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秋の花 (創元推理文庫)
 
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秋の花 (創元推理文庫) (文庫)

北村 薫 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。



内容(「BOOK」データベースより)

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高生の墜落死―親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である『私』は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんに打ち明けた日、利恵がいなくなった…。

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5つ星のうち 5.0 人間のもろさが切ない作品, 2005/1/18
 「私達って、そんなにもろいんでしょうか」
帯に書かれたこの言葉が読後の私を貫く。
人にはどうしようもないことがある。それを「運命」と呼ぶのだろう。
だが、どうしようもなかったと思っても思っても、やりきれない思い
に縛られてしまうのだ。

「日常の謎」シリーズとして始まった「私」の成長物語。
この作品で「私」は高校の後輩の死に直面する。
その死の謎を解き明かしてくれた円紫師匠に
彼女が問い掛けた言葉が冒頭の一文だ。

「私たちってそんなにもろいんでしょうか。」
あまりにもあっけなく死んでしまった真理子。
親友がなくなり、心の均衡を崩す幼馴染の和泉さん。
和泉さんに助けを求められながらも、
何もすることができない無力感を抱きつづける「私」

そう、人間はもろいのだ。どうしようもなく、弱いのだ。
それでも、私たちは命がある限り「明日」に向かっていく。
たとえ心が病んでいても。後悔に押しつぶされそうになっていても。
生きている限り、私たちは昨日を後悔しながらも、
明日の幸せを夢見て、今日を精一杯生きる。

和泉さんと「私」を見守る円紫師匠と真理子の母親の
暖かい視線に、こういう大人でいたい、と心のそこから思った。

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5つ星のうち 3.0 その、見えざる手, 2006/7/18
推理小説(あるいはその形式を採った作品)の利点は色々あるのだろうけれど、個人的には作中でのターゲットの心の動きを分析することが、巡りめぐって読者自身の心を分析することを可能にする点が面白い。また、本について語ることはつまり自分について語ることだ、とは作中で主人公が語るセリフだけれど、ならば「語るに足る推理小説」は二重の自己分析を可能にするのではないだろうか。一度は物語が与えるメソッドで。そしてもう一度、今度は自分のやり方で。

本作の種明かしはまことに可愛いもので、それに割かれるページ数からもわかる通り、それ自体に重点はほとんど置かれていない(ように見える)し、悪く言えば実際、それほど面白くもない(ように思える)。ただし曖昧模糊とした状況で主人公が語る「稲穂の蔭」のような数々のヒントが、読者を事件の真相にではなく、それをどのように受け止めるのかという「意味づけ」にこそ導くように、結局のところ、この物語は自分自身に対する推理小説なのである。

真理子という示唆的な名を持つ、既に止まった時間を核に、利恵、私、そして読者はそれぞれ「彼女」の心を読み解こうと試み、やがて「自分」の位置に思いを馳せる。あるものは倒れ、あるものは絶望し、あるものは迷い続けるその途上に、彼女の残した「きっと」という言葉。それは運命、その意味へと向き合う人の希望であり、なによりも祈りなのである。最終項、母のまぎれもない鎮魂のことばが、本作の本質を物語る。

――, 永遠の安息を彼らに。絶えざる光を、かれらの上に。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 日常のすぐ傍にある死, 2004/7/27
日常の謎シリーズの代表とも言える「円紫師匠と私」シリーズの第三作目。

テイストは前2作と変わらない。
私は正ちゃんや江美ちゃんと大学生活を楽しみ
むさぼるように本を読み、落語に触れて生活している。

そこに突然、「近所にすむ後輩の死」が舞い込んでくる。

私たちは、「死は遠いところにある」と勘違いしがちだ。

だが、死は決して遠いものではない。
本来、死は日常と隣り合わせに存在しているのだ、と静かに気づかされる。

「私たちってそんなにもろいものなんでしょうか」
読後、私たちに向かって帯文句のこの言葉が静かに訴えかけてくる。

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投稿日: 2002/8/6 投稿者: chimabook

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