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カスタマーレビュー

5つ星のうち4.8148
5つ星のうち4.8
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「1. Blackstar」を聴いて「これか!」という第一印象です。正直前作より驚きました。
さすがです。
10分近いこの曲は見事な展開でアレンジも素晴らしいと思います。
ジャズ・ミュージシャンを起用しての作品ですがほんとボウイは多才ですね。
全7曲、余計な曲はひとつも無くこのアプローチでもボウイのオリジナリティが出た曲として完成されている
ことに円熟と畏敬を感じました。
やはり凄い人で、ある意味 Change をまたやった・・・という傑作でしょう。
[追記] [2016/01/11]
えっ!嘘・・・これが最後の作品になるとは・・・数々の名作をありがとうございました。ご冥福をお祈り致します。
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2016年1月15日
この人は世界一のショーマンだった訳だが、作品としてはRCA時代の情熱は取り戻せずにいた。

世代によって意見は分かれるだろうが、この人の名作はRCA時代に集中している。
にも関わらず、契約終了時点で、一文無しに近い状態だった。

そこにEMIとの契約金は破格の掲示で騒ぎになったと記憶している。
お金と余裕ができると、立ち止まり人生を振り返ってしまうこともある。
喧嘩で相手の指輪が当たり失明した偶発的な事故や、ケルアックなど紹介してくれた不遇な兄テリーのこと。
その他、様々な問題もあっただろう。
ここで、それまで突っ走ってきたボウイとのギャップが発生する。
素の自分に立ち返ったときにファンが離れていった。
やりきれなかっただろう。

その後も模索しながら新しいことにチャレンジしてきた。
ボウイはリスナーとしてもロックが大好きで、新人の発掘も長けていた。
古くはサイケデリックファーズ、ソニックユース、ピクシーズ、マイブラッディバレンタイン等々...
この人のインタビューから教わり、マイブラの初来日もボウイのおかげで観に行けた。
ケルアックの路上も、この人のインタビューで教わった。
音楽ライターの方々には申し訳ないが、音楽雑誌ではインタビューしか信じなかった。

話が逸れてしまったが、完全なデビッドボウイがやっと戻ってきた。
前作のRCA時代のオマージュ的な作品は、往年の輝きを取り戻した印象で、古くからのファンを満足させる作品ではあったものの、黄金時代と肩を並べるには、やや見劣りするというのが正直なところだった。

今作もRCA時代を彷彿させる雰囲気があり、タイトルナンバーの”★”は、気鋭のジャズドラマー、マーク・ギリアナによる生ブレイクビーツで始まり後半はヤングアメリカンA面のようなソウルナンバーになり、
そして、なんといっても”'Tis A Pity She Was A Whore”だ!
戦う準備の出来たボウイの呼吸で始まり、マークのパワーヒットの上にドニー・マカスリンの小鳥の囀りのようなインプロが賑やかに宙を舞い、ボウイが情感たっぷりに歌い上げる。終盤にボウイが吠える!吠える!吠える!本物だ!
”Lazarus”は、ボウイにとっての失われた80年代の雰囲気があり、イメージの中で相当作り込まれていたリベンジのような印象がある。ドニーのサックスもマッチしている。
”Sue (Or In A Season Of Crime)”は生ドラムンベースでスクエアプッシャーが好きな人は特にハマるだろう。
”Girl Loves Me”はボウイらしいエキセントリックなメロディを持ったトリップナンバー。
”Dollar Days”は、美しいバラードで、優れたメロディーメーカーとしても再確認できる。
ラストナンバー”I Can't Give Everything Away”も美しい!ボウイ自身によるブルースハープは、”A New Career In A New Town”を想起させる。後半のベン・モンダーによるギターはフュージョンファンをも魅了するだろう。さわやかに幕を閉じる。
無名のミュージシャンという報道を見かけたが、とんでもない!ジャズの一流どころを揃えている。

