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「別れる理由」が気になって
 
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「別れる理由」が気になって (単行本)

by 坪内 祐三 (著)
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Product Description

出版社 / 著者からの内容紹介

現代日本文学の最高傑作か、こんな破天荒な小説は見たことがない! 毀誉褒貶の激しい小島信夫の家族小説『別れる理由』。刊行から20余年、初めて本格的に論じられる根源的で異様な作品世界の全貌。天下の奇書か!
『別れる理由』はそういう時代との「同時代」性を持った尖端的な作品であるのだ。しかも、小島信夫は、例えばその勉強振りをすぐに作品に反映させる大江健三郎や安部公房らと違って老獪だから、それを明らさまに見せつけない。文章もごく普通の散文である。だから、ごく普通にその意味をたどって行こうとすると、いつの間にか、多重的そして多元的な意味の迷宮にさ迷い込んで行くことになる。だがその迷宮感覚はけっして不快なものではない。そこにこそ1つの、小説を読む喜びがある。<本文より>


内容(「BOOK」データベースより)

こんな破天荒な小説は見たことがない!毀誉褒貶の激しい小島信夫の家族小説『別れる理由』。刊行から二十余年、初めて本格的に論じられる根源的で異様な作品世界の全貌。傑作長篇評論。

Product Details

  • 単行本: 317 pages
  • Publisher: 講談社 (2005/3/26)
  • ISBN-10: 4062128233
  • ISBN-13: 978-4062128230
  • Release Date: 2005/3/26
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.4 x 0.9 inches
  • Average Customer Review: 4.8 out of 5 stars  See all reviews (4 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #373,025 in 本 (See Bestsellers in 本)

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6 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 批評の覚悟, 2006/3/28
By hon888 (岡山県岡山市) - See all my reviews
これはただの『別れる理由』批評本では無い。ここで坪内氏は全く新しい批評の在り方を探している。
作品を取り巻く3つの時間軸への自覚から、作品ともっとリアルに関係を切り結ぶ批評を行おうとしているのだ。優れた批評家は、作品を論じながら同時に時代に対する批評性も無くさないものだが、江藤淳の「『別れる理由』への批判」から、作品と批評の戦後的な(フォニーな)関係の自覚を導きだし、作家(特に純文学)の創作活動の変化を論じる辺り、極めてスリリングだ。
読んでいて著者の頭の中を覗いているような感覚があり、批評とはこんなにもしんどいものかとため息が出る。丁寧に読まざるをえない本だ。



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2 of 3 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 『別れる理由』演義, 2009/6/23
By 小谷野敦 (東京都杉並区) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
小島信夫の『別れる理由』は、名のみ高く、これを実際に読みとおすことは常人には困難である。あの講談社文芸文庫ですら収録していない。それを坪内祐三が読み通し、雑誌初出と重ね合わせながら解説していく。坪内の長編評論としては、もっとも成功したものだろう。坪内の文章には「ジャジャジャジャーン」的な臭みがあるが、それを小島信夫が圧倒していくという感じである。なんで小林秀雄賞をとらなかったのか不思議である。
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2 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars これは『別れる理由』(未読)の続編と考えてもいいかもしれない, 2008/6/22
By モワノンプリュ (Japan) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 実は本書の刊行当時から、「〜論」とか「〜を読む」とかじゃなく「〜が気になって」というタイトルの微妙な距離感覚が「気になって」いた。今回ようやく読んでみて、それが坪内の方法意識なんだと分かった気がする。
 例えば著者は、「どのように抽象的に見える小説であっても、その作品が執筆された時代の影響は確実に受けている」と述べ、「『別れる理由』が生み出されていったその時代のリアルタイムの『時』の流れを体感したくて」小説の初出誌である『群像』を古書で入手したりするのだが、図書館で体系的に調べ上げるような「学究的というかマニアックな読み方」は拒否する(p27)。この「遊歩性」は、坪内が雑誌媒体と親しんできたこととも通底していると思うが、本書中に引用されている藤枝静男による『別れる理由』評(高みから社会と人間を一望して人生の真を展開するバルザックやトルストイの行き方に対し、独りで野の小道や丘の裾、入組んだ街中を歩いたりして、すれ違う諸事象の細部を自分の眼で等価に捉え、無選択に並列して記録し、そして歩みの停まるところでプツリと長大煩瑣な文を終えてしまう、集約を拒否した方法)とも呼応し合う。
 だから坪内は20年以上も前に完結した小説を論じながら、自分が書いている「リアルタイムの『時』」を決して手放さず、随所で執筆の舞台裏に言及する。遊歩する「私」に反動的に居座るわけではないが、自己解体や自己滅却に走ったりもしない。扉を半開きにしたような中途半端さに、あえて踏み止まる。
 それを別の言葉で言えば、つまりフォニーということではないか。「江藤淳にはフォニーであることのリアリティの自覚が足りない」(p95)とか、「フォニーを描き切ることこそが、逆に、リアル(人倫)をさぐり当てることになるかもしれない」(p117)といった言葉は、坪内のそういう方法意識から出ているのではないか。「今や、かつてのように、夫は夫の、(中略)明確な役柄を持つことは出来ない。皆、そのフリをしなければならない。(中略)そのフリの中にあるリアリティを、小島信夫は説明したい。しかしそういう複雑なリアリティを説明するためには、とりとめもなく膨大な分量が必要である」(p219)という一節の、「夫は夫の」に「批評家は批評家の」、「小島信夫」に「坪内祐三」を代入すればいい。
 そう考えると、坪内が07年末に出した『アメリカ』が本書の延長線上にあることが見えてくる。そこでは江藤淳や村上春樹が実際の米国を体験することで、むしろ失ったものが問われていた。そして『アメリカ』末尾近く(p209)、坪内は唐突に「この原稿を書いている今」を導入し、もう「小島信夫を偲ぶ会」には間に合わないと述べた上で、結局小島とは会わずじまいだったこと、追悼文も書かなかったことを書いている。坪内は「ヘビー」(『アメリカ』p211)な関係を避け、フォニーに踏み止まったわけだ。
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5.0 out of 5 stars 私も気になっていました
「別れる理由」は1968年から81年まで雑誌「群像」に連載された長編小説である。... 続きを読む
Published 2 months ago by ざんぱんまん

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