Hiromi

 
ベストレビュアーランキング: 19,086
レビューについて、参考になったとの票を受け取りました: 75% (参考になった数:4,411(投票総数:5,884))
住所: ロンドン、UK
自己紹介:
イギリス在住10年目。イギリスに来て初めて世界の日本を見る目が「東京裁判史観」によって随分歪められているのを知りました。日本を愛する一人の日本人として、微力ながらも誤解を解いてゆく努力をしたいと思っております。
 

レビュー

ベストレビュアーランキング: 19,086 - 参考になった投票の総数:5884中4411
東京裁判とオランダ L.ファン プールヘースト
東京裁判とオランダ L.ファン プールヘースト
15 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書の意義は、オランダ政府の公文書やレーリンク判事の個人文書など第一次資料を駆使して東京裁判の舞台裏を本格的に分析したところにある。

東京裁判はその根幹を成す憲章が、国際法学者でなく終始米軍の将軍として活動したマッカーサーによって決定され、その管轄権の不当性に疑問を持つことすら許されないという独裁性を持っていた。そして、それをナチ親衛隊よろしく忠実に遂行し、証拠によって支持されない(つまり『言いがかり』も同然の)『被告全員有罪』の多数派判決を出したニュージーランド、英国、カナダなどの『多数派』判事たちは「憲章が定めた法規に同意できない者は、最初からこの裁判の判事職を担うべきではなかった」とまで言ってレーリンクらを非難した。

オランダは、過酷な植民地経営や現地の公務員への給与不払いなど自らの不正は棚に挙げて、インドネシア独立への日本軍の援助を「日本軍のオランダへの侵略」として断罪しようとしたが、米国はこれを、日本を共産主義への堡塁として利用したいがためあっさり犠牲にした。

植民地を失ったうえ「小国」としての地位に甘んじることを余儀なくされたオランダにとって、サンフランシスコ条約は「始めて舐めさせられた苦汁」となった。

戦後補償の交渉の中で、日本側はオランダの主張する『虐待事例』の証拠を要求するが、『被害者』への尋問は不可、日本自らが調査することもならん、日本側の言い分は一切聞かぬ、と『人民裁判』の継続を思わせる蘭政府の態度のお陰で交渉は難航する。… 続きを見る
日本はそんなに悪い国なのか A級戦犯・靖国問題・平和祈念碑設立をめぐって (PHP文庫) 上坂 冬子
16 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『日本無罪論』で有名なパル判事に言及するまでもなく、東京裁判の判事中パルの他唯一人の国際法学者であったレーリンクも、法学者として東京裁判の違法性には疑いを持っていなかった。パルとの違いは、彼が左翼シンパであったこと、オランダの代表として本国政府の反日政策への遠慮があったことだけである。

だが、反対意見を提出する前に蘭政府にお伺いを立てたレーリンクへの返答は、「裁判所憲章を国際法に照らして審査するということは、起訴された被告が全て無罪となる道を開くに等しい」だからそれはまずい、と言うことであった。

つまり、パルとレーリンクの反対意見は、国際法に照らせば至極真っ当な「正論」だったのだ。

反発した他の判事たちは「裁判所憲章が違法かどうかなど我々に判断を下す権限などない。それに従えないなら最初から判事の職務を辞退すべきだった」とまでいったが、これは東京裁判が国際法とは何の関係もないマッカーサーの作成した憲章に独裁される人民リンチ裁判である、との告白ではないか!

東京裁判が違法であったかどうか、それによって告発・処刑された人々が真実犯罪者であったかどうかを判断することは、独立主権国家としての日本の基本的権利ではないのか。

その権利がないと主張するのは、マッカーサーからの他の戴き物である新憲法に追従して『日本には自衛権もない』とまでいう、日本を丸裸にして中国・ソ連・北朝鮮が侵略しやすいようにしておきたい国家転覆の意思を持った人々だろう。… 続きを見る
トランスポーター2 DTSスペシャル・エディション [DVD] <b>DVD</b> ~ ルイ・レテリエ
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
超A級レーサー並みの運転技術と元特殊部隊員としての優れた格闘サバイバル技術に加えて、チェスの世界チャンピオンばりに常に百手先まで見通せるかのようなスーパークールな頭脳でのクライシス・マネジメントはいつも呆気に取られるほどお見事。でもそれに留まらないのがフランクの面目躍如。

アブナイ犯罪者と関わる運び屋稼業のせいで、服が血まみれになったり破けたりすることも多いようだが、そこはそれ、トランクにちゃんとお着替えを一式用意しておくという『身支度にうるさい』ところがカワイイ。そして前作で彼を捕まえに来た老警察官とちゃっかり「お友達」になっちゃうお茶目さ、ついつい人情に棹差して、でも流されないところがニクい。人情味は往々にして「ヒーロー」の弱味になるものだが、逆に強みにしてしまうところがフランクの凄いとこ。

そして、六歳の子供との約束を死んでも守る、という気合の入った義侠心、そしてその子の母親(つまり勿論人妻)が、触れなば落ちんというしどけない風情で据え膳を用意しても、優しくお断りするだけの矜持も持ち合わせている、という硬派なところがカッコいい。

『運び屋』フランクは、ちょっと「濃い口」のジェームス・ボンドよりも「心は錦」の日本人向けかもしれない。

ほしい物リスト