来週のビルボード及びUKチャートで1位の見込みらしいが、本来であれば、時間と共に評価される普遍的なアルバムだと思う。

デビッドボウイは、最後の最後に辻褄を合わせ、再び先頭に立った。
こんな凄い作品を遺された今は、悲しみよりも、その生き様に驚愕している。
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2016年1月11日
中1でボウイに出会った。ヒーローズを聴いた。頭から離れなかった。元気が出るような気がした。アルバム「 ジギースターダスト」を聴いた。ファイブイヤーズの切ない叫びに泣きそうになった。ソウルラブは心がウキウキした。ムーンエイジデイドリームは初めてギターに感動した。スターマンはこういうのがポップソングっていうのかな、とか思った。レディースターダストはこの世で一番美しい曲だと思った。スターはアウトロがとても哀しかった。ジギースターダストは出だしのボウイが唄うメロディが大好きだった。ロックンロールスイサイドでまた泣きそうになった。夢中になった。ビジュアルも最高だった。それからアルバム「ロウ」を聴いた。中3当時、謎の不安感に悩んでいた。そんなときは、ロウしか聴く気になれなかった。少し安心できた。ビーマイワイフのPVでの顔をひきつらせ、不思議な挙動のボウイ。吸い込まれた。オールウェイズ-で退廃という言葉を理解した気になった。インストの曲群は初めて僕に音楽で風景を見せてくれた。懐かしい景色。見たこともない景色。中3=ロウ、あとは映画でいったらブレードランナーか。でもあのときロウに出会ってなければ今のような人生になっていなかったかも。いい意味でも悪い意味でも。ロウを聴いたおかげでジョイディヴィジョンもスミスもキュアーもすんなり聴けた。部屋にボウイのポスターを貼った。アッシュズトゥアッシュズは風呂で何回も唄った。道を踏み外していたことを知るのはだいぶ後。ボウイのせいじゃない。僕が全て悪い。高校に入っても、いわゆるボウイの退廃美とやらに救いを求める自分がいた。クリスチーネFの世界に浸っていたかった。そして、僕はどうしようもない大人になりました。まぁ、もうどーでもいいんですけどね。今、ブラックスター聴いて泣いてる。僕のしょうもない人生の最初のヒーロー。これからもずっとヒーロー。
1コメント1件|216人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2016年1月9日
 前作『The Next Day』は”Ziggy〜”から渡米期までの黄金時代と近年の方向を総括するようなポップでグラマラスな印象だったが、今作は大きく印象を変え、ベルリン時代を思わせるようなダークな陰影が全体を支配している。常に世相に敏感なボウイのことだから、最近の不穏な世界情勢と冷静時代を重ね合わせているのかもしれない。
 プロデュースはお馴染みトニー・ヴィスコンティだが、録音にジャズ・ミュージシャンを多く起用することでサウンドに新機軸を打ち出している。特にタイトル曲は、中近東的な旋律をサックスが奏でる妖しげな前半部を経てボウイらしい優しいメロディが歌われる中間部に発展、そしてまた戻っていくという組曲編成であり、今まであまりなかったタイプの楽曲である。アルバム全体の印象で過去のボウイを引き合いに出すなら、『Low』や『Heroes』で聴かれた鋭くタイトなギターやビート、電子ノイズ類、そして呪術的なコーラス等を現代的にリビルトしたアレンジも印象的だ。さらには『Earthling』を思わせるようなアグレッシヴなトラックもある。しかし、なによりも中心に据えられるのは、美しいメロディーとフックのある言葉を引き出していく、やや枯れつつもコブシの効いたボウイ節だ。
 全7曲40分強、無駄を削ぎ落としたような収録時間だが、手ごたえは十分すぎるほど。自身の歴史を再構成しながら新しい要素も貪欲に取り入れたサウンド、そして浮かび上がるメッセージ性。(前回ほど万人受けはしないかもしれないが)今回も傑作だ。
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2016年1月8日
69歳になったボウイが我々に突きつけたロック。惰性ではない。
新作を手にする度にドキドキとワクワクを与えてくれる。

