本書は、冒頭から「iPhoneでケータイビジネスが変わる」と、いままでの日本の携帯事業の常識をやぶる革新性に驚いています。iphoneが「非常識」といえるほど革新的なのは、スイッチが4つしかないというシンプルな設計と、画面タッチの心地よさなど、まず製品自体の使い勝手が突出しているからです。
使ってみてこれだけ気持ちよければ、少々高くても売れる。
しかも、4万円近い「iPodタッチ」に電話機能が付いたと思えば、5万円以上でもそんなに高い気がしないから不思議です。
この商品力を武器に、販売元のアップルは携帯電話会社と独占契約を結ぶ条件として、基本料の一部をアップルに“上納”するよう求めているそうです。
日本の携帯電話はキャリア(電話会社)主導で事業展開してきましたので、iPhoneのように電話機を作るメーカーに有利な契約ははじめての経験です。iPhoneが日本に上陸すると、各社のシェアが変動するだけでなく、業界の慣習が大きく変わるきっかけになるかもしれません。
本書第2部では、これほど魅力的な製品を生み出したアップルの歴史と企業風土を分析し、第3部では日本メーカーがiPhoneのように魅力的な電話機を作れなかった理由を推論しています。
全体的にiPhone礼賛が中心ですので、少し割り引いて読む必要もありそうです。
ここで、注意をひとつ。
本書を読むと、「iPodタッチ」やiPhoneやアップルのパソコン(マック)が欲しくて欲しくてたまらなくなります。自制心に自信のない人は、ボーナスが出るまで手を伸ばさないほうがいいかもしれません(笑)。