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アサッテの人
 
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アサッテの人 (単行本)

by 諏訪 哲史 (著)
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Product Description

内容紹介

村上龍以来、約30年ぶりの快挙!
第50回群像新人賞、第137回芥川賞をダブル受賞した小説「アサッテの人」が刊行となりました。
群像新人賞では選考委員各氏が絶賛し、芥川賞では、小川洋子氏、川上弘美氏、黒井千次氏ほかの支持を得ての受賞となりました。
下記に各氏の選評を紹介します。

*一度読んで楽しむだけでなく、繰り返しめくれば、あちこちに新しい発見がある(中略)個々のエピソードが光っていて、音に身を寄せた精密な言葉送りに頭の中がからからと明るくなった。 <多和田葉子氏>

*文章や構成に緊張感がありとにかく面白く読める。 <藤野千夜氏>

*「アサッテ」的リズムが、なんともいえない滑稽さともの悲しさを醸し出している。 <堀江敏幸氏>

*ノンセンスの馬鹿馬鹿しさと高度に知的な設計とを破綻なく共存させた力業だ。 <松浦寿輝氏>

*きわめて意識的な言葉へのこだわりをもとに書かれている。そのこだわりには、一度身体ごとそれにもっていかれた人ならではの自然さがある。 <加藤典洋氏>


●本の内容
「ポンパ!」 突如失踪してしまった叔父が発する奇声!
アパートに残された、叔父の荷物を引き取りに行った主人公は、そこで叔父の残した日記を見つける。
現代において小説を書く試みとは何なのか? その創作の根源にある問いに、自身の言葉を武器に格闘し、練り上げられていく言葉の運動。精緻にはり巡らされた構造と、小説としての言葉の手触りを同居させた、著者の大胆な試み。
読書家としても知られる各氏をうならせた、驚異の才能のデビュー作!


著者について

諏訪哲史(すわ・てつし)。
1969年10月26日、名古屋市生まれ。國學院大学文学部哲学科卒業。名古屋市在住。

Product Details

  • 単行本: 189 pages
  • Publisher: 講談社 (2007/7/21)
  • ISBN-10: 4062142147
  • ISBN-13: 978-4062142144
  • Release Date: 2007/7/21
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.2 x 0.9 inches
  • Average Customer Review: 3.5 out of 5 stars  See all reviews (38 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #10,701 in 本 (See Bestsellers in 本)

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18 of 22 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 凡庸とアサッテは背中合わせ?, 2007/8/15
誰もがうすうす感じていた(と僕は思うのだが)自分に内在する「アサッテ」が、この小説によって白日の下に曝された。最初は、(僕とは無縁の)主人公である奇異な叔父さんの物語だとおもって第三者的立場で読み始めたのだが、途中から、くすぐったいような羞恥感覚がでてきた。否応なく、叔父さんに共感する部分が芽生えてきたのである。
さらに面白い点は、「アサッテ」の権化のようにみえた叔父さんが、「チューリップ男」の登場で、一気にその「アサッテ度」が低下するのである。叔父さんが「チューリップ男」のアサッテを解析すればするほど、自らのアサッテが萎えてしまう感じである。「チューリップ男」を「天然アサッテ」とすれば、叔父さんは「養殖アサッテ」のようなものである。頭の良い、哲学的にも目覚めた叔父さんは、凡庸の「枠」を排しようと「アサッテ」を極めようとしたのか・・・。しかし、その「アサッテ」を極めようとした先に「アサッテ」という「枠」があるのに気づいてしまった・・・のではないか。叔父さんは、ひょっとすると「チューリップ男」に嫉妬したかもしれない。叔父さんの失踪は、アサッテの挫折かもしれない、とも思った。しかし、読み終わってみると、特異な主人公とおもわれた叔父さんが、人間味豊かな人物として身近に感じられるようになっていた。
この作品は、散々やり尽くされたようにみえる「小説」という表現手段にまだまだ新たな地平が拓かれる可能性が残っていることを示唆している。
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2 of 2 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 言葉と自意識, 2009/1/22
これは小説なのかな・・・と思いながら読みすすめました。
技巧なのか感性なのか、ばらばらとしたものをばらばらのまま
ひとつの小説に仕立て上げてしまっている・・・。

失踪してしまった、「アサッテ」な言動をする叔父について。
風変わりな叔父を小説の題材にしようとしていた主人公が、
当人の日記のなかの苦悩を読んでしまったことによって書けなくなっていく。

無意味なことばを叫ぶという行為で
社会的なものを突き抜けていく。
でもその行為自体も、意味と目的を意識してしまえば
もう無邪気に世界を超えていくことはできなくなる。

すごく自意識と言葉にこだわった小説なのです。
誰でも突然、場にふさわしくない行動をとりたい衝動に駆られたり
こっそりバカで無意味なことをしてみたくなったりすることがあると思うけど
そのことがものすごく切実な、自分の存在に関わる葛藤になっていくのです。

それにしても。
お話にでてくるアサッテ語の「ポンパ」とか「タポンテュー」とか「チリパッハ」とか
かなり魅力的な響き。
意味をとりさっていくと、面白い言葉っていっぱいあります。
私は最近は「ぽあんかれ」というのがちょっとお気に入り。
なんともまぬな響きで、毒気が抜かれます。
仕事中に叫びたくなりそうです。
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10 of 14 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 私の叔父の話なんですが…, 2007/8/13
By ドクトルg (新潟県) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 一度何かの文学賞に応募して落選した作品を、全編書き直した作品だという。そう聞いて読むと、構成が面白い。自らの第一稿と叔父の日記とを、現在の作者の地の文でつないでいく形態だ。作中の「第一稿」がそのまま過去作品というわけではないだろうが、過去の自作を批評的に語る部分が、客観化装置として働いている。
 言葉が世界を定義する。言葉が自己を定義する。そして言葉から逃れようとし、同時に言葉に執着する。
 人生相談で語られる「私の知人が…」「私の叔父は…」は、すべからく相談者本人のことだという。しからば叔父とは、作者自身であろう。文学に惑溺した一人の青年の姿が浮かび上がってくる。
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