何度目かの絶頂期。このひとにはいつも驚かされる。

1月8日当日到着、もう三度程リピートしていますが、
これは間違いなく傑作です。

前作の「The next day」同様、
今回もトニー・ヴィスコンティとの共同プロデュース。

ですが、やはりサウンドはがらりと変わっています。
それがデヴィッド・ボウイという男なのですが。

「SUE」を録音したジャズ畑のメンバーを起用しただけあって、
ロックでありながら滑らか。
前衛的でありながら、ポップ。決して難解ではない。

ここが彼の敬愛し、背中を追い続ける鬼才、
スコット・ウォーカーとの違いでしょうね。

細部までよく磨きあげられた、
大人の色気漂う傑作に仕上がっていると思います。

どこか懐かしくも、確実に新しい。

個人的な感想で恐縮ですが、気づいた点を。

かつてリリースした90年代の3枚の力作、
「Black tie white noise」「1Outside」「Earthring」。

ここでボウイが消化できず不完全燃焼に終ったサウンド。
彼が当時、本当に聴かせたかったこと。

それがここにきてようやく力みなく、
自然にさらりと表現できたのではないか?と、感じています。

このアルバムを聴く度に何故か、
ボウイのしてやったり顔が頭に浮かんできます。

加齢によるパワーダウンなど微塵にも感じさせません。
同世代であるブライアン・フェリーの新作にも通じる充実感に溢れています。

一部ヴォーカルにエフェクトはかかっていますが、
それが実に効果的であり、音楽的に響きます。

今回も前作同様にCDとアナログ盤を購入しましたが、
ここは是非ともアナログ盤でも聴いてみてほしいです。

全く別物とまでは言いませんが、音の迫力、太さが随分違います。
CDではどうしても特有の固さや窮屈さが出てしまいますが、
アナログで聴くそれは、どこまでも伸びやかな感触です。

まだまだ書きたいことは山ほどありますが、
既に収拾つかなくなってきていますのでこのあたりでやめておきます(笑)

皆さんの素晴らしいレビューに期待しています。

発売当日、ボウイ69歳のバースデー、ファンとしては冷静ではいられません。

誕生日おめでとう、ボウイさん!

駄文、乱文、誠に失礼致しました。
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これぞデヴィッドボウイだという、攻めの冒険策です。
この年齢で守りに入ることを全くしないなんて、カッコよすぎですね。
ロック+ジャズ+エレクトロの融合。
シンプルで分かりやすい曲は皆無です。
どの曲も一癖もふた癖もある曲者ぞろい。
さぁ、ここからサビですよ~!なんてやらないのがボウイです。

10年ぶりの復帰策となった前作は、ポップでロックで分かりやすく、
万人受けしやすい作品でした。
見事な復帰を見せた後は、
お得意の美学に貫かれたカルト路線に戻ってきましたね。
ファンとしては諸手を挙げて歓迎します。
前作がこれならば敷居が高すぎて、
きっとあれほど盛大なカムバック感は出なかったと思います。
ボウイのシナリオ通りと言えば言いすぎですかね。

作品としての良し悪しを講じるには時期尚早な気もしますので、
今後評価が変わることはあり得ますが、
まずはこの興奮を伝えるために★5としました。
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2016年2月7日
「ブラック・スター」の歌詞について

これはデビッドが自分の死に言及した歌だという議論が海外でも活発なようです。
冒頭の " in the villa of Ormen " の「ヴィラ・オブ・オルメン(オルメンの別荘)」の意味については、英語圏の人々にとってもミステリアスで「一筋縄ではいかないボウィーらしい暗喩」と捉えられており、その読解をめぐって様々な意見が交わされているようです。総じて、デビッドはカバラや錬金術など神秘主義の分野に傾倒してもいたのでその観点からの読み解きもある一方、「日本のアニメ」(ソウルイーター)との関連も指摘されています。デビッドは日本通だったので、その可能性もあるかも知れません。「オルメンの別荘」については、the villa of Ormenで検索すれば参考サイトが出てきます。おそらく錬金術または神秘主義の「死と再生」を象徴する儀式を行う場、あるいは「死神(換言すれば「魂」を解放する「天使」あるいは「神」)が魂を取りに来る/魂を解放する場のことのようです。

ブラック★スター 翻訳(一部意訳あり)

