内容(「CDジャーナル」データベースより)
流行歌として消費されない力強い意思と、“流されても良いじゃない”と軽くいなすしなやかさが同居するサード・アルバム。バンドスタイルにこだわらない椎名の姿勢が、閉じていながら恐いくらいに奔放な音楽を生み出した。メロディがすべからく秀逸。生ピアノも、いい味。★
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
お好み曲のカヴァー集『唄ひ手冥利~其ノ壱~』を挟んで、オリジナルとしては3年ぶりとなるサード・アルバム。まず冒頭、桜吹雪の如き琴の乱れ弾きからして、新しい春(穏やかさとは限らない)の到来を鮮明に告げている。幾多のバンド・コンセプトを解き放ち、オーケストラやレコーディングのマジックに興ずる奔放な艶姿。和洋折衷した楽器群や鳴り物、効果音コラージュ、拘りのアンビエンス、多重ハーモニー諸々。各曲にまつわるすべての趣に意匠を凝らして悦に入っているという。しかも、この音世界=林檎流ウォール・オブ・サウンドがそもそもの本意であり真意であるというから、過去作品は悉く確信犯的な業だったってこと? 恐るべき策略。ともあれ、紛れもない真打ち登場として讃えるしかない本作のテーマ、「茎(STEM)」を核として左右に広がる作品は字数、字画、演奏家まで対照に整えてある。果たしてこのロールシャッハに何が見える? と、聴く者も大いに試されているのである。安堵か奈落か。 (除川哲朗) --- 2003年03月号