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血族
  

血族 (単行本)

山口 瞳 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

自己の出生にまつわるなにかについて母がかくし続けた秘密をさぐる。躊躇しながら休みなく。その結果みたものは─。亡き母への熱き愛と鎮魂をみごとに描破した菊地寛賞受賞作。解・野坂昭如ほか
--このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 単行本: 322ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1979/01)
  • ISBN-10: 4163052003
  • ISBN-13: 978-4163052007
  • 発売日: 1979/01
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 209,904位 (本のベストセラーを見る)

    カテゴリーランキング:

    24位 ─   > 文学・評論 > 文学賞受賞作家 > 直木賞 > 26-50回 > 山口瞳
    11393位 ─   > 文学・評論 > 著者別 > 日本の著者
    108997位 ─   > フォーマット別 > 単行本

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5つ星のうち 5.0 真実を求める迫力に圧倒される私小説, 2003/7/7
 自分のことをほとんど語ることなく亡くなった母。
 作者は、母の死後、その母が一体どこでどんな家に生まれ、母方の親族は一体どういうつながりになっているのかを解き明かしていく。
 その過程を、母の思い出などを交えて綴っている。
 登場する人物は、直接関わりのない人がイニシャルになっているのをのぞけば、親族もみな実名である。

 これは随筆ではないか、と思ったが、解説によれば「私小説」であるらしい。
 調べながら書いたのではなく、すべてが明らかになってから書き始めてあり、後に、事実を明らかするときのための伏線も張ってある。

 ミステリのようであり、読んでいるうちに引き込まれてしまった。しかし、謎解きではなく、母が生まれたあたりを歩き回り、出会った人に!話を聞くことですべてが明らかになる。
 それほどまでして隠さなくてはならないことか、とは思うが、当人にとっては切実な問題だったのだろう。
 一カ所、読んでいて、「あっ」と思ったところがある。

 工場を廻って壊れたグラインダーを集める男が登場する。
 この男は、小関智弘『大森界隈職人往来』(朝日新聞社)に登場する男ではないだろうか。小関智弘は、いったい何のために集めているのか分からず、同僚と首を捻っているが、この本に、その使い道が書いてある。
 意外なところで意外なものとつながっているものだ。

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46 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 血の系譜, 2003/9/28
By ベック - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
本書は、山口瞳自身の家系の謎に迫る本である。自分の過去を語ろうとしない母。美しく奔放で、どち

らかというと豪放磊落な性格の母の出生について氏は何も知らなかった。幼い頃に見た光景、家に出入

りしていた人たちの言葉、そして数々の資料をひもといて氏は自らの出自の謎に迫る。

謎が解明される過程は、まさしくミステリのようだ。それも真相を知りたくない類のミステリだ。

血の系譜を知るということは、興味と恐怖が混在する行為である。

自分の先祖が誰で、どういうことをした人物だったのか。これは知りたいが、知れば見なければよかっ

たと思うこともあるかもしれない。

著者の山口氏は、その一族の謎に全力でぶつかっている。氏の生年は1926年、本書が発表されたの

が1979年。

その間53年。氏は50になるまで、この謎に手をつけられなかったのである。

知ることの恐怖が、著者に二の足を踏ませていたのだろうか。その切実な思いは、読んでいるこちら側

にも痛いほど伝わってくる。氏の母に対する熱い思いが、一族に対するやり場のない無力感が、ひしひ

しと読み手に伝わってくるのである。自らの出生の秘密をこれだけ赤裸々に語った書を、ぼくは知らな

い。すさまじい私小説だ。
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91 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 日本版「ルーツ」, 2006/8/3
このレビューの引用元: 血族 (文春文庫 や 3-4) (文庫)
 単行本で発売直後に購入した。
 表紙に、明治か大正をイメージさせる女性の写真が掲載されているのが印象的であった。
 ふとしたことから、自分のルーツを探索し始める作者は、そこに現れてくる、本当は見たり聞きたくない話にも、しっかりと正面から向き合ってさらに「謎」を追っていく。
 サディズムにも似たあくなき探求は、自分探しの旅の話としてはあまりに残酷である。
 自分のことでもないのに「もういいよ、ここらで止めておいたら・・・」とつい言いたくなるのだが、こちらも、怖いもの見たさに先を読んでしまう。
 作者にとって、母への深い思いと、自分の出生の謎を追うことは、果たして幸せなことだったのだろうか?
 こういうのが本格的な私小説だと思う。
 読後の疲労感が忘れられない。

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