オルメンの別荘で オルメンの別荘で 

一本の蝋燭が立っている ああ ああ

その別荘の(または蝋燭の)中心に その中心に

あなたの目が

「執行(死神が魂を取りにくる)」のその日 「執行」のその日

女達だけは ひざまずいて微笑む ああ ああ

その中心に その中心に

あなたの両目が あなたの両目が

ああ ああ

ああ ああ

オルメンの別荘で オルメンの別荘で 

一本の蝋燭が立っている ああ ああ

その別荘の(または蝋燭の)中心に その中心に

あなたの目が

彼が死んだその日 何かが起こった

彼の魂が一メートル浮遊して離れ 自分の死体の脇に立った

すると他の誰かが 彼に場所を替わって 雄々しく叫んだ

「私はブラック・スター 私は黒い星なのだ」

天使は何度堕ちるのだろう?

話を盛るどころか 嘘をつく人々が どれほどいることだろう?

彼は聖なる場を踏みつけた 彼は群衆に向かって叫んだ

「私はブラック・スター 私は黒い星だ 私はギャングスター(ならず者)ではない」

(私がブラック・スターである)理由は答えかねる

ただ「ああ、ブラック・スターなんだ」と思って欲しい(映画スターでもない)

私はあなた方を故郷に導く案内人(ブラック・スターだ)

さぁパスポートを持って 靴を履いて(ポップスターでもない)

鎮痛剤もね バァ!(私はブラック・スター)

君らってさ、「一発屋」だね(私はマーヴェルコミックのスターでもない)

余は「全能の神」なり(余はブラック・スターなり)

私はブラック・スター お金持ち 女性はメロメロ

(訳注;ボウィーがドヤ顔で挑発的に私たちを発奮させている)

余は公正に広く見聞す 余は率直な痛みを見る

余は白昼夢に鷹を必要とするのだ この目にはダイアモンドが見たいのだ
(訳注:鷹とダイアモンドは富の象徴である米国を隠喩?)

「私はブラック・スター、黒い星」

彼が死んだその日 何かが起こった

彼の魂が一メートル浮遊して離れ 自分の死体の脇に立った

すると他の誰かが 彼に場所を替わって 雄々しく叫んだ

「私はブラック・スター 私はスターの中のスター、私は黒い星なのだ」

(私がギャングスターでないことは)答えようもないが

ではギャングスターとはどう違うのかは 君らにだってわかるはず

私たちは上下逆さまに生まれました(私はブラック・スター)

反対側に生まれちゃったのです(私はホワイト・スターではない)

「私はブラック・スター ギャングスターではない

ブラック・スター、黒い星なのだ

ポルノ・スターでもない 放浪星でもない

ブラック・スター、黒い星なのだ」

オルメンの別荘で 一本の蝋燭が立っている 

ああ ああ

その中心に あなたの両目が

「執行」のその日に 「執行」のその日に

女達だけは ひざまずいて微笑む 

ああ ああ
  
その中心に あなたの両目が

ああ ああ

(翻訳 ラッキー)

遺作となった本作に対する個人的な評価は、「最高傑作」の一言。
その幽玄な墨絵のような境地は「ボウィー玄人向け」ではあるものの(ちなみに私はもうすぐ50歳)、昨今の若い世代の人達(オール・ザ・ヤング・デューヅ!)は、さっそうこれを理解するセンスを備えているのではないだろうか。
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ベスト500レビュアー2016年1月11日
2016年1月8日に新譜をリリースしたばかりで3日後の本日11日に死亡のニュース。ああ・・発売と同時に買っておくべきだった。前作が良かっただけに悪かろうはずがないだろう。それにしてもボウイさんと死というのがどうにも結びつかない。私はソロは殆ど持っているがティンマシーンはスルーしたので熱心なファンとはいえないが、ロックを聴き始めてから今までずっと傍にいてくれたような気がする。今これを打っていても手が震えている。レビューになっていなくてすみません。すみません・・・・・
追記:何としても国内盤を今日聴いて追悼したくて、あちこちのショップに在庫確認しかろうじてHMVに一枚残っていて買いに走り家に戻って、たった今聴き終えた。まるで遺書のような歌詞と生死を彷徨うかのような壮大な楽曲及びサウンドに涙が止まらなくなった。また朗々と全編に渡って奏でられるSAXの音色は全世界の彼のファンの涙の様だ。とてもじゃないれど冷静にレビュー出来ない。すみません。すみません・・・・・
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2016年1月19日
私はこのアルバムをこき下ろしたい訳でも、アンチデビッドボウイ的な人間でもありません。
逆に、40年以上ROCKを中心に音楽を聴いてきて、
あまたのスターが存在する中で、本当のアーチスト(Aartist=芸術家)といえる、
ミュージシャンは " DAVID BOWIE" だけだったと、今も思っているファンの一人です。

