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様々な面からの哲学の本, 2005/7/26
4回読み直した。サン=テグジュぺリの本は、どれも難しい。その中でも「星の王子さま」は、私が長くそれを考え続けている本だ。私は、小学5年生の時はじめて読んだ。その時、意味が分からないところはとばした。 2回目は中学一年生のとき、本文始めの4ページだけ繰り返し考えていた。どうして冒頭は「レオン・ウェルトに」で始まるのか。ウワバミの話も謎だった。 次の読書は、本文を場面ごとに切り取りながらだった。バオバブの手入れ、王子さまの薔薇、別の星を旅して其処此処で出逢った人たち、地球に着いたばかりの王子さまと友達になるキツネ・・・。 読めば毎回、神妙な気持ちになってしまう。素直に読もうとする必要がない。そして、自分が変化しているという発見を見つけてしまう。 私は、バオバブの手入れの様子をテグジュぺリが書いたのは、王子さまの星を説明するためだけだと、思っていた。 けれど、3回目でバオバブの険呑さの描写と<おーい,みんな,バオバブに気をつけるんだぞ!>という言葉は、抜かしてはいけない部分だと気付いた。 バオバブは手入れは面倒でも、ほおっておいたら根が星を突き通して、その星が小さくバオバブが多いと星が破裂してしまう。それは、私たちの日常にも当てはまることだ。自分の態度をいい加減にすれば、他人とは上手くいかなくなる。何かの作業を中途半端にしていれば、その過ちは多くなる。 当たり前だけれど、こういう些細な部分からも、王子さまの生きかたや考えに感心した。 何処かで躓いて、自分の生き方に悩む。誰にでもあるコト、それは大切なコト。自分の悪い部分を見つめるのは、苦しい。誰だって見たくないし、背けたままでも上手くやって行けるならそうするという人は多い。 4回目は最近。ストーリーが終わりに近づいてゆくところを中心に読んだ。王子さまが砂漠から消えてゆく中で、言う言葉。 「ぼくは,あの星のなかの一つに住むんだ。その一つの星のなかで笑うんだ。だから,きみが夜,空をながめたら,星がみんな笑ってるように見えるだろう。すると,きみだけが笑い上戸の星を見るわけさ」 これは、死について語っている。この場面での王子さまの言葉は、優しく落ちてくるのに悲しくやりきれない気持ちにさせる。残してゆくのと、残されるの。どちらも、同じ重みを背負っているけれど、僅かに残してく方に傾いている気がする。 「ぼくの花,そのうち消えてなくなるの?」 「うん,そうだとも」 この本は、生きてゆくなかで変わってゆかない哲学が記されている。だから、約60年経っても世界中で親しみ読まれているし、オリジナル版として挿絵を考慮して2000年に出された。とてもすごい本だと言える。これからも、イロイロな人の手に渡ってゆく。誰かの心の中で、大切にされてゆく。私だってこの本と、自分の死が近づく頃まで向き合い続ける。本からのメッセージに完全なものなんてないけれど、そうだから私たちは自分で考えていかなくてはいけない。 この本を、子供向けの児童書だと思っていた私が恥ずかしい。もちろん、子供に読み聞かせるのも素敵なことだ。けれど、この本は哲学としての方が相応しい。ホントウの大人になる上で、避けてしまわないほうがいい。イロイロな損をするから。
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