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日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
 
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日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で (単行本)

水村 美苗 (著)
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内容紹介

豊かな国民文学を生み出してきた日本語が、「英語の世紀」の中で「亡びる」とはどういうことか? 日本語をめぐる認識の根底を深く揺り動かす書き下ろし問題作!


内容(「BOOK」データベースより)

「西洋の衝撃」を全身に浴び、豊かな近代文学を生み出した日本語が、いま「英語の世紀」の中で「亡びる」とはどういうことか?日本語と英語をめぐる認識を深く揺り動かし、はるかな時空の眺望のもとに鍛えなおそうとする書き下ろし問題作が出現した。

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495 人中、354人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 知っていることだけを語るのが良い., 2008/11/11
By ymatsui4 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
この書物は,その意図する所には賛成であるが,悲しいことに夥しい誤りが含まれていて,全体の信用性を落としている.著者は自分のはっきり知っていることだけを語るべきであった.まず,インド-ヨーロッパ (印欧) 語において,Lithuania 語は言語学上,主要言語であり,これに気付かないでヨーロッパの言葉を論じるのは危ない.更に,数学と自然科学に於いてなにやらメタ言語が存在するかのような示唆は完全な誤りである.フェルマーの最終定理を証明 (1995)した Sir Andrew Wiles の論文は100頁を超す長大なものだった.これは英語で書かれているが,日本語に完全に翻訳可能である.日本の開化期に,先人たちはヨーロッパの学術用語を自らの漢語の実力をフルに使って殆どすべて日本語に移した.Wiles の証明の基礎となった谷山-志村予想は,確実に本来日本語で考えられたのだと私は確信する.今年 (2008) のノーベル物理学賞もそうである.あとはその時代の世界語で論文を書くだけで,文学とは異なり一対一対応の翻訳が可能なのである (正確に言えば,この議論を論文にしようと決めた瞬間に, author の中で日本語は消え,考えは世界語モードに切り替わる.そうする理由は,英語なら英語なりに簡潔で迫力ある文章を書く必要があるからである.こうして我々理系の人間は,寺田寅彦の時代から日本語の死を体験し続けているのだ).数学と科学を余りに誤解されると,これらの分野が被害を受ける.そんなことのないためにも,知らないことは書くべきではないのだ.
 
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52 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 文学者の言語論の典型, 2009/2/22
社会科学的視点や社会言語学、言語学の素養がない文学愛好者が言語を論じるとこうなります、というサンプルのような本です。筆者の体験談などはおもしろく読めますが、筆者が一番書きたかったことであろう後半部の主張は情緒的に述べられているのみです。例えば、言語エリート教育の是非で論点となる情報格差、貧富の差(278ページ)という問題は、「生じるとは思えない」と根拠なく流されています。日本語表記における漢字使用についても、1960年代以前の文字論だけしか念頭にないようで、不勉強が際だっています。ましこ・ひでのり『イデオロギーとしての<日本> 「国語」「日本史」の知識社会学』三元社などと併読することを勧めます。
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63 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 危機感は共有できるが、対処法は正しくない。, 2009/2/25
By dico_ut_sentiam (東京都東久留米市) - レビューをすべて見る
 言語には「普遍語―国語―現地語」の3つのレベルがあるのは確かだが、問題は「英語が普遍語である」のではないということである。英語にも(ラテン語にも漢文にも)「1.普遍語」「2.国語」「3.現地語」の3つのフェーズがある(あった)というのが真実であろう。例えば黒人英語とかコックニーとかは現地語である。故に、日本国民に必要なのは「普遍語」としての英語であって、断じて「国語」としての英語ではないということを著者は論ずるべきだった。資源のない日本は技術なり知恵を外向けに輸出して生きていくしかない。そのためには、「現地語」としての日本語で思考し、「普遍語」を使ってその成果を世界に発信する能力が必要であり、もっと多くの日本国民が「この事業に参加するために」英語を学ぶべきである。それには著者の言う「少数精鋭の二重言語者」では全然数が足りない。
 あと、文人らしいといえばそれまでだが思いこみが多すぎる。例えば、言語学者は言語の体系を研究するのが目的なので、どのような言語も平等に扱う。よって、言語学では書き言葉の間に序列があるという考え方が入り込む余地は無いのである。のくだりは明らかな詭弁(もしくは事実誤認)である。平等と序列の違いは
 全ての人間は平等である。故に社長と社員の間に社会的序列があるのは間違いである。
と言い換えてみれば万人にとって一目瞭然であろう。あと、文章の随所に「文学をやっている高尚な人間」と「それ以外」のような変な選民意識(コンプレックスの裏返し)を感じるのは私だけだろうか?著者も評者も含め、現代日本語の危機は(それが英語によるかどうかはともかくとして)日本語で「理」が建てられなくなりつつあるところから始まるのではないかと思う。
 最後に、古典を学ぶのは大事だが「温故知新」の視点が常にないと意味がない。本著を読む限りにおいて著者はただの懐古主義者にしか見えない。読んで訳してハイ終わり みたいな手抜き授業がこれ以上増えても困るのだ。
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