ではなぜ、低評価の★3を記載しているかというと、
訃報ニュースでボウイを知り、これから初めて彼の音楽を聞き始める方が、
★5がズラッと並んだこのアルバムの高評価に、大いに期待したのにも関わらず、
もし気に入らなかった場合でも、ボウイの事を見限らないで頂きたいからです。
(★5を付けた方のレビューには、このアルバムの各曲に関する感想より、
今までのボウイの偉業や、死期を知りながらも意欲作にチャレンジした精神を称賛するものも多いです。
私もその点では★5ですが、このアルバムのみを冷静に評すると、少し違ってくると思います。)

一般的なROCK、POPファンの方がこのアルバムを聴いて、ほとんどの方が★5の様に感じるだろうか?
特にEDMやUSチャートの上位にチャートインする様な、
聞きやすく、分かりやすく、のりやすい、という様な昨今の楽曲を主に聴いている方には、
過半数が、暗すぎる、取っつきにい、印象に残りにくい等、
ネガティブな反応を表すのではないかと危惧します。

さらにyou tube で「Blackstar」や「Lazarus」の PVも見た方は、映像の表現から、
「DAVID BOWIEって、こういう不気味系の音楽をやってる人なんだ・・・」などの間違った印象で、
彼を最終的に評価してほしくないのです。
このアルバムはボウイが生涯で、本当に多様な音楽を表現した中で、
ほんの一部にしか過ぎないという事を、知って頂きたいのです。

これからボウイを聞く方には、
ややPOPなナンバーが好きな方には、「ジギー・スターダスト」や、「レッツダンス」を、
かなり多様なジャンルが聞けて、1曲を20回以上聞き込んでから評価をする様な方には、
「ヒーローズ」や「ロウ」のアルバムを私ならオススメします。

訃報を知る前に、このアルバムを聴き、
これはかなり、重く、暗いアルバムだなと思い、相当聞きこまないと、
その真価は伝わらないだろうというのが第一印象でした。
そしてアマゾンのレビューを見ると、10日(発売2日後)の時点で、
7人ほどの方が記載していたが、オール★5。 (その後も★5の評価がほとんどをしめる・・)
??? 数回視聴した時点で、この作品に★5を与えるなら、
過去の傑作、「ジギー・スターダスト」「ダイアモンドの犬 」「ロウ 」「ヒーローズ」などには★6~7を与えないと、
つり合いがとれないと自分的には感じました。

もちろん今作は、決して凡作でも駄作でもありません。
意欲作で問題作で、特に歌詞には "死を自覚してる"、そして"それを伝えようとしてる"、
と、とらわざるを得ない表現も含まれるなど、
有名アーチストの作品としては衝撃的で前代未聞です。
おそらく後年、ボウイを語るうえで、とても重要な作品になると思います。
限りある時間のなかで、さらに新しい趣向にチャレンジする精神力には敬服するばかりです。
が、評価者のほとんどが★5をつけれるような、歴史的傑作かというと、そうではないと思います。
(傑作アルバムは後年、他のアーチストにカバーされるような名曲が多数含まれます。
果たして、このアルバムからそのような曲が生まれるだれろうか・・・。)

この遺作となったアルバムは、
エレクトロダンスミュージック全盛の昨今に逆行するような、
重くシリアスで暗いアルバムで、今まで最も抑揚を抑えられた作品かもしれません。
おそらく一般のポップスファンには、受け入れられない方が多いだろうと思う。
が、逆にボウイだからこそ、作り得しアルバムといえる。
商業主義に反し、その時点での自分の感性を、そのままストレートに、
(大衆の評判など気ににせず、売れる売れないなども眼中になく) 作品に反映してるのが、ありありと伝わる。

