義務である。だが今の子どもたちや若者たちは、少なくともそれをありがたい権利とは思っていない。むしろできれば避けたい苦役だと思っている。なぜだろうか。
 内田によればそれは、かつて子どもたちは労働主体として社会共同体へ参画したのに対し、現代ではまず消費主体として社会に参入していることに原因があると説く。
 内田は言う。子どもが親からお小遣いをもらって初めての買い物をするとき、記憶に刻み込まれるのは法外な全能感であろうと。商品売買の場面において、買い手の年齢など売り手はカウントしない。お金さえ払ってもらえれば、大人と全く同じ待遇をする。買い手としてそのような経験をした子どもは、この世はお金が全てであり、あらゆる関係を損得勘定(≒無時間モデル)でとらえようとする。教育さえも。それゆえ子どもたちは教師たちに問う。何のために勉強するのか、こんなことを覚えて何の得になるのか、と。
 労働に関しても同じことが言える。初めから消費主体として社会に参入した若者たちには、社会への恩返しとしての労働というモチベーションが欠落している。よって若者たちは問う。どうして働かなければならないのか、と。
 だが内田によればそれらの問いは間違っている。われわれは生れ落ちたときにすでに社会に参与している。それは自分の自由意志の問題ではなく、そこから自由意志が生まれるところの前提としての環境であり、選択の余地はない。あるいはすでに選択は終わっている。最初に労働主体として社会に参与していれば、上のような誤った問いが発生することはなかったであろう。
 内田樹は哲学者と呼ぶには何かが足りない(もしくは過剰である)ような気がするのだが、とにかく書くのが上手い。雑然としている世の中を実にクリアに切り裁き、しかも面白おかしく語ってくれるものだから、読者は何だか得をしたような気分になる。これだけ売れているのはビジネスマンでも興味が持てるようなテーマを一貫して扱っているためであろう。買って決して損はない啓蒙書である。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 難しいことを考えずに読むのが正解。, 2009/11/23
他のレビューを見ると賛否両論あるようですが、この本は難しいことを考えずに教育問題について書かれた気軽なエッセーとして読むのが正解です。実際、著者の講演内容をまとめたものなので、口語体でとても読みやすいです。いまどきの子ども・若者について疎かった僕にとって驚愕の内容が多く、非常に興味深かったです。

学級崩壊や勉強しようとしない子どもたちのを等価交換という考え方によって説明している点は、大きな発見でした(ただし、等価交換は諏訪哲二さんの説を引用したもの)。何の役に立つかも分からない勉強をさせられるという苦役に耐える代わりに得られるものは何なのか。教育をビジネスライク捉えてしまうのは、物心ついたときから消費主体として生まれ育ったゆえである。現在、社会問題となっている様々な事象をこの等価交換説によって読み解いていくあたりは、実にスリリングでした。
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13 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 ゆっくりとした宗教的成熟, 2009/10/17
著者は専門をフランス現代思想とする哲学者です。おもにユダヤ人哲学者レヴィナスが
専門でありタルムードに関する書籍の翻訳もあり、精神分析家ラカンに対する言及も
著作の中で多々あります。本書の内容はトップマネジメントカフェで、各界の識者への
講演が元です。

学びからの闘争が労働からの闘争につながるというテーマです。まず「日本の高校生の
自宅学習時間がゼロ」という新聞記事を読んで受験生を持つ親は表面的には「困った」という
顔をしても「内心」はしめたと思っているという主張があります。「競争相手がどんどん脱落していくわけですから、うれしくないはずがない」「でも自分がそんな不埒な感想を持っていることを本人は自覚していない」「でも、ほんとうはそうなんです」「無意識的には利益を得られるのではないかと期待している」「その無意識的な欲望が」「学力低下を心理的に後押ししている」と述べています。これは精神分析を援用したと思われ後にラカンに対する言及もでてきます。
さらに受験生が新聞の外交面や経済面が理解できないことから、目に見える風景に理解できないことが虫食いの穴が開いているとのべ、「僕であったら我慢できない」と述べます。その現象を小動物の仮死状態の仮説から説明しています。更に日本国憲法における教育を受ける権利を、起草者たるアメリカ人も想定外であったと説明しています。

「リスク社会の弱者たち」ではリスクヘッジについて考えることを江戸時代黙阿弥の作品では見られるのになぜ現代ではやめてしまったのか、市場社会のその起因があるのではと示唆しています。
労働については、上司に責任あるプロジェクトを任され、仕事が増えるからと辞めたサラリーマンの一例からフェティシィズム(呪物崇拝、物神崇拝、性的倒錯)に依って説明しています。

最後に「日本人はゆっくりと宗教的な成熟に向かってゆくだろう予測しています」という結論が述べられています。


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