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レビュー

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陽気な容疑者たち―天藤真推理小説全集〈2〉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 天藤 真
ちりばめられた仄かなユーモアが楽しめる良質なミステリだと思います。この「仄かな」というのが、日本の作品には意外と少ないように思いますが、本書はイギリスの小説によくあるような、真面目な顔(語り)で喜劇的な状況が語られていきます。
それだけかと思うと、トリックは?がつくものの、例えば一読目はただのお笑いに見えた、被害者の関係者の陽気な様子に別な意味が与えられる点、頼まれた買い物を背負って山道を歩くことになった状況に主人公の性格が色濃く反映されていることが後の行動に大きく説得力を持たせるなど、とてもよくできた物語だと思います。
傷痍軍人がでてくるなど、若干時代が古くなっているかもしれませんが、却って10年、20年前の作品よりも、クラシックと割り切って読みやすいかもしれません。
ほっこりしたい人におすすめの作品です。
ようこそグリニッジ警察へ マレー デイヴィス
ようこそグリニッジ警察へ マレー デイヴィス
またか、という感じのイギリスの警察小説です。類書のイアン・ランキンの「血の流れるままに」やスチュアート・マクブライドの「花崗岩の街」といった重厚な作品に比べると、本作はいささか軽い感じに仕上がっています。
とはいえ、序盤80ページくらいのドタバタしたまとまりのないように思える個所を超えれば、作者の考えた巧妙なプロットに引き込まれると思います。
あっけなく殺人が続くことと、登場人物の個性を数名の例外を除いて書き分けられていないというマイナス面はあるものの、警察小説の王道的な作品が好きな方にも十分アピールできる内容だと思います。また、前褐書のような暗い重厚な物語は苦手という人も楽しめると思います。
あと、ネタバレにつながるので具体的には書きませんが登場人物の倫理観に癖があるので、気になる人は気になるかもしれません。
東京酒場漂流記 (ちくま文庫) なぎら 健壱
数十年前の酒場に関するエッセイで、今の酒場とは異なる雰囲気を楽しむことが出来ました。
著者の語り口は、嫌味が無いので、気分転換に読むエッセイとしては最適だと思います。
とはいえ、自分が実際に行く前提で読もうという人は、書かれてからだいぶ時間が経っているので、すでに無くなっていたり、代がかわっていることが多いと思うので、ご注意ください。