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「集団主義」という錯覚―日本人論の思い違いとその由来
 
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「集団主義」という錯覚―日本人論の思い違いとその由来 (単行本)

高野 陽太郎 (著)
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

広く流布する日本人論の検証を通して明らかになった、状況の力と思考のバイアス。国家、民族間に溝をつくりだし、しばしば政治的な対立を激化させる文化的レッテルへの警鐘。


内容(「BOOK」データベースより)

広く流布する日本人論の検証を通して明らかになった、状況の力と思考のバイアス。国家、民族間に溝をつくりだし、しばしば政治的な対立を激化させる文化的レッテルへの警鐘。

登録情報

  • 単行本: 360ページ
  • 出版社: 新曜社 (2008/6/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4788511150
  • ISBN-13: 978-4788511156
  • 発売日: 2008/6/25
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 20,806位 (本のベストセラーを見る)

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5つ星のうち 5.0 日本人論の解体, 2008/7/12
By ソコツ - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
日本人は集団主義、欧米人は個人主義、この思い込みの誤りを実証的に徹底的に批判し、究極的には日本人論のみならず全ての本質主義的な国民性(文化)論の過ちを思い知らせる本である。日本人論の危うさやイデオロギー性を批判する議論はこれまでもあったが、ここまで体系的な批判書は従来になく、批判が徹底し過ぎてやや冗漫な印象はあるにせよ、必ず有益な読書体験をもたらしてくれるだろう。
『菊と刀』をはじめとする著名な日本人論と、それに対する反日本人論を紹介しつつ、なぜか今だ後者よりも前者の方が世間的には信憑性が高いという状況を確認した後、そのような状況がなぜ成立したのか、という謎の解明とともに、著者の実証的な反日本人論が展開される。「敬語」や「いじめ」や「日本的経営」から日本人の集団主義を説く言説の誤解を各種の先行研究を参照しつつ論破、集団主義を「実証」したとする従来の研究の不適当さを指摘、そして歴史上あるいは現代日本人の行動の中から個人主義的なものをいくつも指し示し、日本人=集団主義の説が成り立たないことを明らかにする。
この誤った通説が成立した(している)のは、戦時下における集団性の強化という、前世紀の日本で確かにみられた現実を、どこの国でも状況に応じて起りうる一時的な行動パターンと理解せず、それが日本人に不変の「性格」だと認識したことの誤りにあると著者は結論づける。いったん出来上がってしまった認識のあり方は、それとは背反する事実を見えなくし、逆にその思い込みを強化する事実ばかりを「証拠」として収集させてきた。特に、日本をよく知らないが権威のある欧米人が語るバイアスのかかった日本人論を、多くの日本人がありがたく受け入れてしまい、そのバイアスのかかった目で現実を見てきたのが悪かった。
そのような安易な考えをせず、日本人にせよ他国の人間にせよ、ひとりひとりの言動や性格をよく観察し反省しながらものを考えよう、と著者は最後に提言する。そうすれば、世の中にあるのは「文化」の差異というよりは個人の差異であり、また状況に応じて変化する個人の性格の差異であることに気がつき、特定の人間集団に固有の性格などを抽出することはほとんど不可能であることが判明する。
それが判明した後では、日本人論などは成立しなくなる。よって日本人論をやっている人々が、愚かにみえてくる。
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30 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 バイアスの罠?, 2008/12/20
「集団主義」という用語を既定のものとして注釈なしに使うことの危うさは指摘の通りだと思った。その点を評価して星は3つにした。
しかし、本書を社会論・文化論としては読めなかった。
準拠集団の優先順位・個人の自由が抑制される時空、といったことがそれぞれの社会や文化を形成している。そこから個々人を引きはがして来て、心理実験をすれば、どうなるだろうか? 日米を比べても大差はなく、個人差の方が重要性が高いという結果になることは、十分ありうるように思われる。
文化や社会は個々人の足し算でできているわけではない。むしろ個々人に先立ってあるのではないか(もちろん不変ではないが)?本書に挙げられているような実験でいきなり文化や社会まで射程に入れることは妥当なのか?そういった疑問が頭から去らなかった。
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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「科学的データ」と「実感」の間にあるもの, 2009/1/3
アメリカは個人主義,日本は集団主義という一般的に受け入れられている概念を,実証的な心理学的研究をもとに否定している.質問紙による研究,実験による研究の多くが,この概念を支持しないことはとても興味深い.加えて,日本人が集団主義であるという概念が受け入れられることになった背景にも焦点をあて,社会心理学的な議論を展開している.十分説得力のある説である.

ただ,視点をずらして体験的に考えてみると,アメリカ人と日本人の周りとの接し方が異なることは事実のような気もする.アメリカ人の方が,かなりはっきりと物を言う.この矛盾はどこから来るのだろうか? 本当に錯覚なのだろうか? あるいは論じられている集団主義の定義自体が西洋的で,もっと別の定義が存在するのだろうか? たとえば,お互いに明確な意見を表明せずに相手を理解する土居健郎氏の「甘え」の概念を考慮すれば,知らないうちに考えを次第に共有していくという集団主義ができる.明確な意見を表明しないのだから,相手の意見に従う”明示的な”集団主義ではない.表面上に現れる些細なことには個人主義的にふるまっていても,”潜在的に”既に集団主義の一員となってしまっていると考えられるのではないだろうか? ここで示されている研究が,そこまで対応できているかには疑問が残る.心理学でいう妥当性をどうとらえるかが,今後の課題ではないだろうか.

いずれにせよ,自分が所属する「日本人」という集団について科学的に思いを巡らすには格好の書物である.
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