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ローマ五賢帝―「輝ける世紀」の虚像と実像 (講談社現代新書)
 
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ローマ五賢帝―「輝ける世紀」の虚像と実像 (講談社現代新書) (新書)

南川 高志 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ローマはなぜ栄えたか。「人類が最も幸福であった時代」とされた最盛期の帝国の闇に隠された権力闘争の真相とは。新たな視点から皇帝群像を描き、ローマ史を書きかえる。

著者紹介

1955年、三重県生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程学修退学。大阪外国語大学助教授、京都大学文学部助教授を経て、現在、京都大学大学院文学研究科教授。京都大学博士(文学)。専攻は古代ローマ史。著書に、『ローマ皇帝とその時代』――創文社、共著に、『ギリシア文化の遺産』――南窓社――など。


登録情報

  • 新書: 244ページ
  • 出版社: 講談社 (1998/01)
  • ISBN-10: 4061493892
  • ISBN-13: 978-4061493896
  • 発売日: 1998/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 推理小説のような歴史書, 2000/11/28
By カスタマー
五賢帝ーこの言葉から通常想像されるイメージといえば、後継者にふさわしい者と養子縁組をなすことで次代の皇帝を決定し、平和で安定した政治体制を築きあげた令名なる皇帝たち、といったところである。 しかし、果たしてそれは本当なのか? このようなイメージは後世の歴史家たちが創り上げた幻想ではないのか?

実体のない養子縁組制、権力移行の際の政治不安定、それに伴う政敵の粛清、暴君としてのハドリアヌス帝、といった五賢帝のイメージとは全くかけ離れた事実を最近の研究成果も踏まえつつ本著は解き明かしてくれる。

あらゆる資料に基づき理由をあげつつ、五賢帝のイメージを突き崩す答えを導く様はまるで推理小説の謎解きをしてるようでもあり、ハラハラドキドキしながら次を読まずにはいられない作品である。

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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 古代ヨーロッパの歴史の常識を覆す好著, 2005/8/11
『ローマ興亡史』を著した歴史家のエドワード・ギボンは、古代ローマ五賢帝が統治した100年間近くを「人類が最も幸福であった時代」と呼んでいる。
広大な領土では、徳の高い皇帝が率いる政府によって善政が敷かれ、ローマ法、貨幣、度量衡などによる共通の社会システムが確立し、治安が安定し、貿易・経済も活発化していたからである。古代ローマの五賢帝時代は、まさにヨーロッパ古代史が到達した頂点の時代とも解されている。
それに対し、本書は「五賢帝の真実の姿」を浮き彫りにすることで、歴史の評価に疑問を投げ掛けている。
例を挙げると、広大な領土をくまなく巡幸し、各地で様々な恩恵を与えたとされている3番目の賢帝ハドリアヌスは、その治世の初期に有力な元老院4名を殺し、治世の終わり頃には義兄とその孫を自らの都合で自殺に追い込むなどしたことで、その死後、元老院からあわや「暴君」の名を冠せられるところであった。(そうなれば、後代の彼への評価はまるで違うものとなってしまうが、それは彼の後継者が元老院に「懇願」することで回避された。)
またハドリアヌスが、その前任者であるトラヤヌスから帝位を受け継いだ際、様々な陰謀があったと推測されることで、そもそも彼の皇帝としての正当性にまでも疑問符が付くのである。
これらは、五賢帝の影の側面の一例であるが、本書はこうした要素を丹念に発掘し、検証している。今までの常識が覆されていく知の興奮が、本書でも喚起された。
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5つ星のうち 5.0 よくまとめられた好著:西暦2世紀のローマ帝国, 2005/11/10
By 荒野の偏微分 (西日本) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
他の書籍を買うついでに目に付いたので読んだが、当たりだった。昔、高校時代に「ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス・・」と暗記したのを覚えている。96年から180年までの五賢帝時代というのは漠然と平和の続く平坦で退屈な印象をもっていたが、この書物は見事にそれを打ち破ってくれた。ローマ初代皇帝アウグストゥス治世の終わりから説き起こし、ドミティアヌス帝暗殺から五賢帝時代の幕開けネルウァ帝で1章、トラヤヌス帝とハドリアヌス帝に各1章、あとの2人をまとめて1章(主としてマルクス・アウレリウス帝だが)。各帝、各時代の概説のみに留まらず、解決されていない問題点や最新の歴史学の到達点をも平易に述べており、また論拠がきっちりと押さえられているのが素晴しい。特に「養子皇帝制」が事実上机上の空論にすぎないことには衝撃があった。この時代のみならず、西洋史全般の理解のためにも是非お勧めする。
ひとつだけ希望をいえば、初めがアウグストゥスなのに、最後がマルクス帝の死去までと、やや尻切れ蜻蛉の印象が拭えない。マルクス帝の実子「悪帝」コンモドゥスの暗殺前後までくらいは、マルクス帝の後継政策の結果として、五賢帝時代の名残と考えるべきではなかろうか。
ともあれ名著である。
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