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カスタマーレビュー

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2011年12月11日
昨年(‘10年)リリース時に各方面から大絶賛を浴びていたKANYEの5作目。
なるほど、確かに、これは凄い。
こういう作品を聴かされると、多くの優秀なミュージシャン達が、何故HIP HOPを初めとするクラブミュージックを、自らのサウンドに取り入れようとするのかがよく分かるような気がする。
とにかく、怒涛の構成力と凄まじいばかりの音の情報量に圧倒される作品となっている。
ここまで強烈な作品は、これまでの彼の作品にもなかったように思う。
全編、一時も気を抜けない音の洪水だ。
ズバリ、ポップミュージック史に新たなる歴史を刻み込む、新たなるエポックメイキングなっていると思う。
リリックがあまりに直裁に過ぎるためか、残念ながら、2012年グラミーのベストアルバム部門へのノミネーションはなかったが、実際には、その中に本作のタイトルがあってもなんら不思議ではない。それだけの芸術性も、先進性も有している作品だ。
具体的な概要を説明出来ないで申し訳ないが、とにかくこれは聴いてもらうしかない。間違いなく、この世界観に圧倒されるはずだ。
この感じは、例えば、ジミヘンの『ELECTRIC LADYLAND』なんかを初めて聴いた時と似ている。
近年で言えば、アウトキャストの『SPEAKER BOXX・・・』か。
自らが立っている立ち位置を大きく超えて、よりスケール感のあるジャンルレスなコンテンポラリー・ミュージックを創出する。
本作の持つ意義は、そういう点において、今挙げた2作品に共通した部分があると強く感じるのだ。
・・・これは、軟弱なパーティー仕様のダンスポップではない。
勿論、酒やドラッグや女が主目的である際の、添え物でもない。
純粋なる音楽ファンのための、超超超大真面目な芸術作だ。
ポピュラーミュージック史を変えるかもしれない、革命的なポテンシャルを秘めているかもしれないアルバムなのだ。
・・・例によって、我が国では何も起きていないのだが・・・
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2012年4月29日
バランス感覚が素晴らしい作品。
鬼才でありながら、他者の才能を自分の作品に取り込む(受け入れる)器の大きさが感じらます。
カニエが凄いのは誰の力を借りれば自分が思い描く作品を作りあげる事が出来るか分かっている点だと思います。

その結果現在のマーケットを無視せずに独創的なものを作り上げる至難の業を達成している。
大衆性と芸術性という対極とも思える要素を一つにまとめて昇華する事に成功するなんて本当に凄い。

ゲスト陣に対する采配の取り方、曲の並びから流れまで完璧。
70分弱もあっという間に感じられる程に飽きのこない作品で、久しぶりにインストのアルバムが欲しいと思いました。

この限定版にはショートフィルムが付属しています。
一見の価値ありです。
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2011年2月19日
汚くて混沌としていて後悔と肉欲にまみれていて…でも、そこには「Beautiful」という言葉が間違いなく存在している。

カニエ・ウエストという人間の奥底をこんなにまで忠実に再現できるアルバムはこれしかない。そして、彼の最高傑作と断定できる。

人の美学にはいつも正しいものが求められがちだけど、こういう醜悪な道を行ってしかたどり着けない高みもあるんだなあ、と実感させられるアルバムって純粋にすごいと思いました。
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2010年12月26日
各主要メディア(特にUSのメディア)で年間1位を独占状態なkanye WestのMy Beautiful Dark Twisted Fantasy
これほどまでの評価の高さはやはり聴きやすさから来ると自分は思っています。
まずInterludeが少なく、曲目がすっきりまとまっている。
普段HIPHOPを聴かない層にとっては1分弱のInterlude等は正直言って邪魔に思えます。
そしてトラックが物凄く派手。
ピアノ、ギター、ストリングス等がこれだけ前面に押し出されていると聴きやすい。
あとは客演の多さ
話題のNicki Minajの"Monster"でのラップは物凄くかっこいい。
他にもJay-ZやJohn Legendなどの大御所も参加。
そして、Kanye Westのセンスが光る客演の配置の良さ。
ここでこいつを持ってくるのか、うまいなあと唸ってしまう箇所が多々あります。

あとGood Fridayにより曲を小出しにしていったのもうまかった。
70点状態のトラックをGood Fridayで配信して、100点状態にまでアレンジとミックスをしたトラックをアルバムに入れると。
そうすると曲がいっそう映えるんですね。
初めてきいた時に良いと思うのよりも前に一回良いと思っていて、更にそれに磨きがかかっている方が良いイメージを持たれやすい。
こういう戦略的なところも凄いなあ、と。

