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少女には向かない職業 (創元推理文庫)
 
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少女には向かない職業 (創元推理文庫) (文庫)

by 桜庭 一樹 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した…あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだったから―。これは、ふたりの少女の凄絶な“闘い”の記録。『赤朽葉家の伝説』の俊英が、過酷な運命に翻弄される少女の姿を鮮烈に描いて話題を呼んだ傑作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桜庭 一樹
1999年、「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市ロンリネス・ガーディアン』と改題して刊行)で第1回ファミ通えんため大賞に佳作入選。2003年開始の『GOSICK』シリーズで多くの読者を獲得し、さらに04年に発表した『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価され、一気に注目の存在となる。07年、『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を受賞、直木賞候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 270 pages
  • Publisher: 東京創元社 (2007/12)
  • ISBN-10: 448847201X
  • ISBN-13: 978-4488472016
  • Release Date: 2007/12
  • Product Dimensions: 5.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.0 out of 5 stars  See all reviews (10 customer reviews)
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10 of 19 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars あたし、大西茜十三歳は、人をふたり殺した。, 2008/2/15
By ringmoo (愛知県高浜市) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
「中学二年生の一年間で、あたし、大西茜十三歳は、人をふたり殺した。」と言う、衝撃的な書き出しで、どんな本を手にとってしまったのだろうと、ちょっと躊躇を覚えます。
でも、最後まで読んで見ると、確かにこの感覚なんですね。この一文で、この小説のすべてが言い表されているように思います。

親切な刑事が言います。
「きっと、ぼくらの時代の貧しさや焦燥感とはちがうなにかに、じっと耐えている世代なんだろうねぇ、君たち若者は。無理をせずに早めにSOSを出してもらえれば、大人としても助かるんだけどなぁ」
読んでいると、確かにこの感覚なんです。

主人公の茜は、母親とアル中で心臓病の義父と一緒に暮らしています。場所は、下関の沖合いの島です。
閉塞感のある環境で、アル中で小遣いまで盗んで飲んでしまう義父との暮らし、母親は子供への愛情を持たず利己的です。こんな環境で育ったら、捻くれた性格になってもおかしくないでしょう。でも、学校では外見的には冗談を連発し道化を演じています。

そんな彼女が、静香に後押しされるように「父親殺し」をしてしまいます。
でも、そこに至る悲壮感のようなものを感じられません。ただただ考え方の視野の狭さは感じますが、そこに絶望感や悲壮感のようなものはなく、彼女の好きなゲームのように衝動的にスイッチが切り替わって、人を殺してしまいます。

読んでいて、刑事と同じ心境になってしまいます。
現代の少女たちの感覚はこんなものなのでしょうか。私たちには、理解できない世代です。
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2 of 4 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 踏み越えきれない線の上, 2008/4/23
「少女の魂は殺人に向かない。誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに」(冒頭より)

踏み越えてはいけない線を思いがけず越えてしまった、少女の物語。
冒頭の告白にうまくひきこまれてしまって、つい手にとった小説。

この物語のいいところは、少女がぶれて崩壊まっしぐらになるのではなく、あくまで自分のしたことに驚き、恐怖し続けているところ。
キレて殺人に開き直ってしまったら、きっとそっちの方が楽なのかもしれない。
けれど、主人公の少女は振り切れてしまいそうになりながらも、踏みとどまる。
越えたらもう戻れない線の上を、行ったりきたりしている少女の魂を追って読むのがおもしろい。

心の中に秘めた暴力性を、弱い者にぶつけてしまう揺れ動きなんかは上手だなあと思った。
ただ、中学生女子は「夜のしじま」なんて表現は使わないと思う。

とはいえ、おもしろかったと思うので、軽く読むのにおすすめ。
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3 of 7 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 傑作!, 2008/6/18
By 樽井 (兵庫) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 直木賞受賞で完全にブレイクした桜庭さんの本です。
 この方の本は、これが初読みでしたが、素直に面白かったので他のも少しずつ読んでいこうかと思います。
 「中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人を殺しました」
 そんな衝撃的な独白で幕を開ける物語は、この葵という少女と、クラスメートの宮乃下静香という少女の二人の物語です。彼女達は夏休みがくるまでにお互いをそれと意識したこともないくらい、まったく親しくもなかったのですが、ある事がきっかけで急速に仲良くなり、そして二人で殺人を犯してしまいます。果たしてどんな経緯で、どんな目的で、どうやって少女が殺人を犯すのか。それは読んでいただくしかないですが、この作品、どうぞ最後まで読んで下さい。 
 というのも、途中まではいかにもな少女ものなので、人によっては投げたくなるかも知れませんので。たぶん、好みの問題ではあるのですけれど、こういう少女特有の心の動きとかが苦手だという人の話もよく聞くのであえて書いておきますが、もしそうでも最後まで読んで下さい。
 途中まではこの小説、わりあいとオーソドックスなジュヴィナル小説というかライトノベル的な雰囲気で、少女期毒との屈託や親への反抗(彼女の場合は、「大人は誰もわかってくれない」という言葉の裏にそれだけの重い生活があるのだけれど)を描いていくのですが、それが後半からまた一段違うミステリ物語へと変貌していくからです。一粒で二度美味しいというか、前段後段で二つの小説を味わっているかのようなそんな感覚が味わえます。連続しているんだけれど、二つの味わいがここには同居しています。
 中学生には中学生だからこそ感じる、そして逃げようのない苛立ちやそれをはねのけるだけの力がもてないことへの苛立ちが確かにあります。自分たちがかつてそうだった地点というのをくっきりと思い出させてくれる描写を著者は丹念にしていきます。シリアスな物語の中でも、それでも学校での友達づきあいがだらだらと続いたり、仲間うちでのつきあい方に一喜一憂したりといった今どきの現実をきちんと描いてくれます。だからこそ、そんな中でこの女の子たち二人がやらざるを得なかった、自分というものを肉体的にも精神的にも守る為にやったことを、ストレートに自分が中学生のときだったらという気持ちで読む事ができますし、たぶんある部分ではなんだかわからないけど感動したり応援したくなったりすると思います。
 内容に触れてしまうのでこれ以上書けませんが、表面的な謎解きや日常と非日常のアンバランスを楽しむというよりは、少女特有の世界、彼女達から見た世界でしかありませんが、そういうものを感じて自分の気持ちがあっちこっちへさまようのを楽しむような物語です。
 。。。今回のレビューは自分的にもうまく伝わらないだろうなぁ、、、というのがよくわかっていますが、本当にまぁ「とにかく読んでみて。そしたらわかるから」というお話です。でも、ひょっとすると女性が感じるものと男性が感じるものは全然違うかも、と思わせる小説でもありました。
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