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琥珀枕 (光文社文庫)
 
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琥珀枕 (光文社文庫) (文庫)

森福 都 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昔々、中国は東海郡藍陵県。県令の子息、十二歳の趙昭之は、徐庚先生の下で勉学に勤しんでいた。この先生、実はすっぽんの化身。その故か教育の術も独特、丘に登り市井の人事を観察させ世間を学ばせるというものだった。今日も二人が下界を覗き見ると…。不死の仙薬、人肉食、人面瘡。種々の怪異に、人々の欲が絡み事件は起きる。怪奇幻想ミステリー連作七編。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森福 都
1963年、山口県生まれ。広島大学医学部総合薬学科卒。’96年『薔薇の妙薬』で第2回ホワイトハート大賞優秀賞、『長安牡丹花異聞』で第3回松本清張賞を受賞。卓越した発想力と独特のユーモア感覚が持ち味。中国時代ミステリーから現代推理小説まで幅広いジャンルで活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 興味深い作者, 2006/12/21
昔の中国を舞台にした妖怪ものの短編集。
妖怪もの、と言ってもおどろおどろしい内容ではなく、人間の性(サガ)を様々な角度から捉えて浮き彫りにしたドラマである。
長寿・金銭・権力・愛憎……。
永遠のテーマとも言える人の持つ欲望の数々を、妖怪ネタとうまく絡ませて、どの作も見事に描出していると思う。
稚拙な表現だが、「ひょっとしたら、欲そのもの=妖怪と言えるのかもしれない」と思わせるほどの奥深さがある。

文章もすっきりしていて読みやすく、無駄のない表現が、逆に物語に重々しさを与えているような印象さえある。
個人的にこのような日本語は好きだし、手本にしたいような良質さだ。

久々に、他の作品も読んでみたいと思った作者に出会った。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 発想が豊かで、漢字が多いのも苦にならない, 2007/11/8
日本を舞台にした、「あやかしもの」とは少し違う。宮部みゆき、畠中恵などとは同じようなあやかしをテーマにしながら、作風が違う。彼女たちのあやかしは、なんか、浮世離れしています。(当たり前ですがね)小野不由美なんかとも微妙に違う。
どちらかと言うと、森福都の方が、リアリティがあるのですね。物語自体は途方もないお話なんですが、なんともリアリティがあるのですね。あやかしよりも、生身の人間の方が遙かに恐ろしき存在であることが物語にリアリティを与えているのでしょう。
兎に角、面白い!に尽きます。少年が成長した続編が出れば良いのですがね。
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11 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 連作短篇の趣向が洒落ている、聊斎志異風・七つの中国綺譚集, 2007/10/10
By 東の風 (埼玉県) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
 中国を舞台にした、不思議な仙薬や壺、井戸にまつわる連作短篇集。「太清丹(たいせいたん)」「飢渇(きかつ)」「唾壺(だこ)」「妬忌津(ときしん)」「琥珀枕(こはくちん)」「双犀犬(そうさいけん)」「明鏡井(めいきょうせい)」の七つの話。
 水晶玉を覗き込むような感じで遠見亭から事件を眺めるのは、12歳の少年・趙昭之(ちょう しょうし)と、彼の塾師である徐庚(じょこう)先生。しかしこの先生、ただ者ではありません。普段は古井戸に住んでいて、陸に上がっている時だけ老人に姿を変えている、すっぽんの妖怪であります。
 連作短篇として話がつながっていく趣向が、面白いですね。前の話でちらりと名前が出てきた端役が、次の話では主役としてスポットライトを浴びている、何ていうんだろ、廻り灯籠的な話になっているのです。さらに、最初は昭之と徐庚先生のふたりだけだった舞台に他の登場人物たちが出てくるに従って、楽屋裏かと思っていたところが表舞台へと転じている妙味もあります。聊斎志異を思わせる不可思議な綺譚の味わいとともに、連作短篇の趣向が気が利いていたところ。ユニークで面白かったなあ。
 なかでも気に入った話は、魅力的な妖怪が出てきた「妬忌津」と、ミステリーの妙味は集中随一の「双犀犬」。
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