そしてこの作品には、プロデュースこそ盟友のトニー・ヴィスコンティが再度起用されているが、
過去作品に加わったお馴染みのプレイヤーは参加させず、
マリアシュナイダーオーケストラというジャズバンドなど、ほとんどがジャズプレイヤーが演奏している。
ゆえに、即興演奏的なインストも多く、
その曲の核となる、個性的な耳に残るリフの様なフレーズはあまり見受けられない。

以下各曲の感想。  長文で恐縮ですが、最終的な評価は末尾に記載しています。
1 ★( Blackstar)
10分近い大作でタイトルトラック。
が、同じ10分近い過去の名曲「Station to Station」の様なドラマチックな展開はなく、
歌っているというより、何かを伝えんとする様なボウイの悲哀がこもったボーカルが終始続く。
変則的なドラム(打ち込みと評している方もいるが、マーク・ジュリアナというジャズドラマーが実際に叩いている)が、
この曲にわずかな「動」を加味しているが、
なければ、ボウイ版レクイエム(鎮魂歌)なのかと思えるほど、「静」や「暗」を感じさせる。 
4:30ぐらいからその「暗」な部分にわずかな光明が差した様に、
少し明るく転調して、「I'm a Black star~」という語がなんども出てくる。
が、7:00過ぎからはまた重いフレーズに・・。
詩の一部に「彼が死んだ日の出来事だった・・・」の部分は、残された時間が少ない自分を暗示しているか。
(I'm a Black starの対訳には「我は黒き星」とあるが、「輝きを失った星」や「消えゆく星」ととらえることも出来る。)
"気に入るか、否か" の問題を通り越し、今まででもっとも「深い」作品と呼べるかもしれない。
ヨーロッパ制作ドラマ「ラストパンサーズ」のテーマ曲として使用されているらしい。

2 'Tis A Pity She Was A Whore
ややアグレッシブなドラムのビートで始まり、少しスピードもあるこの曲は、
「明」な部分と「悲」な部分が同居したような印象で、このアルバムの中ではまだ聞きやすいナンバーに感じる。
タイトル「あわれ、彼女は娼婦」の "Whore"の語を、
これでもかと思えるほど、哀愁を込めて歌い上げ、シャウトしている。
インストの管楽器がジャズの即興演奏の様に無機質に感じるのがわずかに残念でもある。
(シングルリリーズされた、4曲目のカップリング曲)

3 Lazarus
ボウイ作のオフブロードウェイ舞台劇のテーマ曲
終始重いフレーズが続くこの曲は歌詞の出だし、「見上げてごらん、我は天にいる・・」など、
まさに死を意識しての曲と、とらわざるを得ない・・。
各ジャズプレイヤーのインストは腕はたしかのようで、稚拙に感じるパート等、
ほとんどないが、逆に抑揚をわざと押さえているのか、その曲でしか聞けない様な個性は感じられない。

4 Sue (Or In A Season Of Crime)
私は知らなかったのだが、2014年に既にシングルとして発売されている。
かなりソリッドなリフで始まり、私的には少し jeff beck に通じる様な魅力を感じる。
全体の印象はいいのだが、他の曲同様に抑揚を押さえたフレーズがづっと続き、
リピートしたくなる様なパートが少ないようにも感じられる。

5 Girl Loves Me
スローに近いリズムに歌詞が、歌っているというより、
述べられているという感じに淡々と続き、ボウイ版の”穏やかなラップ" という様なイメージ。
構成はシンプルでリズムと、かなりエコーがかけられたシンセがBGM的に使われている。
歌詞は映画「時計仕掛けのオレンジ」などにも使われた、
"ナッドサット"という技法で、言葉遊び的な表現がある為、
翻訳家の方も正確には表現出来ないようだ。

