出版社/著者からの内容紹介
村上医師が目指す地域医療のかたちは、カリスマ医師を必要とせず「普通の医師」がだれでも行える予防医療やプライマリケアの仕組みをつくることであり、地域医療を手段とした町と地域社会の創造である。
そして一言でいえば、村上医師は医師法第一条の正当なエージェントなのである。(第7章一人ひとりの「希望」の杜 村上スキームの底流より抜粋)
著者からのコメント
「村上スキーム」は、村上医師ならびに「夕張医療センター」で働く人たちに向け、私が敢えて送ったオマージュである。
それは、地域医療という、現代では様々な困難をかかえる領域で、一つの「公論」を実行に移し、奮闘努力している姿勢に向けられたものである。
村上医師は、「僕は正論しか言わない」と言う。
概して「正論」を言う人は実行せず、
最悪なのは実行もしないし、「正論」以外を排除する。
村上医師の言う「正論」については本書を読んで頂きたいが、
注目すべきなのは村上医師が「正論」を「言っている」のではなく
実行していることで、そのことがどんな困難を夕張医療センターにもたらしているかを身をもって内外に潔く明らかにし、
しかしその困難から生まれる地域医療の現代的な可能性を
日々提示していることである。
その意味でも村上医師の「正論」は「公論」と言った方がよいと思う。「公論」がなかなかできにくい日本の風土で、「公論」の実行
をリスクを引き受けてまで行う村上医師のクロニクル、彼をとりまく人々、風景をことばにとらえた。