そして、サンプリングのセンスも多方面へのアプローチができるように
Bon Iverとでインディーロックファンを、
King CrimsonやBlack Sabbathのサンプリングでオールドロックファンを、
Aphex Twinのサンプリングで電子音楽、IDM好きにまで接近
この八方美人なメディア受けの良さがこのアルバムの高評価につながったんだなあ、と。
HIPHOPという枠内ではなくPOPの名盤として語り継がれる名盤だと思います。

ちなみにオススメトラックは
9分を超える壮大な"Runaway"
Bon Iverからサンプリングしたトラックが哀愁を漂わせる"Lost In The World"
この2曲はとびきりキャッチーで普段HIPHOPを聴かない層にも受け入れられやすいと思います。
ちなみにClean盤(バレリーナのジャケ)は放送禁止用語がカットされているのでオススメできません。
買うならこの黒人と白人の天使みたいなのがヤってるジャケ盤をオススメします。
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2011年12月31日
『ウォッチ・ザ・スローン』もなかなかいいアルバムです。この2010年作品もどちらもわかりやすい良作。私にも聞けます。特筆すべきはアルバム前半かもしれませんが、「ブレイム・ゲーム」なんか聞き逃しはいけませんね。キング・クリムゾンのサンプリングのしかたもかっこいいです。アナログを持っていますが(3枚組です。)、やはりいまはディスク3を集中的に聴いています。
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2010年、10年に1度の区切り年に相応しく様々な新鋭・ベテランアーティストが力作を放出し続ける豊作の音楽シーンだが、本作程
ジャンルを超えて発表が待ち望まれていた作品も珍しい。発表された22日以降、前評判通りの作品の質の高さに各音楽メディアが
絶賛・絶賛…の嵐である。それらの評価とは別に、リリースから数日聴き続けて来た私的な印象をレビューしたいと思う。

Jon Brionとの共同作業により、黄金期ソウルのサンプルを多数拝借し制作した処女作〜電子ポップ寄りにシフトした前作と作品毎に
少しずつ音のパレットを更新してきたKanyeだが、本作では従来の作品の要素が全てぶちこまれた様な総決算的な音創りとなってお
り、各曲が強い個性を持ち曲毎にその色を鮮やかに変える。しかも本作13曲で全70分と、長尺の大曲が多いのも特徴。かなりの曲で
現在シーンの最前線で活躍するMCや歌手を多数呼び込み、大変華やかな仕上がりになっている。

Kanyeの場合リリックの面白さも魅力の一つの様だが、英語に堪能でない身としてはやはり真っ先に耳がいくのがトラック創りの面白
さだ。まず初盤「Power」で驚きの波が訪れる。思わず耳を惹かずに居られないキャッチーなバック・コーラスに乗せてカニエのラップ、
エフェクト処理を掛けた断片的なボーカル、ロック・ギターの熱っぽい音が自在に飛び交う。「All of the Lights」では細かいブレイク・ビ
ーツと印象深いホーン群の音に乗るラップと歌が耳に残る。衝撃という面では先行シングルにもなった「Monster」が随一。Jay-Zを始
め豪華なゲストが勢揃いし、獣や人の叫び声、力強いビート・キックを交えMCが次々と入れ替わる様は圧巻。そして本作の核とも言
える9分に及ぶヒップホップ交響詩「Ranaway」が素晴らしい。不穏なピアノの音色に壮大なループ・トラックとビート・キックを混ぜ、そ
の上で歌われるソウルフルな歌。さらに終盤3分にはギターや弦楽器隊も含めた大規模な編成にまで膨らんで行く様は深い感動を呼
び起こす。恐らくカニエのキャリア中最もソウルフルな名曲だろう。ラストの「Who Will Survive in America?」ではパーカッシブなビー
トに乗せ現状のアメリカに横たわる問題が演説風に高々とリーディングされ、作品の幕を下ろす。

Kanyeの音楽が多くの人に愛されるのは、黒人音楽特有のアクの強さが控えめである点、硬派でなければヒップホップでないという、
がちがちのギャングスタ・ヒップホップの思想に捉われない「文系ヒップホップ」とも言える間口の広さと柔軟なポップ感覚、一方でコア
な音楽ファンにも受けるマニアックかつ緻密な音創りと遊び精神なのだろう。ディープな黒人音楽ファンには、Kanyeの音楽が受け付
けられない向きもある理由も何となく判る。しかし、肌に合わないと言って完全無視してしまうには勿体ない純粋な音楽の楽しさと仕掛
けに溢れた作品である。これから本作が所謂「歴史に残る名盤」となるかは分からない、しかし音楽ファンは一聴してみる価値がある
力作であることは間違い無い。
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2015年2月15日
アナログ盤 (2010/12/28)のレビューです。

レコードは重量版ではなく通常版より少し厚いくらいで、3枚組です。
スリーブは紙です。
ポスターが1枚付属しており、黒いレオタードを着た女性の絵と、
その裏にKanyeの全身写真と歌詞が印刷されていました。
ポスターは1辺58cmくらいの正方形です。
アートワークがプリントされたレコードサイズのカードが5枚ついてきました。
これはセットするとジャケット正面に開けられた窓からそのアートワークがのぞいて見える
仕掛けになっていて、自分の好きな絵をセットしてアルバムジャケットにできます。