6 Dollar Days
優しくうら悲しいピアノやサックスのイントロから、哀愁漂うボウイのボーカル。
この曲も全体的にエコーがかなりかかっているが、アコギの音も多く、エレクトリカルなイメージは少ない。 
今までのボウイのアルバムに入っていても、違和感のない自然な仕上がり。
余談だが、後半の歌詞に「I'm dying too」(われも死に行く)と聞こえ、
ああ、ボウイも確か70歳近いから、いつかは皆死ぬという様な意味でこのような語が歌詞に出てくるのか・・。 
と考えていた翌日に訃報を知り、本当に死ぬのだと言っていたのかと、ビックリして歌詞カードを確かめると、
正確には「I'm dying to」 の後に動詞がきて、死ぬほど~がしたい という意味)だった。

7  I Can't Give Everything Away
このアルバム中、唯一温かみを感じる曲で、私編集のボウイBEST版にこのアルバムから、
加えるとしたら、この曲になるだろうと思う。
イントロから懐かしいハーモニカのねいろ。
名盤「Low」の「A New Career In A New Town」と同じ音色である。
サックスやギターの絶妙なソロも入り、6分近い長さをより充実させている。
ボウイの穏やかなボーカルも、人生最後の曲にふさわしいかもしれない・・・。

私はこのアルバムの真価を確かめる為、
手もとに届いてから10日で40回近くは聞きこみました。
が一度も、飽きがきて、今聞いている曲を次サーチで飛ばした事はなかったです。
でも逆に、今聞いている曲が本当に心地よく、次の曲に移る前にリピートした事も、
ほとんどなかったです。 (7曲目以外)

私は名曲「Blackout」(特にライブバージョンが素晴らしい)など、
30年以上の年月で500回以上聞いている曲も多数あります。
代表曲やヒット曲以外にも、とてつもなく "重い" 「Subterraneans」や、
サッドソングとも思えるほど "悲しい" 「Wild Is the Wind」なども大好きなナンバーです。
それらには、”重い”にしろ”悲しい”にしろ、聞く者を圧倒的に引き込んでしまう様な衝動や抑揚がありました。
が、このアルバムにはそこまでに感じる曲は現在ではまだ見つかっていません。
(その後も1日1~2回はアルバムを通して聞き、通算50回以上は聞きましたが、
それ以上は自発的にリピートしたい気持ちには至りません・・・。 
そして過去の名盤が聞きたくなり、お気に入りのライブ盤「Stage」を久々に聞くと、
やはり「★」とは全然違う、心の躍動が蘇りました。)

よって私のこのアルバムの評価は★3.8ぐらいに思います。(これは私的にボウイの他の★5に感じるアルバムとの比較)
四捨五入で★4をつけてもよいのですが、★3ぐらいに感じる方がいてもなんらおかしくないはず。 
そして遺作にネガティブな評価が、書き込みずらくなっているムードに関係なく、
今後レビューを記載する方は各個人の意見を遠慮なく、書き込んでほしいと思いあえて辛口の★3をつけました。
(もちろん、本当に気に入って★5の方が多数いても当然ですが、
おそらくボウイ本人も、この大衆受けしそうにないアルバムの評価は、
多様な評価があった方がふさわしいと思っていると考えます。)
もし★3ぐらいに感じた方は、是非他のボウイのアルバムも聞いてみて下さい。
きっと★5に感じるアルバムも見つかると思います。

尚、マリアシュナイダー・オーケストラやナッドサッド技法等の情報は、CDのライナーノーツに記載されていたものです。
この作品についてさらに詳しく知りたい方は、
対訳や解説がかなり詳しく書かれている、「日本版」CDをおすすめします。
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2016年1月10日
流石です。2016年にこんな素敵なアルバムを届けてくれたボウイに感謝すると共に、時代を切り取るセンスに脱帽です。ニューウェーブ再評価もポストロック大繁盛も、ネクストチルドレンも、それはそれで、ロックというジャンルの再評価と新しい可能性を見せてくれたことを思えば、この2000年代もそんなに悪くはない15年だったと個人的には思います。このアルバムは懐かしく新しく刺激的です。10代〜20代の若者にこそ聴いて欲しい。センスを時代に投げかけるアーティストはそうは多くはない。僕が知ってるボウイは常にそうであったし、それは今も変わっていなかった。
音楽が生活の、人生の側にいる人なら、きっと分かり合える筈。2016年型のデヴィッドボウイを出来るだけ多くの人達と一緒に楽しめたら嬉しい。
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