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贖罪〈上〉 (新潮文庫)
 
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贖罪〈上〉 (新潮文庫) (文庫)

by イアン マキューアン (著), Ian McEwan (原著), 小山 太一 (翻訳)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

現代の名匠による衝撃の結末は世界中の読者の感動を呼び、小説愛好家たちを唸らせた。究極のラブストーリーとして、現代文学の到達点として―。始まりは1935年、イギリス地方旧家。タリス家の末娘ブライオニーは、最愛の兄のために劇の上演を準備していた。じれったいほど優美に、精緻に描かれる時間の果てに、13歳の少女が目撃した光景とは。傑作の名に恥じぬ、著者代表作の開幕。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

マキューアン,イアン
1948年、英国ハンプシャー生れ。シンガポール、北アフリカのトリポリなどで少年時代を過ごす。サセックス大学卒、イースト・アングリア大学創作科大学院修士号取得。’76年、第一短篇集でサマセット・モーム賞受賞。『アムステルダム』で’98年度ブッカー賞受賞。オックスフォード在住

小山 太一
1974年、京都生れ。ケント大学(英国)大学院修了。和洋女子大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 318 pages
  • Publisher: 新潮社 (2008/02)
  • ISBN-10: 4102157239
  • ISBN-13: 978-4102157237
  • Release Date: 2008/02
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.8 out of 5 stars  See all reviews (4 customer reviews)
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4.0 out of 5 stars 作家とは何者ぞ−「贖罪」とは「つぐない」か?何をもって「贖って」いるのか?, 2008/5/18
By cinemajin (東京都中野区) - See all my reviews
思い込み、作家気取りの思い上がりから少女ブライオニーのついた嘘で姉セシーリアと将来有望な使用人の息子ロビーは互いの気持ちと欲情に気付いた日に引き裂かれる−所詮身分違いの恋、数年経てば第二次世界大戦が始まるのだから、と思うが、彼らには「あったはず」の3年半が「なかった」ロビーは性犯罪者として刑務所にいたので、面会はできず、手紙も厳しく管理されていた為、手紙で愛や将来を語ることもでき「なかった」。戦時中、姉に続いて看護婦になったブライオニーがセシーリアを訪ね、つかの間のひと時を過ごすロビーとの三者の緊迫したやり取り、それすら「なかった」。そのシーンからほのめかされる海辺のコテージでの日々も、もちろん「なかった」。セシーリアとロビーの二人には図書室での一件と出征前の短くぎこちない再会しか「なかった」。この「なかった」の連鎖によってセシーリアとロビーは実在の人物よりも鮮やかな存在となり、小説は事実を超える−
そして、疑念。ブライオニーの「贖罪」とは本当に贖罪なのか?単に作家のエゴなのではないか?ロビーが死にセシーリアが死に、ブライオニーが死んでもブライオニーがいくら小説を書き直しても「罪」は変わらないのではないのか?読み終わってからも何回も咀嚼するように考えは広がり、乱れる。それにしても「かくも作家とは何者ぞ」
小説を忠実に映像化した「つぐない」が公開されている。小説→映画→小説の順に読んで、小説の中に見たものを、映像の中に観て(特に噴水のシーン)、映像で観たものを小説に丹念に色づけをして(ダンケルクのシーン)何回も何回も観て読んでいたい作品である。
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12 of 15 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 鎮魂の賦, 2008/6/11
By 白河夜舟 (東京都国立市) - See all my reviews
わずか13歳の娘の確信が一組の若い男女−姉とその恋人−の運命を狂わせる。その確信とはどのようなものであったろうか。狂わされた運命はどのような道筋をたどるだろうか。その罪はつぐなうことを容易に許さぬものであった。二人の間は切り裂かれる。男は牢獄に呻吟し女は家族を捨てて自活の道を歩む。第二次世界大戦が始まり、男は牢獄からの救済を求めて入隊する。本書の第一部ではこのいきさつが背景の田園風景の中で豊かな筆致で描かれる。第二部で場面は戦場へと移り、男は敗残兵となって撤退作戦さなかのダンケルクへの途上にある。他方、18歳になった娘は過ちに気づいて罪過の贖いを求めるにいたっている。
本作品は映画化されて国際的な好評を得た。日本でも映画によってこの作品を知った人が少なくないであろう。原作は英語で13万語に及び、2時間25分の映画の脚本はそれを2万語に短縮している。(言うまでもなくこの紹介文は800字が限度である。)映画では第一部が原作に忠実に描かれ、ストリーが軌道に乗ってからの第二部はその多くを視覚に頼っていた。しかし、敗軍の集結する壮大なダンケルクの浜辺の情景は圧倒的で不足を感じさせなかった。
最後の第三部は事件から64年後の現在、心身の衰えと死の予感の中での罪びとのモノローグである。一たび起こったことは元に返らない。人生は一度限りという言葉が人を脅かして止まない。ここには罪を贖えなかった老女の安らぎを求める精神が横たわろうとしている。読み終えてなお一つの疑問を消すことが出来ない。勤労者階級への偏見が根強く、また男女間のモラルに厳しかった時代背景を勘案しても、ただ1人の未成年者の証言で裁判が決着しえただろうか。細部にわたって詳細な作品であるからなおさら裁判の状況が省略されているのは腑に落ちない。(本文は訳書ではなく原文 "Atonement"を読んでのものです。)
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16 of 25 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 重厚な構成で語られる「愛」の物語, 2008/3/21
By ringmoo (愛知県高浜市) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
もうすぐ「つぐない」というタイトルで映画が公開される作品の原作です。

三部構成で出来ており、第一部はヒトラーの台頭で戦争が迫りつつある時期です。そこで、事件は起こります。
この事件は、幼いブライオニーの偏見に満ちた子供らしい正義感からの「嘘」で引き起こされます。
それに周りの身分差別、嫉妬が、その「嘘」を黙認することによって、冤罪を引き起こします。

この第一部は、正直読みにくく書かれています。
それは、文学好きのブライオニーの作品として書かれているので、意図的にそうされているようです。

第二部は、冤罪にあったロビーが出所し、徴兵された時期が書かれています。
前半は、ロビーの視点で書かれており、撤兵の中で思い出として語られる事件への思いです。
後半は、大人になったブライオニーが、看護婦見習いを続けながら、謝罪をしようとする意思を固めて行く部分です。

第三部は、1999年でブライオニーが77歳で、医者から告知を受け、事件の真実を死後、本として出版しようということを決意します。

重厚な構成で語られる「愛」の物語です。
ブライオニーは、姉への「愛」から虚言による冤罪を引き起こします。彼女が想像力豊かな少女であったことが、大きな要因になっています。
その姉は、ロビーへの「愛」を貫きます。
彼女は、最後まで妹を許しませんが、逆に言えば、妹の虚言によって、「愛」を貫けたとも言えるかも知れません。
もう一人の女性ローラは、その事件の被害者ですが、彼女はその暴行犯を知っていたのかも知れません。
それにも拘わらず、その犯人とおぼしき人と結婚して行きます。ここにも、素直な意味での「愛」ではないかも知れませんが、「愛」が存在します。
この物語は、そうした「愛」の物語でありながら、そのために引き起こされる罪の「贖罪」の物語でもあります。
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