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さかしま
  

さかしま (単行本)

by J.K.ユイスマンス (著), 渋澤 龍彦 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

三島由紀夫をして“デカダンスの「聖書」”と言わしめた幻の名作が待望の文庫化。ひとつの部屋に閉じこもり、自らの趣味の小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサントの数奇な生涯。澁澤龍彦が最も気に入っていた翻訳。 --This text refers to the 文庫 edition.


内容(「BOOK」データベースより)

「生産」を至上の価値とする社会に敢然と反旗を翻し、自らの「部屋」に小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサント。渋沢龍彦が最も愛した翻訳が今甦る。 --This text refers to the 文庫 edition.

Product Details

  • 単行本: 386 pages
  • Publisher: 光風社出版 (1984/01)
  • ISBN-10: 4875199007
  • ISBN-13: 978-4875199007
  • Release Date: 1984/01
  • Average Customer Review: 4.0 out of 5 stars  See all reviews (10 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #635,992 in 本 (See Bestsellers in 本)

    Category Ranking:

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11 of 12 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 渋沢翻訳文学の傑作, 2007/7/21
このレビューの引用元: さかしま (河出文庫) (文庫)
「さかしま」は渋沢龍彦が遺した訳業のなかでも、彼の実力、趣味嗜好や世界観がもっと
も幸福な結実をとげた傑作と申せましょう。言ってみればなんとも奇妙な小説ですが、物
語としての構造などにはお構いなく、ユイスマンスが想いのたけを存分に披瀝した特異
な文学作品だと思います。また十九世紀末フランスでしかこれはありえなかったでしょう。
第五章でのギュスターヴ・モロー、ヤン・ロイケン(正しくはなんと読むのだろう?)、
オディロン・ルドンらの絵画作品についての叙述は前半での大きなハイライトになってい
ます。また第三章でのラテン文学の蘊蓄は日本人にはあり得ない、まさにヨーロッパ的教
養というものを痛感させてくれます。第八章の妖しい花々と毒々しい幻想も印象的です。
第十二章からは私の好きな部分を引用させて頂きます。 
「このまことに奇妙な、まことに定義しにくいサディズムなる状態は、実際、無信仰者の
 魂においては起こり得ない状態である。(中略)サディズムは何よりもまず、聖の実
 行、道徳的反逆、精神的放蕩、完全に観念的でキリスト教的な錯乱の裡にこそ存するの
 である。」
純文学と大衆文学、小説とエッセイ、詩と論説といった峻別に囚われない精神の持ち主に
お薦めしたい本です。
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5 of 5 people found the following review helpful:
2.0 out of 5 stars ごめんなさい、分かりません, 2009/2/26
By とうご (岩手出身) - See all my reviews
このレビューの引用元: さかしま (河出文庫) (文庫)
文章の見事さや、この人の知性や才能を感じることは出来ましたが、三章などの古典文学の知識が無ければ『はぁ、そうなんですか‥』という気分になるようなところや、ストーリーなど気にせずに芸術批評をつらつらと書かれるとなると、色々と文学、絵画の知識がある人には刺激があると思うのですが、知らない人にとっては大学で基礎知識がないのにその分野の上級レベルの講義に出た感じになります。部分部分は興味深いのですが、普通の読者には分からないことばかりでした。マシンガンの様に未知の人物名が出てきて、30ページくらいのところで既に註が100を超えたりする作品は、ゲーテの『ファウスト 第二部』以来でした(こういった要素をここで私は述べたいのです)。もっと勉強してから出会いたい作品でした。
ただ、決して悪い作品というわけではありません。自分が理解できなかったということです。
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25 of 29 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 食虫花さかしま, 2006/9/15
By きくいちもんじ "kikuitimonji" (東京都区内西北部分) - See all my reviews
このレビューの引用元: さかしま (河出文庫) (文庫)
本書は読む人を択ぶと考えます。勿論、択ばれたから偉いとかその逆とかいうことでは全くなく、本書が放つ独特の臭気を好むか否かというただその一点だけなのであります。ある種の食虫花は腐臭を発することでハエをその粘着性のある花弁に集め、捕虫して溶かしてしまいます。まさしくわたしはデカダンの匂いを発する『さかしま』という食虫花に囚われてしまいました。
本書には中世キリスト教史、中世思想史、中世美術史にまつわる名がやたらと出て参りますが、特段の知識を必要とするものではありません。登場するのは「乾いた」モノ、人でいえばその名、であり、そのどれもが、ただ集められているだけで主人公デ・ゼッサントと確たる関係を取り結ぶものではありません。それらモノの集積は、デ・ゼッサントを中心として、まるで宇宙の系のように、閉じた世界を作ります。そして「ゴミグモの巣」のように擬装し内閉した、誰に干渉されるでもない世界において彼は、幻想の世界に遊ぶのであります。神経症から逃れるための幻想は更なる「ゴミグモの巣」のゴミを生み出し、擬装は更に重々しくなります。

しかし高踏的なモノの集積、その何たる豊饒!
現代では同じようなことをしても、このようにはいかんのでありましょう(例えばブレット・イーストン・エリス『アメリカン・サイコ』におけるモノの集積、に見られる退屈と不毛)。

ストーリーなんてほぼあってないようなものなんで、だらんと終わっても違和感ないなあと思いながら読んだら、その終わり方もすばらしい。
最後になるけど、当たり前ながら訳もすばらしい。
一読の価値はあります。でもその独特の臭気がお気に召さなければ、早々と退散しましょう。じきに体が溶けるかもしれません(笑)
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