作品としては多くの方が述べられている通り、圧巻。
そのサウンドは音楽好きならなかなか無視できないのでは。
3枚組で扱いが面倒ですが、何度もターンテーブルにのせてしまう魅力を持っています。
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2014年10月6日
私はロック音楽全般が好きです。ジャズも好きです。しかしあまりヒップホップには興味がありませんでした。

現在もそうです。ヒップホップ然とした音楽はあまり得意ではありません。しかし、このアルバムは別です。

そもそもカニエさん(ラッパー)メインのアルバムではなく、カニエさんがゲストボーカルをラップで盛り立てているという感じです。

曲もヒップホップの単純でソリッドなトラックの地の部分は残しつつ、ロック音楽のサンプリングやソウルっぽいメロディを取り入れています。あまりヒップホップ作品とは思えないのですが、それでも根底にはカニエ=ラッパー節を感じます。

カニエさんの初期のアルバムも聞きましたが、そちらはもっとヒップホップ寄り。しかし最近のものはいろいろな音楽性が混ざっています。特にこのアルバムにはロックさを感じます。キンクリをサンプリングした曲などもありますし。

そしてものすごいコンセプティブです。曲の流れと構成が最高。かつ捨て曲はまったくなし。全ての曲が独立してすごいのに、アルバム全体の形もきれいにまとまっています。

カニエさんがボーカルとしてすごいとか、彼自身が楽器や音楽の知識が深いのかというと、曲を聴いていてそんなことはないと思います。しかし、プロジェクト力(ディレクションとしての才能?)のすごさ、かつ自分もそれに参加して何かするといったミュージシャンとしては、これまでに知っている誰よりもすごいのではないでしょうか。ジャンルは違いますが、私はBECKに近しいものを感じました(彼もいろいろなジャンルを取り入れて、かつ自分も参加してコンセプティブな音楽を作るから)。でも、良いものを作るために周りを巻き込むちからは、カニエさんの方がすごいと思う。

私はどちらかというと回顧主義者で、昔の曲を礼賛しがちな人間です。しかし、この作品においては、これまで、そしてこれからの歴史を貫くパワーを感じます。

カニエさん、名前は有名ですが、日本メディアの音楽特集などではあまり取り上げられていない気がします。レンタルにもあまり置いてないし。でも、聞いて損なしだと思います。

おれもラッパーになろうかな、とちょっと思いました。そのくらい影響を受けたアルバムです。
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2010年12月17日
緻密に計算された音と曲順にはまり何度も繰り返して聴いています。

リアーナとファーギーの競演、エルトン・ジョンやアリシア・キーズのコーラスなどアーティストの贅沢な起用が印象的なALL OF THE LIGHTをはじめ聴き応えのある楽曲揃いですが

そのなかでも静かなイントロから
パープルレインを彷彿とさせる胸の奥が熱くなるエンディングまで引き込まれるRUNAWAYが特に気に入っています。

前作808&HEARTBREAKも好きなアルバムですが
彼の作品はあざやかな閃きから生まれたものではではなくアーティストの頭の中で何度も何度もシュミレーションを重ねて産み落とされたものでしょう。
徹底したこだわりを感じます。
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2011年1月5日
音楽性とコンセプトのバランスが抜群。

サンプリングの妙技と音のパレットの豊富さ。ラップそのものも、ここで一つ極めたという感じ。いろんな仕掛けがちりばめられているので、聴き手が思わずいろんなことを語りたくなってしまうというのも、MCラップの先行者とは明らかに違うカニエの個性だ。美術系の出身ということも大きく作用し、これぞヒップホップのエポックメイキングと呼びたくなるほどのインパクト。ある意味、もはやポップミュージックというより、現代アート(ポップアートを飛び越して)作品というイメージ。どこまで高く評価するかは個人の好みとなるが、音楽と美術好きでこのアルバムを受けつけない人はいないのではないかと。

内容についてはすでにあちこちで力作のレビューを見かけるし、国内盤には小林雅明氏と高橋芳朗氏による気合いのこもった評論&ライナーがつけられているので、DVD『ランナウェイ』ショート・フィルムの冒頭で感じたことを一つだけ。モーツァルトのレクイエム「ラクリモサ」が流れる。モーツァルトが死の前日に8小節目まで書きとめ、そのさきはついにペンを取ることがなかったといういわく付きの曲だ。そこにアルバム曲をかぶせていくという演出、じゃっかん「やりすぎ?」感もあったが、あれはあれで秀逸。ちょっぴり映画『ファニーゲーム』のオープニングを連想させつつ、そこまで含め個性的。一見の価値はあり。
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